知らないと痛い目に遭う!?
川村佳子著『嫉妬のお作法』の読書作法です。
この本について
カウンセラーによる嫉妬論。
普段の生活で認識するしないに関わらず、世の中の至るところでこっそりと存在感を示す「嫉妬」というダークな人の感情。
この本では嫉妬について正しい認識を持ち、どうやって付き合っていけばいいのか、嫉妬との向き合い方について理解、嫉妬というマイナスの感情をプラスに変える方法を学ぶことができます。
以下、本書の読書メモです。
嫉妬心について(P2)
嫉妬心は基本的に自分と他者を比較したときに湧き上がってくる感情。
「あいつはこうだ、でもあいつに比べて自分は・・・」と自分と人を比べたとき、嫉妬心がそっと近づいてくる。
この嫉妬心は、感情がある限り消すことができず、一生付き合っていく必要のあるもの。
嫉妬は人だけでなく自分の人生も狂わす。だからこそ、正しい認識、正しい付き合い方が重要になってくる。
他者との比較が罠(P17)
人間難しいのは、人と比較することでしか、なかなか自分のことが分からないということ。
意識するしないに関わらず、私たちは常に自分と人をどこかで比較している。「あの人はここがすごい、でも自分は・・・」そういう気持ちがどこかにある。
自他を比較して、「私はあの人よりダメかもしれない・・・」「あの人の○○が羨ましい・・・」と感じたとき、嫉妬の影がそっと忍び寄ってきて、黒い炎を燃やしてしまう。
嫉妬心の芽生え(P23)
人は生まれ、幼い時期から嫉妬心を育む。幼児の頃、「母親の愛、注目を独占したい、私にかまって欲しい」という欲求から嫉妬心は芽生える。
嫉妬を感じたとき(P42)
嫉妬を感じたとき、嫉妬心で自分を焼かないポイントは、「ないもの」に意識を向けるのではなく、「今自分が持っているもの」や「これからできること」に意識を向けること。
ないものねだりは嫉妬の炎に燃料を注いでしまう。人ではなく自分に意識を向けることが大切。
嫉妬の5タイプ(P45)
嫉妬には次の5つのタイプがある。
1・相手を貶める嫌がらせタイプ
2・自分の不満をぶつけるストレス解消タイプ
3・ジワジワ復讐する自己優越タイプ
4・現実から目を背ける自己逃避タイプ
5・悔しさをパワーに変える自己成長タイプ
基本的に嫉妬の感情は自他にマイナスの害しかもたらさないが、自己成長タイプのように、嫉妬心をプラスに変えることができれば、マイナスがプラスになり、自分を成長させることができる。
嫉妬深い人の特徴(P56)
こんな人は要注意?嫉妬の炎を燃やす敵愾心、妬み心の強い人の特徴はこちら。
1・オレオレオレの自己顕示欲が強いタイプ
2・目立ちたがり屋なタイプ
3・ウワサが大好きなタイプ
4・虚栄心が強いタイプ
5・つねに自分と人を比較してしまう自分に自信がないタイプ
嫉妬されやすい人の特徴(P76)
知らないうちに人から嫉妬されやすい人の特徴。
1・正直過ぎる人、率直で真っ直ぐなタイプ
2・他人の感情に配慮できないタイプ
3・自慢せずにはいられないタイプ
4・自分の行動に無自覚なタイプ
5・オーラのある目立つタイプ
男女の嫉妬の行動様式(P98)
女が嫉妬を感じたときの行動の特徴は、相手のアラを探してそれを批判、「こいつは私より下!」とことん貶めること。
一方男は、基本的に能力や評価に対して嫉妬を感じやすく、自分より優れている相手に対して「調子に乗るなよコラ」というように、「俺より目立つなよ」と相手を牽制し出す。
感想など
多少表現がマイルドですが、嫉妬についての基礎知識を分かりやすく学べた本。
「嫉妬」というとあまり良い感じはしませんが、嫉妬の知識は人間社会で生きていくために必要な知識。
この人間のダークな感情、嫉妬についての理解を持っているかいないかは、人生という道を歩む上でその安全性に影響するとても重要なポイントだと思います。
人の感情(特にネガティブな感情)にむとんちゃくでいると、思わぬところから足を引っ張られ、ダメージを受けてしまうことが少なくありません。
嫉妬という感情によって、人間関係のトラブルに巻き込まれたり、嫉妬心を煽られて本当はたいして欲しくないものをつかまされて責任を取らされることになってしまうことも。
そんな不如意で失敗しないため、嫉妬が人をどのように変えるのか、日常生活でどんな影響があるのかを知っておくことが大切なのかもしれません。
人間関係の理解を深める一助に。