アドラー心理学を実用的に使うとこうなる。『困った時のアドラー心理学』の読書感想

困った時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)

アドラー心理学で人生の悩みを解決。

岸見一郎著『困った時のアドラー心理学』(中公新書ラクレ363)の読書感想です。

この本について

アドラー心理学をもとに著者が読者の現実的な悩みに答えていく悩み相談本。

現実的な悩みに対してアドラー心理学はどう対応してくれるのか。本当にリアルライフで役に立つのか。

興味がある方におすすめの内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

なぜ人は悩むのか(P21)

人は努力し、今よりもっと良い人生を願うなら、悩むことは避けられない。

悩み、そして苦しむ。それによって自分や人生について深く考えることができる。だからこそ、人生が味わい深い、生きるに値いするものになる。

ムダな争いに巻き込まれないために(P25)

人生に大切なことは、他人の争いや課題にわざわざ介入しないこと。

人にはそれぞれ固有の課題があり、そこにむやみに手を出すことは、本人のためにならないし、自分にいらぬ問題を招く可能性がある。

この意味で、何が自分の課題でありそうでないのか、そのけじめをつけておくことが、人生でムダな争いに巻き込まれないためのポイント。

自分の人生を生きる(P36)

自分の人生を生きることができるのは自分ただ一人。他の誰かが何かをしてくれるわけでもない。

結局は自分しか、自分という名の物語を紡ぐことはできない。だから、自分を殺して周囲に迎合する必要などないし、自分が思ったとおり、生きればそれでいい。

その代償として、人から嫌われたり、理解されなかったりするが、それはそういうもの。自分の人生を生きる自由の代償として、受け止めること。

人の気持ちは察するな(P57)

世の中、他人に以心伝心を期待するべきではないし、強制をしてはいけない。

やはりしかるべきことはきちんと言葉で説明し、相手にわかってもらうための努力をすることが大切。

人に絶対に強制できないこと(P87)

基本的に他人に何かを強制することはできない。

とくに、自分を好きになってもらうこと。尊敬の気持ちを持ってもらうこと。そんなことは絶対に強制してはいけない。

つまり、人には自分を嫌う権利があるし、自分をバカにする権利もある。

自分ができることとできないことをしっかりわきまえた上で、謙虚に生きていくことが大切。

対人関係のトラブルが起こる理由(P144)

対人関係のトラブルが起こる何よりの原因は、人の課題に土足で踏み込むことによって起こる。

親子であろうと恋人であろうと、その人の課題はその人の課題。他人が土足で踏み込むことは無粋だし失礼。

何よりお互いのためにならない。他人の人生に、余計な干渉をしてはならない。

子どもが親を困らせる本当の理由(P181)

子どもは親が一番困ることを、一番困るタイミングでする。

それは、子どもが「親は自分のことをほんとうに気にかけているのだろうか?」と確認する行為。

普段から子どもが親に不信を感じているからこそ、わざわざ親の目を引く行為をする。

大切なのは、子どもがそんなことをしなくてもいいよう、親が子どもに関心を持って接すること。

「特別なことをしなくても、私はあなたを見ています」という態度で子どもを接することが大切。

感想など

アドラー心理学云々は置いておいて、一つの人生相談本として、いろいろ興味を持って読めた本。

心理学にしろ何しろ、一番重要なのは理屈ではなく、実際の人生において役に立つこと。

学問のための学問は、実用的な意味では役に立つことはありません。この意味で、アドラー心理学がなぜ多くの人に支持を得ているのか。注目を集めているのか。

その理由はまさに「現実の世界で役に立つから」だと思います。

本書では、それぞれの悩みを抱えた相談者が具体的に悩みを相談。それを読んでいる読者もまた、悩みについて考え、答えを出すことができます。

多分そのプロセスに意味があって、何のために悩みは存在するのか。それはただ苦しいだけの無意味な何かではない。

本書を読み終えたとき、まさにそのことが実感できます。

生きているかぎり悩むことは避けられないし、常に悩みは存在し続けます。であるなら、どうやってそれと向き合うか。

その適応こそが、まさに一番の課題。自分の課題と向き合い、建設的に付き合っていきたい方におすすめの一冊です。

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