人生には、覚えて損がない言葉がある。『人生の結論』を読む

人生の結論 (朝日新書)

人生には、「このときこの本を読んだおかげで」というような、決定的影響力を与えてくれる本があります。

それは、1ページ1ページ、読み進めるたびに、「そう、そうだよな」と、本当に心の底から納得できる言葉にあふれています。

そこで気づきを得ることによって、私たちは新しい自分へと出会う旅路へと、足を進めていくことができます。

小池一夫さんの『人生の結論』(朝日新書)は、まさにそんな本です。

この本について

本書では、実体験に基づいた様々な人生についての本質的な考察と、人生訓が満載。

その言葉の1つ1つに、真実味と大きな重みがあって、ここからの自分の、座右の銘を見つけたい。

そう思う言葉が満載です。

大切な人生についての本当の話はいつでもどこでも普遍的。本書を読めば、まさにそのことが実感できます。

以下、本書の読書メモです。

人付き合いのルール(P16)

人間関係の最も重要な原則は、人と上手に付き合う前に、まず自分自身と上手に付き合うこと。

自分を受け入れることができない人は、他人を受け入れることもできない。

自分を知り、自分とうまく付き合うことができる人が、他人とうまく付き合うことができる。

自分語りをやめる(P25)

恋人ができない。仕事がうまくいかない。そういう人に限って、常に自分語りばかり。

人生で必要なのは可愛げであり、自分語りマンに好感を覚える人は少ない。

なにより、どんな人であれ、皆それぞれの人生で様々な不安や悩みを持っているもの。

それを云々して、人になんとかしてもらおうとする根性がダメ。まずは、自分自分の、意識を変えることが必要。

縁が切れる、切るタイミング(P37)

人との縁には自然に切れるものと、自分で切るべきものがある。

自分を苦しめるだけの縁など自分からスッキリ切ればいいし、自然に切れてしまった縁は、ムリに追いかける必要もない。

縁があればまたどこかでつながる。だから、切れた縁はそのままに、また新しい縁を探していくことが大切。

その縁が、自分の世界を広げてくれる。

失礼な人との付き合い方(P43)

世の中にはこちらが普通に接しているにも関わらず無礼千万。礼儀を忘れて不愉快に接してくる人がいる。

こういう人とうまくやろうとしても無意味。努力して付き合う価値はない。

なぜなら、自分に失礼に接してくる人は、そもそも自分と上手くやっていこうという気持ちがない人。

努力して合わせようが、どちらにしろ良い関係を築くことはできない。だからさっさと無視して、関わらないのが一番いい。

人間の成熟度(P62)

その人が人としてどれだけ成熟しているか。それが分かるのが、言葉の使い方。

人の気持ちを暗くしたり、傷つけたり。

そんな言葉を使う人は、いくら社会的な地位がどうであれ、お金持ちであれ、人としては未成熟。人と成熟した関係を築くことはできない。

しかし、人のことを配慮して明るい言葉を使える人。人の気持ちを暖かくする人。

そういう成熟した人は、周りに人に助けられ、幸せな最期を迎えることができる。

仕事で一番結果を出せるとき(P85)

自分のペースで仕事ができたとき、自分の成果を最大限に発揮することができる。

だから人生どんなに忙しくてもマイペースが最強。自分のペースを乱さずに、毎日頑張ること。

スランプ復活のカギ(P91)

スランプを復活するためのカギは、人と技術。

スランプから回復するためにはまず心を復活させる必要がある。まずその手助けとなってくれるのが人。

面白い人や刺激的な人、「お前はもっとできる」と挑発してれる人。そういう人と会うことで、心が復活し、スランプから抜け出そうという気持ちが蘇る。

この意味で、スランプのときに一人で引きこもるのはよろしくない。

心が復活したら次に大切なのが技術を磨くこと。今までの自分のやり方の何がダメだったのか。そして自分の基礎、技術を磨いていく。

これがスランプ復活の道。

運を引き寄せる秘訣(P97)

成功者にとって運は偶然やって来るものではない。運を呼び込むからこそ、成功者は成功者となる。

自分のやるべきことを愚直に、そしてがむしゃらにやる。そんな真っ直ぐな姿勢が運を呼ぶ。

ただし、運は最終的に人柄。

人柄の良い人が一番、運と上手く共存することができるが、人柄が悪い人のもとにも運はやって来るが、悪い人柄のせいで運を逃してしまう。

自分を雑に扱うな(P106)

自分の扱いがひどい人は、他人の扱いもひどくなる。

自分を雑に扱うから心がすさみ、人に無神経になるだけでなく、がさつになり、失礼をする。そして人に嫌な思いをさせる。

だから大切なのはどんなときもまず自分を大切にすること。自分を雑に扱わず、心をすさませないこと。

ここが、人間関係をスムーズにする原則であり、人生をダメにしない秘訣。

苦労したらそのもとを取れ(P114)

