安売りは悪。どうせなら一番高い価格で勝負する。
島田弘著『自分を高く売る技術』(ぱる出版)の読書感想です。
この本について
自営業やフリーランスなど、自分の腕で食べていく人向けに、いかに値上げをすることが大切かを説いたという本。
「売れない」「儲からない」から抜ける秘訣は値上げにあり。目からウロコのヒントが満載の一冊となっています。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P22)
サービスの値段は自分で決める。お客が満足してくれるなら、サービスの値段は自分が思っているより高くつけても、全然問題ない。
なぜ安値がダメなのか(P24)
安売りサービスは長い目で見て長続きしない。然るべきサービスの対価として然るべき料金をいただく。これが自然なこと。
そのため、「良いものを安く」では、サービスを提供し続けることができない。それによって本当の困るのはお客。だから必要な価格を設定し、必要な利益はバッチリだしていい。
値上げをしても客離れしない理由(P28)
お客は自分が満足したものにはきちんとお金を払う。
そのため、
1・お客にとって一流のサービスを提供する
2・お客が期待すること以上のことをする
3・お客から先生扱いされて信頼されている
4・順番待ちの行列ができている
などの条件が揃えば、値上げをしても問題ない。
料金が高くても、その価値を理解してくれるお客は、お客としてサービスを買ってくれる。
年収について(P42)
年収は付き合う人によって決まる。私たちは想像以上に、自分の身近にいる人達から影響を受ける。
だから稼げない人と一緒にいるとどんどん稼げなくなっていくし、稼げる人と一緒にいると、どんどん稼げるようになっていく。
行動を変える前に大切なこと(P53)
行動を変えれば結果が変わる。だから行動を変えることは大切。しかし行動を変える前にすべきなのは、自分の信念と思考を変えること。
信念と思考は行動になる。だから良い信念と思考を持っていれば、行動も適切にできる。しかし、信念と思考を変えないまま行動しようとしても、なかなか上手くいかない。
だから行動する前にまず、信念と思考を変える必要がある。
どれくらい値上げをするか(P87)
値上げをするコツは、自分のマーケットで一番高い値段をつけること。二番では意味がない。一番に高い値段にすることに意味がある。
不安なく値上げをする方法(P92)
値段を上げれば客離れが起きないか心配になるのが人の常。
そこで、不安なく値上げをするには、
1・お客の行列待ちを作る。
2・既存のお客は値上げず、新規のお客の値上げをする。
3・最後に既存のお客の値上げをする。
この3ステップが安心。
値上げをすることで離れていく客も出てくるが、この方法なら自然に値上げをしつつ、ビジネスを継続していくことができる。
商品説明のコツ(P146)
商品を説明するときのコツは、まず最初に商品の悪いところから説明すること。
人は良いことだけを話す人を信用しない。最初に「これはここがダメなんですよ」というデメリットを話すことで、信用されやすくなる。
感想など
「安値はダメ、高値で勝負しなさい」という主張にとても納得できる本。
まぁ確かに実際、安値で勝負しても価格以上のことを求めてくる人が多くて、その期待に答えようと頑張ってどんどん貧乏になっていく、こんな話はよくあります。
そうではなくて、自分の仕事にプライドを持ち、必要な価格を設定し、それできちんと利益を得て、仕事を継続していく。お客を大事にし、仕事の質を上げていく。
それが大切なのだと思います。
この意味で、フリーや自営が目指すべきは安値ではなく高値の人。しっかり仕事して、そのしかるべき対価を、きちんと受け取ることが大切だと思います。
「値上げしたら食っていけない・・・」と不安な独立業の方は本書の一読をオススメします。きっと目からウロコ、様々な気づきが得られると思います。