お金は貯めるだけじゃない。大切なのは使い方。
家入一真著『お金が教えてくれること マイクロ起業で自由に生きる』(大和書房)の読書感想です。
この本について
レンタルサーバー会社の草分け的存在のロリポップ創業者でジャスダック史上最年少で上場を果たした家入さんのお金論。
そもそもお金とは何か、人生を豊かにするためにお金とどう付き合えばいいのか、お金と人生を考えるヒントが満載です。
以下、本書の読書メモです。
お金と向き合うために(P21)
お金のことを考える、その第一歩が生活コストの把握。
自分の暮らしをするために、月にいくらお金が必要なのか、今どれくらいお金がかかっているか、そこを正確に把握する。
お金計画の全ては、そこから始まる。
最低ラインを知る(P26)
自分が暮らしていくために最低いくらお金を稼ぐ必要があるのか、そのためにはどのくらい働ければいいのか。
こんなふうに逆算思考で考えると、仕事の虫にならない、気持ちに余裕がある暮らしができる。
最低限、自分が幸せだと感じる生活コストはどれくらいなのか、それを基準に働き方を考えると、幸せな働き方が見えてくる。
お金は時間を買える(P35)
お金で買うことができる大きなものの一つが時間。
お金を出すことで、時間を節約でき、それによって、人生のチャンス、豊かさを高めることができる。
お金がないと、「貧乏暇なし」で人生の諸々のチャンスを失ってしまう。
やりたいことは今すぐやる(P57)
タイム・イズ・マネー、時間もお金も、無駄にしないためにどう動けばいいか、考えたい。
どうしてもやりたいこと、したいことがあれば、それは今すぐ動く価値があること。お金がないなら借りて来ればいい。
やろうと思うこと、できること、したいこと、それがあるなら、すぐに動くべし。
雇用契約の本質(P96)
雇用とはお金でつながった関係で、経営者と雇用者が「これだけ仕事すればこれだけお金をもらいます」と約束している関係。
経営者から見れば、お金を払っているのだから必要な仕事はしてもらって当然。それによって会社に利益が出る。利益が出るから人を雇うことができる。
金がないなら頭を使え(P127)
予算不足でお金が足りない、そういうときこそ頭の使い所。「お金がない」で思考停止せず、ほかに工夫できないか、違うやり方がないか、頭を使う。
これからの時代に必要な柔軟性(P197)
今の時代は変化の時代。昔のように、誰もが同じ未来を夢見ることができた時代とは違う。
変化の時代、大切なのは柔軟性。身軽になり、状況に応じてスイスイ動けるような状態でいること。
・物理的にはモノを減らしていつでも引っ越しできるようにする
・仕事では一つの会社に収入を頼らず、いろんな副業をして収入を確保する
こんなふうに、何かに依存しない自立した状態を保ち、自分からいつでも動ける状態になること。
感想など
お金を切り口に、人生や働き方を考える本という印象。
お金をどう貯めろだとか、稼ぐことは正義だ的な、お金の本にありがちな話は一切なし。
稼ぐ貯める、そういう話はおいておいて、お金とどう向き合うか、人生を豊かにするためにどうやってお金を使うか、そういう話が中心です。
文章自体はゆるーい感じでスイスイ読めますが、何というか、発想が面白しろいというか自由というか、読んでいてまったりできます。
特に印象的だったのは、「お金を体験に使う」という話。
たくさんお金を稼いで、それで豪遊しても、そのときは金の匂いに釣られていろんな人がやってくるけど、お金がなくなったらそういう人はさっと消えてしまう。
そんなお金の使い方を経験するのもいいけれど、いろんなことにお金を浪費することで、安いものも高いものも、人生いろんな楽しみ方があることが分かる。
体験するためににお金を使う。その発想があるかないかで、豊かさは全然違ってくるというのは、本当にそうだと思います。
何かを経験して、それによって自分のどこかが変わっていく。それによって日常的な行動が変わって、また新しいものと出会っていく。これはとても面白いことだと思います。
この積み重ねで日々が過ぎ、いろんなことが積み重なって人生が出来ていく。
何かを経験するというのは、それ自体が財産で、お金は経験するチャンスを増やす絶好のツールに他なりません。
お金は寝かしているだけだとただの紙だけど、それをいろんなものに交換することによって、初めてお金が意味を成してきます。
お金を貯めるのも必要かもしれませんが、どれくらい貯めてどう使うのか、そこらへんをしっかり考えておくことで、人生の在りようが、がらっと変わってきます。
大切なのは付き合い方。
楽しめる時に楽しむ。したいときにしたいことをする。やりたいことに挑戦する。そういうことがきっと、人生を豊かさに。
お金と上手く付き合えば、人生を豊かにするチャンスをたくさん引き寄せてくれるかもしれませんね。