どん底に落ちる。だから新しい自分と出会える。
和田秀樹著『どん底から脱する力』(新講社)の読書感想です。
この本について
人生でやって来るどん底をいかに生き抜くべきか、心構えや対処法が書かれている本。
人生一生順境ばかりだったらいいですが、ときにどん底のときがやってきます。そんなときはそれにどう対応するか。その経験をどう生かすか。
覚えておきたいアドバイスが満載の内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P3)
どんな人でも人生では必ずどん底、逆風のときがやって来る。そしてどん底を抜け出したあとは、「そんなこともあった」と思い出話として話せるようになる。
どん底を経験することで打たれ強くなったり、大切なことに気付かされたり、どん底を乗り越えていくことで、様々な気づきがある。
不安はただの不安で終わる(P19)
どん底のときというのは、「こうなったらどうしよう」というような不安がどんどん湧いてくるもの。
しかし、それはただ頭で考える不安であって、問題なのは、その不安にとらわれて何も行動できなくなってしまうこと。
どん底のときというのは、えてして不安に囚われ、動けなくなってしまうことが多い。それが一番の問題。まずはそのことに気づくこと。
不遇な体験は留学体験である(P32)
人生の不遇体験は、順境のときには決して得られない経験や視点を学ばさせてくれる。
この意味で、不遇な体験とは留学するようなもの。普段経験できない様々なことを経験し、体験することで、自分が一皮向けることができる。
どん底のときの心構え(P44)
どん底のときというのは、ついつい「なぜ私がこんな目に遭わなければいけないの?」というような被害者視点になりやすい。
しかし、落ち込んでいてもふてくされていても、それだけでは何も現実は変わらない。
むしろ、「この経験から一体どんなことを学べるのか?」と考えて、どん底のときしか学べないことを学ぶ。
それこそが、どん底を味わう意味と理由になる。
どん底で人生をリセットする(P59)
どん底はそれまでの人生の枷が外れるとき。どん底で全てを失ったら、今までの自分を変えて、また新しい自分を目指せばいい。
もう現状にしがみつく必要はないのだから、思いっきり自分を変えていける。
不遇のときこそ自分の時間を持つ(P78)
何をやっても上手くいかない。どうにもツイてない。そういうときは焦らず自分の時間を持ち、映画を観たり本を読んだり、風呂にゆっくり浸かったり、穏やかな時間を持つ。
順境がやって来たらまた忙しくなるのだから、せめて不遇のときくらいは、じっくり過ごせる時間を持つこと。
生きる力を鍛えるために(P96)
人生思い通りにいかなくても驚くことはない。これがダメならあれがあるで、いろんなことに挑戦し失敗し、たまに上手くいく。
結局は自分から行動を起こし、人と会い、世の中に出ていく。それしかどん底から抜け出す方法はない。いろんな手を打ち、できること、思いついたことをやってみる。
そんな試行錯誤が、生きる力を鍛えてくれる。
どん底はチャンスである(P102)
どん底は、今まで気づかなかったもう1人の自分と出会うチャンス。どん底をきっかけに新しい自分を見出し、新しい人生を切り開いた人がたくさんいる。
むしろ、どん底を味わったからこそ、新しい自分、新しい可能性に気づいた人の方が多い。
どん底を味わうハメになったときは、いろんな生き方ができることを知るチャンスだと思えばいい。
感想など
「どん底は留学だと思え。そこでしか学べないことがある!」
「どん底で新しい自分が見つかる。そしてその自分と出会うことこそが、どん底を経験する意味になる」
などいろんな気づきがある本。
人生できれば、何もかも右肩上がり、良いことの連続だったらいいのですが、実際問題、人生ときに何もかも上手くいかない、どん底の時期がやってきます。
しかしどん底を経験することによって、それまでとは違う自分、違う習慣を身につけ、新しい道が見つけることができる。どん底には確かに、そんな意味があるように思います。
とはいえ、どん底の時期は本当に大変なもの。そのときいかに精神的に安定できるか、未来に光を見いだせるか。そこがどん底を生き抜くカギとなってきます。
本書ではそんなどん底の時期を乗り越えていくための様々なヒントが満載です。
今まさに人生のどん底を味わっている方や、先が見えず「人生詰んだ」感がある方は、この本を読むことで、気持ちがなぐさめれ、心に余裕ができるかもしれません。
それによって、なぜ今どん底を経験することになったか、考える余裕ができるかもしれません。そこから気づけたことは、きっとこの先の人生で役立つことでしょう。