結局、従業員として雇われ、組織で生き残っていく上で難しいのは、仕事で結果を出すことにあらず。むしろ、人間関係の空気を読み、適切に立ち振る舞うこと。
なぜなら組織では能力や才能以上に、立ち振る舞いこそが生き残りに直結する技術だからです。
この意味で、具体的に何をどのように行動すれば、組織で生き残っていくことができるのか?
その実践的ノウハウを理解できる本がこちら。尾藤克幸著『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)です。
『波風を立てない仕事のルール』読了。
すまじきものは宮仕え。結局仕事で難しいのは、仕事それ自体ではなく、仕事に関わる人間関係であることが実感できる本。
大人の根回し力とか上の方々への気遣い力とか、自分には会社で生き残るのは無理だなー。上司と衝突して左遷されちゃう、きっと。#読書
— A.Hosaka (@akit723) July 25, 2019
『波風を立てない仕事のルール』について
本書は、会社勤めや議員秘書などを経験した著者が、理不尽な組織の人間関係を無難に生き抜くための実践的なノウハウを提示している本です。
具体的には、
・組織で問題が起こったときに事を荒立てないための謝罪術
・組織で出世の道を閉ざされないための立ち振る舞い方
・上司に嫌われずにマイナス査定を受けないコビの売り方
など、組織あるあるの具体的なノウハウが満載です。
組織でリストラ候補にならずに生き残り、無難に宮仕えを勤め上げたい方にとって、必須の知識が満載の内容になっています。
「実力」よりもっと大切なこと
宮仕えが理不尽なのは昔からのこと。正義は悪に負け、黒を白と言わなければいけないときがあるのが、組織で生きていく現実です。
だからこそ、身の処し方を誤れば、いくら才能や前途がある人でも、一瞬で理不尽さを味わうのが組織という場所です。
そこから抜け出して己の責任で生きていく人には関係がない話ですが、これから10年20年。事を荒立てずに、組織のなかで生きていくことを決意したなら。
磨くべきは仕事の能力ではなく、組織で生き残る処世術であること。本書を読めばまさに、そのことを実感させられます。
こんな方に
とはいえ、処世術ばかり磨いた人がいる組織が本当に変化の激しい世の中で競争に勝ち抜けるのか。
その点は組織の将来性に疑問を感じますが、公務員とか、企業の雇用が安定している企業にお勤めの方には、
・波風を立てない
・周囲(特に利害関係が影響する上司など)とうまくやっていく
といった、処世術が重要なのは疑いようのない事実です。
「コネ野郎」「ごますりやろう」というと印象は良くないですが、実力だけで物事が正しくおさまるなら誰も仕事で悩みません。
ということで、すまじきものは宮仕え。しかし宮仕えで未来を予測できる人生を生きたい方は、本書の知識は超実用的。一読の価値があるでしょう。