子どもに折れない心を身につけさせるために母親ができること。
和田秀樹著『「心が強い子」は母親で決まる!』(三笠書房)の読書感想です。
『「心が強い子」は母親で決まる!』について
塾・教育関連で有名な精神科医の和田秀樹先生の子育て本です。
「子どもの心、レジリエンス」に焦点を当てた内容の本で、子どもを強い心の子に育てるにはどうすればいいか、親の役割の重要性が説かれた内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
心の強さのベースは親の愛情(P1)
子どもの人生は心の強さで決まる。
子どもの心を支えるのは母親の役割。母親から「自分は応援されている、信頼されている」という信頼感が、子どもの心の強さになる。
子どもは素直。親の「あなたはできる、大丈夫」という愛情があれば、子どもは自分を信じることができる。
フロイトによると(P19)
心理学者フロイトによると、母親の愛情を強く受けた子ほど、「自分は成功できる」という確信を持ち続けられる。それほど、母親が子どもの人格やものの考え方に及ぼす影響は大きい。
本音と建前を教える(P30)
子どもには家の外で話すこと(建前)と、家のなかで話すこと(本音)があることをしっかり教える。
子どもには適度にストレスを(P39)
適度なストレスは体に良い。全く子どもにストレスを与えないと、子どもがストレスに耐えられない、ダメダメな子どもになってしまう。
子どもが刺激に耐えられる人間になるよう、適度にストレスを与えることが重要。「子どもが傷つく前に親が何でもしてあげる」というような過保護は子どもの成長に有害。
子どもに伝えたいこと(P77)
子どもには、「仲間はずれになってもいい、みんなから好かれる必要はない」ということを教えておく。
親が子どもの人間関係に余裕を持ち、悪口を言われようがハバにされようが、それは自然なことでどこでもあることだと、泰然とする姿勢を子どもに示すこと。
本当の愛情とは(P89)
世の中は競争社会。望まなくても、社会に出れば、競争に巻き込まれてしまう。
そんな中、親が子どもにできることは、子どもに、競争社会を生き抜くための強い心を育む手助けをすること。
どんなときでも一人で生きていける、強さを与えること。
得意なところを伸ばす(P99)
子どもを万能に育てる必要はない。ダメなところ、不得手なところには目をつぶり、得意なことを伸ばせてあげること。
学校の役割(P124)
学校は社会の縮図。勉強するだけの場所ではなく、いろんな人間がいて、仲の良い人間や悪い人間、折り合いをつけて上手くやっていくことを学ぶ場所。
学力だけなら塾でいい。学校は人間力を育てる場所。親が学校教育をナメていると、勉強はできるが社会で適応できない人間に子どもが育つ可能性も。
意志の強い子どもに育てるために(P143)
子どもを強い意志を持った子に育てるための7つの習慣。
1・挨拶させる。
2・暴力禁止。
3・嘘は許さない。
4・隠し事をさせない。
5・約束を守らせる。
6・悪いことをしたら謝らせる。
7・規則、自分で決めたことを守らせる。
特に重要なのは「子どもに自分で決めたことを守らせる」こと。自分で決めたことはきちんと徹底させる。ここが、子どもの自主性を育てるポイント。
感想など
世の中は競争社会。そこで生きていくためには強い心が必要。そのために親が子どもにできることは何なのか、様々なヒントが書かれている本。
社会で生きていくために「○○さえあればいい」ということはなくて、どんなにベストを尽くしても、予想外の出来事によって、人生がガラリと変わってしまうことがあります。
不確定な要素が満ちている世の中、生きていくためには、メンタルタフネスは必要不可欠。それを育てるためには、家庭教育から。
親自身が安定し、確固たる方針を持って、子どもと向き合う必要があるのかも。