悪いやつに騙されないための防御法。『「騙す脳」を作る』の読書感想

「騙す脳」を作る: 騙されないための唯一の防御法 (一般書)

詐欺やウソ、悪い人に騙されないための自己防衛法。

苫米地英人著『「騙す脳」を作る: 騙されないための唯一の防御法』(徳間書店)の読書感想です。

この本について

多作で有名な脳科学者の本。

「詐欺や騙しが増える世の中、どうやって自己防衛していけばいいのか?」

というのが本書のテーマ。

騙しの仕組みについて理解しつつ、どうやったら騙されないか、基本的な考え方、対策が勉強できる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

戦いとは騙し合い(P5)

人類の歴史上、古来から戦いは騙し合いであり、騙しは戦略上のテクニックだった。

騙しの重要性と説いたのは孫子だが、この孫子を生んだ中国の人々は、体質的に騙しの民族。軍の教育機関で、騙しの戦術を重要視している。

史上最大の詐欺は銀行(P23)

この世の中で一番の詐欺的存在は銀行。

銀行は、信用創造という詐欺的な手法によって、打ち出の小槌のごとくお金を生み出している。

ありもしないお金を信用によって生み出す。この仕組が詐欺的。

人は雰囲気に騙されやすい(P34)

高額投資詐欺師など、人を騙してお金を奪おうとする人は、権威や外見でこちらを欺く。

一等地に住所を持ったり、高級ホテルでセミナーをするのは、すべて雰囲気でこちらを欺くための手段。それに引っかかる人が多い。

金融商品は損をする人がいるからこそ胴元が儲かる(P40)

投資会社の豪華なビルを見てみるといい。

あれだけ会社が豪華で、投資の手数料で高給を食んでいる社員がいるということの意味は、それだけ大損をしている人間がいるということ。

投資会社の人間の口車に乗って、安易に投資に欲を出してはいけない。

恐怖を煽れば商売がはかどる(P66)

ダイオキシンや地球温暖化など、世の中には人々の恐怖を煽ることによって生み出されるビジネスがある

人には煩悩があって、煩悩があるからこそ、騙されてしまう。人を騙す悪いやつは、人の煩悩を刺激し、こちらの欲や恐怖を煽ってくる。

自らの煩悩を意識することが、自衛の第一歩。

結果を押し付ける教育は詐欺(P94)

教育で大切なのは、物事の結果や価値観の正否ではなく、物事の過程、様々な考え方、多用な価値観を教えること。

結論ありきで、「○○が正しい」と押し付ける教育は、教育ではなく、単なる洗脳行為。結論ありきの主張には注意すべし。

当たりやすい宝くじ売り場などない(P104)

宝くじ売り場の「○億円当たりました」という表示は不当表示の一種で、そこの売り場が当たりやすいからくじの当選者が出たわけではない。

「○億円当選者が出た→人が集まる→くじが当たる人の確率がアップする」

という単純な仕組みで、当選の確率が増えるわけではない。

価値観や美徳は為政者の洗脳ツール(P112)

ある価値観がもてはやされるのは、その価値観が為政者にとって都合がいいから。

江戸時代、儒教の教えが推奨されたのは、それが徳川幕府にとって都合が良かったから。

それと同じく、現代社会、新聞やメディアが大きな声を出している話には、必ず誰かの思惑がある。

世間で言われていることを鵜呑みにすると、為政者の都合の良い愚民になってしまう。

関係者の意見は疑う(P122)

ある新しい説が出た時は、賛成意見と反対意見、両方の意見をチェックすることが大切。

ただし、反対派の意見に利害関係者の意見が混じっていたら、疑った方がいい。利害関係者の意見には必ずバイアスがかかっている。

このため、関係者の意見は信頼性が持ちにくい。

セキュリティ対策の基本(P218)

セキュリティの基本は、自分の居場所を人に教えないこと。相手に自分の居場所をつかませなければ、被害に遭うことはない。

感想など

世の中にはびこる悪いやつのウソに立ち向かうにはどうすればいいか。詐欺や騙し営業に引っかからないためにどんな考え方をすればいいか。

ダークな内容ですが面白い本でした。

世の中のネガティブなことは、知識ではなく、実際に自分が経験してみないと、その酷さが理解できないことが多いもの。

そこでネガティブな話や警告、被害の話というのは、問題を未然に防ぐ上で、知っておいて損のない知識。

性善説では生きづらい今の世の中、多少の性悪説の話を知っておくと、いざというとき、身を守るための力になると思います。

ダークサイドノウレッジに関心がある方におすすめです。

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