裸一貫、ゼロから成功をつかんだユダヤ人が孫に語る人生訓。
矢吹紘子著『99歳ユダヤのスーパー実業家が孫に伝えた 無一文から大きなお金と成功を手に入れる習慣』(マガジンハウス)の読書感想です。
- この本について
- 羨ましいという気持ちが上昇のモチベーションに(P22)
- 実業家として成功したいなら(P24)
- 70%人間を目指せ(P32)
- 自信なんて必要ない(P35)
- 根回しをバカにしてはいけない(P37)
- お金との向き合い方(P58)
- 現金に触れる機会を作る(P67)
- お金の作り方は意外なところから(P70)
- 成功したいなら恥も外聞も捨てろ(P75)
- 常識が成功の機会を奪う(P89)
- 新しい事業を始めるならどんな細かい情報も集める(P102)
- 人生には限りがある(P109)
- チームを組むときは意識の違いに敏感であれ(P151)
- 習慣の力(P154)
- 素早く決断するために(P168)
- 煮詰まったら歩け(P170)
- 日々の連続を成功につなげるために(P193)
- 失敗しそうなことに挑戦するとき(P198)
- 感想など
この本について
イギリスで日本のマニアックな映画ビジネスを展開するトルコ系イギリス人のアダム(31歳)が、大きな事業を経営するスーパー実業家の祖父ババ(99歳)にビジネス成功のためのアドバイスを教わるという自己啓発物語。
この本に登場するババは裸一貫、ゼロからビジネスを始め、富を築いた叩き上げの経営者。一方、孫のアダムは、事業経営を始めたものの、思うようにいっていません。
ババはアダムにビジネスの実践的アドバイスを授けようとしますが、アダムはそれを嫌がって、ババを避けています。しかし、ババが入院することになり、アダムは病院で付き添うことに。
そこで、ババがアダムに語ったビジネスのアドバイスや人生訓が、この本にまとめられています。
無一文からどうやってビジネスを始めたのか、お金との付き合い方、人生で後悔しないための考え方など、仕事を始め、生き方を考える実践的な話が満載の一冊になっています。
以下、本書の読書メモです。
羨ましいという気持ちが上昇のモチベーションに(P22)
友人より恵まれないこと、家が貧乏になったこと、「あいつの家はいいなぁ」など、羨ましい気持ちが行動へのモチベーションになる。妬みや嫉妬の気持ちが起こったら、それをモチベーションにして行動すればいい。
実業家として成功したいなら(P24)
事業を起こして成功したいなら、したいこと、やりたいことをするだけでは不十分。やりたいことをやりながら成功するのが、実業家としての絶対条件。
そして、人を出し抜こうとするよりも、人と違うことをする意識を持って行動する。横並びの状態から抜け出すためには、人と違う視点を持ち、人と違うことをすることが大切。
ただし、人を貶めたり、人を出し抜こうとする必要はない。そんなことをすれば、いずれツケが回ってくる。
70%人間を目指せ(P32)
ビジネスオーナーを目指すなら、70%の専門家を目指すこと。
ビジネスオーナーとして成功するためには、ある程度の知識が必要だが、詳しくなりすぎ&こだわりすぎの専門バカになってもいけない。
こだわり過ぎず、ある程度の知識があること。ビジネスを運営するバランスが大切。
自信なんて必要ない(P35)
ビジネスを始めるにあたって、「上手く行く自信」なんて必要ない。目の前のことに100%集中していたら、ビジネスはやっていける。
「自信がない」と思うことは、その仕事に対してありったけの情熱を持っていないということ。その仕事はやめた方がいい。
根回しをバカにしてはいけない(P37)
組織に属していたら、自分のことだけでなく、上司や部下、周りのことを考えて行動する必要がある。
自分の意見を通そうとするなら、上の人間にきちんと根回しをしておくこと。そのために、上司とは親しい関係を築いておく。簡単な方法としては、お土産をコツコツ送ること。
人はモノに弱いので、お土産を送るのは地味だが効果がある。こういう活動が、将来役立つ。
お金との向き合い方(P58)
