人を動かす原則はいつの時代も変わらない。
斎藤勇著『人間関係の秘訣は、カーネギーに聞け:デール・カーネギーの『人を動かす』を対人心理学的に読み解く 』(三笠書房)の読書感想です。
この本について
自己啓発の古典的名著、デール・カーネギーの『人を動かす』を心理学の視点を添えて、分かりやすく解説している本。
人間関係で大切なのは人の自己愛を尊重すること。いつの時代でも役に立つ不変の人間関係のノウハウをこの本で習得!
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P14)
人を動かす原則はいつの時代も変わらない。
すなわち、
1・批判しない、文句を言わない
2・真心を持って素直に褒める
3・相手に強い欲求を起こさせる
これらの原則を理解し実践することで、人を動かすことができる。
「好き嫌い」という絶対的要素(P24)
人は好き嫌いで動く。
自分を嫌っている人を絶対に好きになることはない。自分を好きな人は好きになるし、嫌いな人は嫌いになる。結局は好き嫌いで物事が決まる。
人を釣る鉄則(P66)
人が欲しがっているものをエサにする。そうすれば人を釣ることができる。
人を動かしたいときは、自分中心で物事を考えるのではなく、相手が何を欲しているか、相手の立場になって考え、行動すること。
人の本質(P82)
人は結局自分のことが一番好きで、自分に一番関心がある。自己愛こそが人の本質であり、他人の自己愛を尊重することが、良い人間関係を保つために不可欠になる。
どんなときも笑顔を忘れない(P98)
良い印象を得るためには笑顔が一番。イケてる髪型より、豪華な服より、つねに笑顔を意識する。それだけで人からの印象は随分変わる。
話すときの表情を工夫する(P102)
人は話を聞くとき、話者の話す内容より、話者の表情に注目する。そこで、人から好意を得たいのであれば、話す内容よりも話すときの表情を意識すると良い。
人から絶対に嫌われる話し方(P152)
人から嫌われたいときは、
・人の話は長く聞かない。
・常に自分のことだけ話す。
・相手が話しているときでも、何か浮かんだら相手の話をさえぎって自分の意見を言う。
逆に、人に好かれたければ、
・人の話はじっくり聞く。
・自分の話は避け、聞き役に回る。
・相手が話しているときは相手の話をさえぎらない。
これらを意識すれば良い。
人は原則自己中心的。自分のことに一番関心があり、自分に関心を示してくれる人に好意を抱く。話をじっくり聞いて関心を示せば、それだけ人の好意を得やすい。
最後に(P228)
人にはそれぞれ自己肯定感があり、無意識のうち、「自分は絶対正しい」と思っている。だから人を否定したりするのは絶対にNG。
相手に関心をいだき、敬意を払う。そして決して相手を否定しないこと。これこそが人間関係の究極的な極意。
感想など
人間関係の極意についてとても分かりやすく、かつ納得して読める本。
人は基本自己中で自分のことしか関心がない。だから人を否定してはいけないし、「あなたは間違ってる」と批判してもいけない。
ほんとこれ、そうだなぁと思います。
結局間違っている正しいとかそんなことはどうでもよくて、人間関係は白黒で決められない灰色の部分があります。
間違っていると分かっていてもあえてそれをスルーする。間違いを指摘して言い合いになるよりも、「見ざる聞かざる言わざる」に徹する方が効果的な場合が多いように思います。
そんな感じでページをめくるたびに、「そうだよなぁ」と一人頷いて読んでいましたが、特に面白かったのは、「人に嫌われる話し方」(P152)のところ。
人の意見は否定していつも自分の話ばかりする。人に関心を示さず、常に「I・me・mine」に徹する。こんな人が身近にいれば、間違いなく距離を置きたくなりますね。
これを逆に考えれば、人に好かれる人はどんな人なのか、容易に想像がつきます。
このような具合、人間関係についての気づきが満載。本当に大切な原則は、いつの時代も変わらない不変的なものなんだなぁと、改めて実感させられます。