『戦国武将 敗者の子孫たち』の読書感想 – 歴史の敗者の血筋から見えること

戦国武将 敗者の子孫たち (歴史新書)

歴史の敗者は敗者ではない!?

高澤等著『戦国武将 敗者の子孫たち』の読書感想(洋泉社)です。

この本について

戦国の敗者たちの子孫がどうなったのか、その血はどうなったのかを家系図をもとに考察する本。

「甲斐の名門、武田の血は勝頼で家が滅んだが、勝頼の娘の貞姫の血は、その後織田の血と混ざり、現在も生きている。」

「本能寺でお馴染みの明智光秀。息子は死んだが、その血は織田家、細川家、そして天皇家にまでつながっている。」

「関ヶ原に破れ、処刑された石田三成。家康が石田の血を徹底的に根絶やしにしようとしたかというとそうではなく、三成の娘の血が尾張徳川家に入り、やがては公家、天皇家へ入ることに。」

など、歴史武将たちの子孫について、運命の不思議さに驚く内容になっています。

感想など

「え、あの武将の血がこんなところにつながっているの?」と驚く内容。

確かに、戦いに破れ、歴史の表舞台から消えてしまった敗者も、実は遺伝子レベルではちゃくちゃくとその血が後世に受け継がれており、必ずしも敗者とは言えない、それが分かるのが本書。

歴史の表舞台から退場した武将たちも、その生き様、遺伝子は、きちんと後世に伝わっていることを考えると、「勝者」と「敗者」というラベル付けは意味がなくて、歴史の中、自分の役割を果たしたのかもしれません。

そういえば、昔あった歴史番組に「知ってるつもり?!」という番組がありましたが、その番組で上杉謙信の特集があったとき、コメンテーター(司会者だったかな)がこんなことを言っていた記憶があります。

「移り変わる戦国の世、織田が滅び豊臣が滅ぶなか、子孫を持とうとせず、領土も広げようとしなかった謙信の上杉家は残り、子孫から代々祀られている。上杉の血は今も現代に続いている。」

子どもながら心に響くものがありましたが、「一期の栄華、一杯の酒」という謙信の遺言通り、人生の栄光は儚くすぐに消えてしまう酔いのようなものかもしれません。

勝者は必ずしも勝者ではなく、勝ち負けでこだわるのは長い目で見ると意味がない

そんなことが分かる本です。

本はこちら

戦国武将 敗者の子孫たち (歴史新書)