人気作家が語る小説家の実態と食べていく方法。『小説家という職業』の読書感想

小説家という職業 (集英社新書)

プロの物書きとして食べていく方法と考え方。

森博嗣著『小説家という職業』(集英社文庫)の読書感想です。

この本について

人気プロ小説家による小説家概論的な本。

小説家になるにはどうすればいいか、食べていくことはどういうことなのか、普段どうやって仕事しているのかなど、「人気小説家はこんな仕事なんだな、暮らしをしてるんだな」ということが分かる、興味深い内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

小説家になりたいなら(P4)

小説家として食っていきたいなら、小説を読んではいけない。売れる小説を書くのに絶対の法則はない。

自分独特の感性が込められた文章が物語になり、読者に商品的な価値を感じてもらってこそ、小説家は食べていける。

だからこそ、プロの小説家になるためには「こうやってこうしなければいけない」など、決められたことは何一つない。

大事なのは、「小説を仕事にする」という決意を持つこと。小説を書いてお金を稼ぐ、その姿勢さえ揺らがなければ、何とかなる。ノウハウは不要。

どうすれば小説家になれるか(P58)

小説家になる方法はシンプル。小説を書くだけ。物語を考えて文章にする。ノウハウうんぬんの前に、ともかく書かなければ始まらない。

生き残るために(P113)

小説家として生き残っていくために大切なのは、大ヒットを狙わず、地道に作品をコツコツ発表し続けること。続けていれば、作品を出していれば、チャンスが巡ってくる可能性もアップする。

小説家の未来(P130)

現状、小説家として食べいくのはとても難しい時代になっている。文章を書ける人はどんどん増え、本を読む人も減っている。

そんななか、小説家として食っていくには、自分なりのウリ、オリジナルの商品価値を持つことが大切。読者に「あの人の商品(小説)にお金を払ってもいい」と思ってもらえるくらいの魅力があれば、やっていける

自分しかできないこと、ほかにないこと、他の人と差別化した何かを、商品に込める。

感想など

「人気作家はこうやって成功したのか」と興味深く読了。

個人的に面白かったのは、著者が大学勤務時代に「お金稼ぎしよう」と思い小説を書き始め、それがヒット。小説が嘘のように売れて儲かっていく様です。

「僕は最初から、金になることをしようと考えて小説を書いた。~略~その半年後には僕は小説家としてデビューしていた。そして、最初の1年で3冊本が出版され、その年の印税は、当時の本業(国立大学勤務)の給料の倍になった。それで驚いていたら、翌年には4倍になり、3年後には8倍、4年後には16倍と、まさに倍々で増えた。こんなに儲かる仕事があって良いのか、と思わなかったら嘘になる。」(P9)

本書ではこのように書かれているのですが、小説家というと、自己表現とか、芸術性だとか、とかくそういうことを大義名分に小説を書く人が多いような感じを持っていました。

でも、著者の場合、趣味のためのお金が欲しくて、そのお金を稼ぐために小説を書き始めたのがそもそものきっかけだそう。

「小金を稼ごう」と思って始めたことで大成功しているのなら、本当に人生が変わるきっかけは分からないものですね。

いずれにせよ、何かしたいことがあればやってみる、自分から行動を起こしてみる、その姿勢が大切のように感じました。

本の購入はこちら

コメント