人にはそれぞれの人生で、「この時期は自分にとって人生最大のムダだった」というような、空白のときがある。

苦労の結果、人生がうまくいかなくなり、無為徒食の状態で時間だけが過ぎていく。

人生の一時期、こうなってしまうのは長い人生において仕方がない。失った時間はどうにもならない。仕方ないので、あきらめるしかない。

ただし、そこから学び、したたかに。そして強く生きること。苦労を苦労のままにせず、そこからより良い自分になること。

これが、苦労したことのもとを取る、ということ。

愛が足りない人の特徴(P130)

愛が足りない人は、人を疑う。だから人の愛を試そうとする。人を信用できない人は、決定的に愛が不足している。

弱音を吐ける人(P143)

人生には弱音を吐きたいとき、非難しないで気持ちを受け止めてくれる人が必要。

弱音を吐きたいとき聞きたいのは正論ではなくて共感。

正論マンに弱音を吐いたところで、気持ちを分かってもらうことはできない。

弱音を吐きたくなったら、自分の気持ちに共感してくれる人のところで吐くこと。

上質なものに触れる(P150)

安いものにはいいものはあって、高いものにも悪いものはある。しかし、いいものは確実に高い。

ものの良し悪しを見極める上で、上質なもの。高価なものに触れるということは必要不可欠。

良いものには人の魂と技術。あらゆるものが込められている。いいものに触れることによって、ものの価値が理解できるようになる。

この意味で人生、いいものは高いお金を払ってでも、きちんと所有し、味わい、経験することが大切。

それが、自分の感性や、人としてのレベルを高めてくれる。

ものを買うときは、安物ではなく一流のもの。結局、高いものをしっかり使う方が、あらゆる意味で、コスパが最強だから。

発達課題を適切にクリアする(P161)

人にはそれぞれの年代に応じて、必要な課題がある。それをきちんとクリアしていくことによって、人として適切に成長していくことができる。

ところが、この発達のために必要な課題をクリアしていない人は、その成長の歪みがあらわれる。

それは、欲しいものとか、お金を使ってしまうものとか、そういうところに歪みが現れる。

この意味で、大人をチェックするときは、その人が何を欲しがるのかを見ればいい。そこに、その人の育ちが分かる。

成熟した大人になるためにしたい3つのこと(P191)

本を読んで知識を得る。旅に出て行動し、知識を知恵に変える。そして普段から絶対に人の悪口を言わない。

この3つが、成熟した大人になるためにおすすめのこと。魅力的な大人は、この3つを実践。日々自身の成熟度を高めている。

将来苦労しないために(P218)

同じ能力。同じ学歴を持っている若者でも、電車でゲームをして時間を潰している若者。本を読んで勉強に励む若者。

その未来は大きく違う。

大切なのは将来を見据えて、今できる苦労を率先して買っておくこと。自分の将来のために今何ができるのか。何をすべきなのか。

それに取り組むことが、将来の自分を救う。

人が老けるとき(P224)

なにかに夢中になっているとき。将来に希望を抱いているとき。日々楽しいことがあるとき。

精神的に健康で心が善い方向へ向かっている人は、決して老いない。それどころか若返る。

しかし、自分がやるべきことをなくしたり、過去にこだわりすぎたり、ネガティブな気持ちにとらわれると、人は驚くほど老け込む。

この意味で、老けないために大切なのは、心の働きを活発化させること。

気になること。好きなこと。体験したいこと。心に刺激を与えて、毎日を豊かにしていく。

これが老けない大人になる秘訣。

感想など

控えめに言っても、ここ数年読んできた1000冊近くの本のなかで、特に心を強く動かされた本。

1ページ1ページ、文字を読み進めていくとそこには「そうなんだ!」と強く印象に残る話が満載。そのどれもが、理屈ではなく直感的に「正しい」と納得できます。

結局、本書のような人生論タイプの新書はたいてい60分とかからず、さっと読んでしまうのですが、本書は全く別。

目に飛び込んでくる言葉の一つ一つに重みがあって、ついつい、その言葉を自分の中で反芻。

このような深い読書体験ができる機会はなかなかなくて、この意味で、本書は本当に最高でした。

多分、人生で正しいこと。役に立つ話というのは、いつの時代でも。誰に対しても。一定の普遍性を持っているのだと思います。

だから、自分の立場がどうであれ、心に響く話は、まさにビンゴ。今の自分に必要な言葉なのだと思います。

本書はそんな人生の気づきとなる話が満載。人生訓の本におすすめを連呼するのは自分の性ではありませんが、この本は素直に誰かにおすすめしたくなります。

それくらい、自分にとっては、心に響いた言葉が満載でした。

もしあなたが今後、自分の人生をより良く、豊かに生きたいと思っているなら。本書を読むことはきっと、ムダではありません。

本屋さんに行ったら、立ち読みでもかまいませんので、ともかく手にとって、読んでみてください。

きっと、今のあなたが必要とする言葉が見つかると信じます。

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