お金は保険。世の中、お金のために身を滅ぼす人がたくさんいる。お金とはきちんと向き合い、保険としてお金を所持する。
お金があれば、将来の心配事に対して備えることができる。
現金に触れる機会を作る(P67)
支払いはカードではなく現金で。
気軽にカードでお金が使える現代だからこそ、生の現金に触れ、お金のことを意識する。お金が人生の保険であることを自覚し、有効活用する方法を考える。
お金の作り方は意外なところから(P70)
一見ムダに思えること、価値のないように思えるものがお金に化ける。
何のとりえもないような、役に立たなさそうなものを意識して見つけ、お金に変えられないか、フォーカスする。
成功したいなら恥も外聞も捨てろ(P75)
どんな瞬間も、100%自分の力で進むこと。見栄、恥、外聞、そんなものは気にしないこと。「稼げないがやりがいのある仕事」なんかやめて、無我夢中で突き進む。
常識が成功の機会を奪う(P89)
自分が無意識に持っている「常識」が、新しい発想を制限し、行動を制限する。
常識にとらわれていることは、自分の首を締めること。常識にとらわれている自分に気がつかなければ、成功もできない。
新しい事業を始めるならどんな細かい情報も集める(P102)
新しいビジネスを始めようと思ったら、短期間で出来るだけそのビジネスの情報を収集する。そして、隅から隅まで、100%掘り下げること。
ほんの小さなミスや勘違いで、事業がダメになることがある。だから油断せず執念を持って、事業を始める前にとことん情報を集めること。
人生には限りがある(P109)
体が自由に動くうちは、常識や世間体など忘れて、思う存分突き進めばいい。
人生で惨めなのは、年をとって体が衰えて、「あれをすれば良かった・・・」と後悔すること。できるうち、挑戦できるうちに、どんどんしたいことに挑戦すべし。
チームを組むときは意識の違いに敏感であれ(P151)
グループでプロジェクトを組むとき、メンバー間にやる気や意識に違いがあることを意識しておく。
情熱ややる気にギャップを感じるメンバーがいたら、まずは自分が動いて結果を出す。それから、相手の意識改革を促す。
言葉で相手を無理やり動かすよりも、結果と行動を示して、相手に変化を促す方が、トラブルも少なく、効果が高い。
習慣の力(P154)
どんなことも続ければ習慣になる。何事も大切なのは続ける習慣を持つこと。同じスケジュールを繰り返して良い習慣を作る。
素早く決断するために(P168)
日々やること、決断する必要のあること、直面している問題について、解決案をリストアップしておく。問題を把握し、それに対する対応を考えておく。これが素早く決断するコツ。
煮詰まったら歩け(P170)
仕事に行き詰まったり、考えがまとまらないときは、仕事を中断して、家の近所を2kmほど歩く。頭がリフレッシュして、仕事のはかどり方が違ってくる。
日々の連続を成功につなげるために(P193)
人生は1日1日の積み重ね。今日という1日の連続が、人生を作る。そこで成功を目指すなら、1日1日向上心を持って日々を送ること。向上心が、成功へ近づく原動力になる。
失敗しそうなことに挑戦するとき(P198)
難しそうなこと、失敗しそうなことに挑戦するときは、とりあえず3日、死ぬ気で頑張ってみる。それでダメなら新しい方法を選べばいい。大切なのは、恐れや不安に負けず、行動してみること。
感想など
物語形式+対話形式の本で、スイスイ読了。こうして読書メモをまとめてみると、分かりやすい物語の反面、かなり濃い内容の本でした。
お金に対する考え方を始め、健康の大切さ、行動する前の準備、実践的なアドバイスが満載。今すぐにでも実行できる話が多いので、とても勉強になりました。
ところで、この本を読んだ時、最初は「架空の物語かな?」と思ったのですが、アダムとババは実在の人物のよう。
アダムはロンドンで邦画を配給する会社を経営しているビジネスオーナーだそうで、現在は東京在住とのこと。アダムがイギリスで配給した日本映画を見ると、日本人として嬉しくなります。
影ながら、注目したいと思います。