「運がいい人」になるために大切な考え方。
勝間和代著『人生確率論のススメ』(扶桑社新書)の読書感想です。
この本について
「運とは確率である」という単刀直入な主張が興味深い本。
運をつかむためには神頼みとかそういうことではなくいかに確率を理解すること。そんな運について新しく、かつ合理的な考え方ができる一冊になっています。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P3)
運とは「特定条件の下での確率のばらつき」のこと。
だから確率のばらつきが原因で、どんなに頑張っても上手くいかないこともあるが、適切なタイミングで適切な努力をしていけば、運は支配できる。
運を良くするためにできること(P5)
勝間流雲を良くする行動&考え方が、
1・チャンスは最大限に広げる。
2・虫の知らせを聞き逃さない。
3・幸運を期待する。
4・不幸を幸運に変える。
この4つ。
これに加え、条件を理解し、行動や思考を自ら選択する。これによって、確率のばらつきを良い結果が出るように変えていくことができる。
運を高めたいなら人間関係を広げること(P24)
運がいい人は人の輪が広い。いろんな人と付き合いがあり、人間関係を軽視せずに大切にしている。
だから、いろんなところからいろんな情報が入ってきて、そこから成功のチャンスが広がっていく。
大切なのは普段の人付き合いを大切にすること。人に親切にして、社交性を高めること。それが運アップにつながる。
逆に言えば、人に嫌われるような自己中で利己的な態度は運を下げる。
人に嫌われれば情報は入ってこない。だからチャンスが回ってこない。人間関係は大切にして損はない。
成功する人の決断(P68)
成功する人は、自分に何ができて、そして何ができないのかを明確に理解している。
つまりあきらめる勇気こそ大切なものであり、向いていないことに執着していても運を下げるだけ。
できないことはできないと、さっさとあきらめることも大切。
結果が出ないときはどうするか(P74)
結果が出ないとき=計画や方法を見直して、自分が何をどうするべきかを考え直す時期。
大切なことほど、今すぐ結果を出せるものではない。そこで、何がダメで何をどうやれば上手くいくのか、もう1度じっくり考えてみること。
行動しない人の特徴(P82)
行動できない人は運を下げる。チャンスをつかめず成功できない。なぜ行動できないのかというと、この性格が原因。
1・リスクをとれない。
2・完璧主義に陥っている。
3・他人の評価を気にし過ぎている。
運を上げるためには、社交性を高めることでチャンス到来度をアップさせ、チャンスがやってきたときにそれを行動でつかみとること。
しかし、チャンスがやってこようと、行動できなければ意味がない。今すぐ行動できる人になるために、行動できない自分を変えていくことが大切。
他人のdisりへの対処法(P113)
生きていれば、必ず誰かからdisられる。しかし実際のところ、人からいくらdisられようが、それは自分が気にしない限りは、全く意味がない。
そのため、他人にdisられたとしてもそれは人生で全く意味を成さないことを知っておく。「あの人は何か言ってるな」くらいの感じで、テキトーに受け流すこと。
なぜ自分アゲマンが痛々しいのか(P173)
世の中には、過去の栄光にとらわれて、それが故に前へ進んでいけない人たちがいる。
彼らは自分の学歴や仕事の実績を自慢するが、周りからすれば痛々しいことこの上ない。
大切なのは過去のことではなくこれからのこと。過去の成功にとらわれず、常に実績はリセット。未来へ向けて進んでいくことが大切。
こんな人とは付き合うな(P187)
人間関係で注意すべきは「搾取型」の人間との付き合い。
彼らは人を自分の利益のために利用することしか考えていない。だから、人間関係は損得であり、自分の利益になるように他人を利用しつくす。
そして、他人にクレクレするわりには、自分からは何も人に利益を提供しない。
親切心を出して彼らと付き合っても、良いことは何一つない。関わってはいけない人とは、積極的に距離を置いて良い。
感想など
「運を合理的に考えるとこうなるのかぁ」
と新鮮な気持ちで読了した本。
運とは結局確率のばらつきで、そのばらつきをいかに上方修正できるような行動、考え方をしていくか。
結局のところそこが肝心で、運と上手く付き合っていくために、神頼みするとか、そういったことではなく、自分なりの合理的方法を考えるきっかけにすることができます。
個人的には「人生9割くらいは実は運ではないか」と考えていて、だからこそ、
「人生は自分の意志や努力で作り上げていける!」
的なアメリカンマッチョな考え方は苦手としています。
実際、努力しようが何だろうが、運という要素によって何もかもダメになってしまうことがあります。
一方で、努力しなくても、運が良いせいで不思議なくらい何もかも上手くいくことを知っています。
だからこそ、運とは何なのか。どうすれば運と上手く付き合うことができるのか。それを知ることは、決してムダではないと考えています。
本書は運について確率論という合理的な発想を取り入れつつ、読後に納得できる運についての話が満載。
多少アメリカンマッチョ的な匂いがしないわけではありませんが、運を少しでも合理的に考える。そこはとても新鮮です。
ということで、運をどうすれば上げられるのか。そもそも運とは何なのか。考えるきっかけになる本です。
運に興味をお持ちの方は、一読して損がない一冊となっています。