結局、組織は上の人で決まる?『会社は頭から腐る』を読んで

会社は頭から腐る 企業再生の修羅場からの提言 (PHP文庫)

冨山和彦著『会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」』(PHP文庫)の読書感想です。

著者は、企業再生の分野で活躍した専門家。著者の実務経験から到達した著者の経営哲学本で、企業という組織はどのようなものか、ダメな組織をどう変えて運営していくのかなど、経営の考え方が書かれています。

以下、気になった内容の要約です。

働く人の姿を見極める(P39)

普段、口で良いことを言っていても、イザという時無責任な人がいる。部下に対して「会社への責任や忠誠」を云々し、カッコイイことを言っていた人が、イザというときにサッサと会社を捨てて逃げ出す。一方で、普段目立たない事務員の女性が丁寧な仕事で会社を支える。会社を構成している人がどんな人たちなのか、見極めを間違えてはいけない

組織の力(P50)

組織を動かす一番の力は団結力。組織がまとまると、個人では発揮できない大きな力が生まれる。それは、頭の善し悪しや地位の有無など関係のない、組織が発揮できる強いパワー。

失敗を生かす(P93)

人間は神様ではないので、予想したことが外れることもある。大切なのは、失敗をどう生かすか。失敗のフィードバックをして、敗因の要因を分析する。失敗から学び、後の経験に生かす。

ゲマインシャフトとゲゼルシャフト(P104)

日本はゲマインシャフト(共同体)的な国。個人の力で「オレはスゴイんだ!」という個人中心の国ではなく、まとまって集団になることで力を発揮する国。一方、アメリカなどの西洋はゲゼルシャフト(利害関係)の国。個人中心で、合理主義を重んじる。

ゲマインシャフト社会の弱点(P218)

日本は共同体社会。価値観やその場の「空気」を重んじる。そのため、組織の構成員は、組織内の軋轢を避け、メンバーを調整する能力を持つ人間が重んじられる(内部調整に長けた人間)。そのため、内部の規範や倫理を優先してしまう。そのため、組織が市場倫理を無視した腐敗の温床になってしまう。

リーダー志向の人は脱藩がオススメ(P295)

リーダーを目指すものは、一度、人生のどこかで、組織から飛び出し、肩書のない人間になることが大切。組織に属さないこと、肩書がないことで味わう、世間の冷たさを、知っておく。

感想など

「組織のメンバーはどんな人で、どのように動いていくか、そして、組織の力を発揮させるにはどうすればいいか。理屈と感情、会社を経営していくにはその両方を意識し、組織を動かしていかなくてはならない。」そんなメッセージのこもった本です。

経営論の本というと、理論や理屈が重視されるものが多いですが、「組織は理屈だけでなく、人間という要素も考えなければいけない」という考え方は、経営の世界だけでなく、人間社会を生き抜く上で参考になる内容だと思いました。

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