『権力を握る人の法則』の読書感想 – 野心を持ったら「出る杭」を目指す!

「権力」を握る人の法則

「この会社で出世してやる!」と野心を抱いたら知っておきたいビジネスマンのための処世術。

ジェフリー・フェファー著、村井章子訳『権力を握る人の法則』(日本経済新聞出版社)の読書感想です。

この本について

権力、出世する人間の特徴を分析したアメリカの本。

出世する人間の特徴や上司に高く評価されるための自己PR法など、「出世したいぜ!」と思ったら参考にしたいアドバイスが満載の内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P15)

権力を得るのも、地位を得るのも、勝つか負けるか、得るか失うかのゼロサムゲーム。

出世を目指すことは人と競争することであり、上を目指せば目指すほど、競争は厳しくなっていく。

競争においては、「清く正しく」はなく、なかには卑劣な手段を用いるライバルもいる。

出世を目指すにあたっては、権力闘争のゲームを理解して、そこで勝ち抜くための考え方を理解する必要がある。

権力を求める理由(P20)

人生、権力や力がないと、突然足を救われ、いろんなものを失う。世の中は公平ではない。だからこそ「力」を求めるべき。

人は力に弱い。地位、名誉、これらを得ることによって、この世の中を快適に生きていくことができる。

リーダーシップ論は綺麗事(P23)

清く正しく、人の模範となるリーダーシップ論は綺麗事の山。

良心を信じよ、本音で話せ、謙虚になれ、そんなリーダーシップ論を信じていては、いつまでも成功できない。

それらは空虚な「あるべき」論で、そんなものを信じていては、汚い手を使うライバルに負けてしまう。

世の中はキレイな場所ではなく、汚い競争が蔓延る場所であることを忘れてはいけない。

権力を獲得、維持するために(P24)

権力を得て、それを守るためには、イメージ戦略が何より重要。

「この人はすごい」「この人は名経営者だ」というような、良い評判を作る。そして、これらのイメージを保つことが権力を守るための基盤になる。

出世に実力は関係なし(P35)

組織で出世するために何よりも重要なのは上司との関係

仕事の実績などたかがしれている。仕事を頑張るより、上司と良い関係を築く方が、確実に出世できる。

上司に自分の顔を売り、「こいつは良い奴だ」「信頼できる男だ」という印象を刷り込むこと。そして、上司が自分に期待していることを読み取りそれを実行。信頼を得ること。

出世のために目指すべきこと、努力することは仕事の成果よりも上司との良い関係を維持することが大切。

自信を態度で示す(P66)

人から重んじられるか軽んじられるか、その分かれ目は外に現れる行動や態度。

権力を持つ人は自信たっぷりに振る舞うため、人から重んじられる。自信なさげに振る舞うと、人からなめられる原因になる。

自分の普段の態度が人から軽んじられる原因になっていないか、見直す。

ルールを疑う(P103)

組織にはたくさんの競争がある。競争に勝つか負けるかは、仕事の能力だけではなく、上の人間の後押しがあるかないかで決まる。

組織での昇進決定権は上司が握っている。となると、出世するためにどうすればいいか、見えてくる。

仕事さえできれば出世できるなどと考えてはいけない。全ては人間同士のこと。出世のための正しいルール、模範があると考えてはいけない。

人間の行動原則(P113)

太古の昔から続く人間の行動原則は、苦痛を避けて快楽を求めること。人の行動の裏にはこの原則がある。

面接は信頼性が低い(P154)

求職者を面接する方法は、信頼性が低い。面接をする面接官の主観、気分、相性などに人物評価が影響されるから。

逆に言えば、求職者は、「自分が面接官にどのような印象を与えるか」を意識することで、面接官を騙せる。

力強い振る舞い、さわやかな好印象、意識して演技すれば、面接官を騙して仕事を得ることができる。

外見、動作、立ち振舞、ファッション、自分が選ばれる立場なら、外見や態度、振る舞い方で面接官の印象を操作。

相手にどんな印象を与えるのかを意識して振る舞うこと。

反対者を懐柔する方法(P199)

自分に反対する相手ほど丁重に扱い、相手の意見を聞く。

「私はあなたを尊重しています」という態度を示す。それによって相手から好意的な反応を引き出す。これが反対者を懐柔するコツ。

人間関係のシンプルなルール(P208)

人は自分を助けてくれる人には手厚く報い、邪魔をする人には仕返しをする。これが人間関係で忘れてはいけない、シンプルなルール。

公正世界仮説に注意(P212)

世の中の多くの人は、この世の中を平等な場所と考える。世間では、このような公正世界仮説が幅を利かせている。

そのため、人生が上手くいっていない人、何らかのトラブルに巻き込まれて苦しんでいる人のことを、「彼らの人間性に問題があるからそんなことになる、自業自得」とマイナスの評価を下す傾向にある。

世の中の人は、とかく弱者、不運の人に冷たい。

どんなときも印象管理を心がける(P216)

人はとかく、物事の表面にだまされやすい。そして、人は勝ち馬に乗りたがる。調子の良さそうな人の後についていく。

そのため、人の支持を得るには、演技でも何でも良いので、自信たっぷり、落ち着いたキャラを演じることが大切。

特に、ピンチのとき、辛いときほど、明るくポジティブに振る舞うことが大切。決して、人前で不安そうな態度を見せてはいけない。

「そのとき」が来たら潔く引く(P251)

物事には引き際というものがある。

権力を誇っても、いつまでもそれを保持することはできない。必ず引き際がやってくる。そのときはせめて、潔く身を引く。去り際は美しく、地位に執着しないこと。

人の世はサル山の世界(P258)

人がいるところ、上の人下の人、必ずヒエラルキーが生まれる。

優越を競う争いが起こり、権謀術数がはびこり、勝つものと負けるものが生まれる。これが人の世の中。人の社会、競争は避けられない。

現実の人間社会はそういうもの。現実を受け入れ、世の中に参加していく。

感想など

タイトルずばり、権力を求める人のための指南書的本。

本場の競争社会であるアメリカの本だけであり、

「出世は実力より上司との関係だ!」

「人間社会は競争社会。世の中を公平で美しい場所と勘違いすべからず!」

など、綺麗事のない直球メッセージが、読んでいて清々しい気分になります。

私は会社員ではないので、出世競争等は全く関係ないですが、この本を読んでいると、出世するのは本当に大変なんだなとしみじみ想像してしまいます。

ゼロサムゲームの競争、周りを蹴落とし上を目指す。

一つしかないポストを目指し、競争に邁進する。権謀術数がはびこる社内政治を生き延び、地位を手に入れる。

そこで辿り着いた景色がどんなものなのか、想像する他ありませんが、「自分には出世競争に勝ち抜くのは無理。きっと途中で脱落してしまうな」というのが正直な感想。

人の上に立つ、競争に勝ち続けるのは、とても大変なのは間違いありません。得るものも大きいかもしれませんが、失うものもたくさんあることでしょう。

それでも、「競争に勝って出世したい!」というときはどうするか?きっと、本書の表裏のない教えが、出世のために参考になるに違いありません。

会社で出世して、組織の上を目指す、そんな野心をお持ちの方はこの本の一読をおすすめします。

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