これが誰も書かなかった函館という街。『函館物語』の読書感想

観光本とは少し違う函館の街の姿がココにある。

辻仁成著『函館物語』の読書感想です。

この本について

小説に音楽、様々な分野で活躍を見せる辻仁成さんのフォトエッセイ。

このエッセイは北海道の函館の街々を写真+文章で紹介。まるで函館を旅行しているかのような気分になる内容になっています。

辻さんの本は高校生の頃、国語の先生が授業で取り上げた『ミラクル』という小説を読んで興味を持っってほかの作品も読んでみたのですが、今でもお気に入りなのはこの函館物語と同じ形式のフォトエッセイ、『世界は幻なんかじゃない』 (角川文庫)という作品。

この本は、高校卒業後に上京、東京の立川市の多摩モノレールに乗った先にある玉川上水駅というところの駅ロータリーにある小さい本屋さんで見つけた本で、この本で旅や自由、いろんな刺激を受けたものです。

先日『世界は幻なんかじゃない』を読みなおしてみて、改めて辻さんのフォトエッセイの良さを味わっていたら、ほかにもフォトエッセイがあることを知りました。それがこの『函館物語』でした。

私も2014年に函館を観光、五稜郭や函館山、いろんなところを見て、塩ラーメンや五島軒のカレーとか、美味しいものをたくさん食べました。

そのことを思い出しつつ『函館物語』を読んでみたのですが、やっぱり観光で表面的に街を歩くのと、深い洞察を持って街を見て回るのとは受け取る情報量、刺激は段違い。

「函館にはこんなところがあるんだな、こんな生活があったのだな」と、じっくり写真とエッセイを堪能しました。

それにしても、やっぱり辻さんのフォトエッセイは独特の雰囲気があって、文章からそこでの生活、リアリティが漂ってきます。

写真と文章というシンプルな構成ですが、まるで自分がそこにいるかのようなリアルな臨場感があって、それゆえ、読後はまるで自分が観光から帰ってきたような、そんな感覚を強く味わいます。

そして、片雲の風に誘われるように、「あぁ、旅に出たい」と旅行を計画しようとする自分がそこにいます。

2016年は函館新幹線も開業することだし、もう一回行ってみようかなぁ。

本の購入はこちら