「人に気に入られたい」と思い過ぎは自分の人生をダメにする!
和田秀樹著『ついつい「いい顔してしまう」をやめる9つの習慣』(大和書房)の読書感想です。
この本について
人間関係で失敗しないためについつい人と合わせ過ぎてしまう。いい人を演じすぎて疲れてしまう。そんなときの対処法がこちら。
もっと自然体で振る舞うこと、自分らしさを追求していくコツが満載。「いい人キャラ」を演じて周りに合わせすぎている自分に気がついたら、この本のアドバイスが役に立つかも。
以下、本書の読書メモです。
気の弱い人と優しさについて(P22)
「いい人」に見られやすい人は気が弱い人。人と争わない、周囲を見て気を遣ってしまうので、周りからは、「この人はいい人だな」と思われる。
でも、そのことが気の弱い人の欠点でもある。周囲によく思われたいがため、不本意なこともついつい引き受け、そのことで余裕をなくし、自分で自分の首を絞めてしまう。
自分は変えない(P36)
人にはそれぞれキャラがある。それを努力で変えることも可能かもしれないが、自分のキャラを変えようとするより自分のオリジナルのキャラを生かす工夫をする方が建設的。
ついオドオドしてしまう気の弱いキャラならその気の弱さを生かして周囲から助けてもらいやすいキャラを目指すなど、工夫の仕方次第で、自分のキャラの持ち味が生きてくる。
大切なのは自分のキャラのマイナス面ではなくプラス面を生かすこと。無理に変えようとしなくていい。
注目は長所、自分の取り柄だけ磨く(P86)
人間には得手不得手があり、そればかりは努力でどうにもならない。
もちろん、不得手を努力で多少改善することはできるが、もとからそれが得意な人には決して叶わない。勉強が元から得意な人には努力しても勝てないし、運動能力がある人には頑張っても勝てない。
努力するなら、「無理なことは無理」を前提に、何に努力するのか、その方向を努力する前に絞るべし。
頑張って努力するべきことは、自分が得意なこと、「ここだけは人と違う!」という自分なりの取り柄。
人からひと目置かれるには、人よりも違う、目立った何かが必要。その目立つ何かとなるのが、取り柄。
一点集中、自分の取り柄を磨き続ければ、やがて人生逆転するチャンスとなるかもしれない。自分の取り柄を見極めつつ、それを磨いていくことが大切。磨いてもダメなものは放置でいい。
欠点について(P91)
人は長所よりも短所が気になってしまう生き物。そこでついつい自分の短所、欠点を矯正しようとする。
でも、いくら欠点を矯正して改善しようとしても、それは自信にはつながらない。なぜなら、欠点を矯正しても自分の長所は伸びないから。
欠点を磨く努力をするくらいなら、努力を長所を伸ばす方向へ全振りして、一点特化、長所をよりよくする方向を目指す。その方が努力の費用対効果としては適切。
「自分にはこれができるんだ!」という自信こそ、人を輝かせる。
勝てる場所を見つけよ(P93)
人生で大切なことの一つは、自分がどの場所で頑張るか、戦う場所を選ぶこと。
人生面白いことに、やっていることは同じでも、場所を変えるだけで結果に大きな差が出ることがよくある。
なので、どこで戦えば自分は勝てるか、どこで戦えば自分の存在が目立つのか、その場所をしっかり探すこと。戦う場所さえ間違えなければ結果は自然と出てくる。
決して、自分が勝てない場所で戦おうとしないこと!
いじめられたときの対処法(P166)
人の輪、集団に入っていくということは、誰でもいじめを受けるリスクがあるということ。それは子ども大人関係なし。集団に属すれば、常に人間関係で苦しむもの。
大切なのは、自分がいじめを受けたとき、どう対応するかということ。学校、職場でいじめを受けたときにすべきなのは、
1・不当なことは不当とハッキリ主張すること。いじめをする人間は元来チキンで卑怯な人間なので、「反撃」してくる人間はターゲットにしない。
2・問題がどうしようもないときは逃げること。人生ときに「ガン逃げ」が最善の選択になることもある。
この2点。
不当な行為に対して不当だと主張し、問題が解決すればいいが、組織的ないじめなど、ときに問題解決がどうにもならないこともある。そういう場合はその場に見切りをつけ、さっさと逃げること。
人がいる場所はたくさんある。なかには良い集団もあれば悪い集団もある。どうしようもない環境からは、さっさと逃げること。
感想など
いいキャラになりすぎず、自然体で自分らしくやっていく、そのヒントが参考になる本。
人生、その多くの悩みの素となるのは多分人間関係が多いと思いますが、人とどう関わっていくか、そこでどういうキャラを演じていくかは、皆が皆、悩んでいることだと思います。
人に迎合し過ぎてもなめられてしまいますし、かといって、人からなめられないような無愛想の強面キャラ、「この人は怖そう」と思われるキャラでいっても、それはそれで人間関係が難しくなってしまいます。
それに、学校とか職場とか習い事の場所とか、人が集まる場所はいろんな属性の人が集まってきます。
心からいい人もいれば、表はニコニコしていても「この野郎気に食わねぇ、引きずりおろしてやるぜ!」というような裏はドロドロの腹黒系の人、本当に様々。
この本に書かれているように、無理に周囲に迎合していい人を演じすぎるのもアレですが、「この人は安心、こいつはヤバイ」というような「嗅覚」を身につけ、人との距離感を保つバランス感覚を持つことが大切なのかも。
まぁいずれにせよ、人間関係は難しいですよね。