『不動産屋にだまされるな』の読書感想 – 0円でも家が売れない?そんな時代だからこそ

不動産屋にだまされるな - 「家あまり」時代の売買戦略 (中公新書ラクレ)

マイホーム購入は人生の大イベント。賢く買って損しないために知っておきたい「今」の不動産事情。

山田寛英著『不動産屋にだまされるな – 「家あまり」時代の売買戦略』(中公新書ラクレ)の読書感想です。

この本について

家あまりの現代、家をどう買うか、そしてどう売るか。その基本的な考え方が説かれている本。

失敗してしまうのは不動産屋のトークだけで判断してしまうこと。大切なのは時代の流れを読んで、不動産のニーズを理解すること!

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P7)

不動産屋は、安く買い、高く転売することに利益を出す。これが彼らの基本姿勢。それを前提に不動産屋と付き合う必要がある。

不動産屋との付き合いで損をしないためには、

1・情報量で負けないこと

2・常に自分の頭で考えること

この2点が絶対不可欠。

情報を得て人の話に言いなりにならず自分で考えることを惜しまない。これが不動産取引で損をしないための鉄則。

掘り出し物は存在しない(P35)

不動産市場においては掘り出し物物件など存在しない。

もし中古で掘り出し物が出てきた場合、それらは真っ先に不動産屋が動き、利益を確保する。そして適正価格にて市場に出回る。

この仕組み上、一般人が不動産で掘り出し物件を手に入れるのは無理ゲーに近い。

不動産を検討する上で絶対に忘れてはいけないこと(P40)

家を売り買いする。

その前提知識として絶対に忘れてはいけないのが、「今後日本の人口はどんどん減少していく」ということ。

それはつまり、売る人より買う人、貸す人より借りる人がどんどん有利になっていくということ。

物件はどんどん出てくるし、不動産価格も下がって、買う人がお得になる。待っていれば、来年より再来年、どんどん有利になっていく。買い手が物件を買い急ぐ理由はない。

買うと借りる、オトクなのは(P44)

基本的に賃貸か持ち家かの論争は不毛。

ただ、現状は買う方がお得。賃貸の家賃は掛け捨てなので、そのお金がムダになってしまう。だから家に憧れがあるなら、早いうちに買った方がお得。

銀行に注意せよ(P57)

不動産を買う、そこで付き合うことになるのが銀行。

銀行でローンを払って家を買うわけだが、それが意味するのは、銀行からローンを借りること=生殺与奪権を奪われるということ。

銀行に行けば我々はお客でありながら、実際は銀行に人生そのものを握られてしまうことになる。ローンを組むさいは、そのことを強く認識すること。

不動産屋はコンビニ以上(P103)

不動産屋の数は実はコンビニ以上ある。それはつまり、不動産ビジネスに大きな「旨味」があるあから。

そのため不動産業界では様々な業者が激しい競争を繰り広げており、その質、信頼性も様々。ウソを言って取引を成立させようとする悪徳業者もいるので、注意した方がよい。

土地神話は崩壊している(P110)

日本全国では少子高齢化が進み、人口が減り、世帯が減っていく。ということは、今後家を欲しがる人も減っていくということ。

供給より需要が減れば、不動産価格は下がる。ということは、これから家を買うのであれば、売ったさいに買った価格よりも下がることを前提に家を買う必要がある。

家を買えば売る時に下がってしまう。それでも欲しいのか。そこを真剣に考える。

ローンを組むとき(P136)

結婚していて子どもがいる。そんな状況で家を買ってローンを組むなら、必ず団信(団体信用生命保険)に入る。

これは借り手に有利な制度で、借金返済者が万が一死亡すればローンちゃらになって、家が妻と子どもに残される。

ローンを組むさいは万が一の備えが必要。入っておいて損はない。

今後のトレンド(P146)

今後の不動産トレンドのキーワードは、「職住近接」。人々は会社中心の生活から、ライフスタイル重視の暮らしに移行していく。

そうなると、立地重視、不便な郊外の土地が下がり、アクセスの良い便利な土地の価格が上がっていく。

住宅ローン控除について(P158)

合致した条件で物件を購入すると、住宅ローンの毎年の年末残高の1%相当を所得税からそのまま引くことができる。この制度が住宅ローン控除。

物件を買う際は必ず利用したいほどお得な制度。

売る時は3000万円特別控除を利用する(P184)

マイホームを売る時に利用したいのが3000万円特別控除。これは売った時の差額(利益)から3000万円差し引くことができる制度。

実際不動産の売却で3000万以上の利益が出ることは少ないので、実質税金をチャラにすることができる。

感想など

現代の不動産トレンドを理解しつつ、人生最大の買い物でいかに損しないか、そのための考え方&知識が学べる本。

結婚して子どもを作っていつかはマイホームを手にするのは夢。しかし今と昔は状況が変わって、家を買っても、それが資産として残るかどうかは微妙な話。

家を買うということはローンなどで人生に大きな楔が打ち込まれてしまうこと。それでも家を買って満足したい。幸せになりたい。

それならこの本の知識は読んでおいて損はありません。

「そろそろ賃貸から卒業して、自分の家を買いたいな」

という方は、一読の価値がある本だと思います。

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