結局、作家はどれくらい儲かる?『作家の収支』の読書感想

作家の収支 (幻冬舎新書)

人気作家になれば、これくらい稼げます。

森博嗣著『作家の収支』(幻冬舎新書)の読書感想です。

この本について

『すべてがFになる』でおなじみの人気作家である著者が印税、原稿料や原作料などを明示、「作家はこれくらい稼げます」と公開している本。

「原稿料は原稿用紙1枚でいくら」「印税収入は○○○万円」など、作家業についての現実的な話が満載の内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

作家業について(P22)

作家の労働は自分一人によって作業が完結するので、他者との関わりが極端に少ない。

文章を書いたら買ってくれるのが出版社で、ここからいろんな人が関わりだすが、基本的に、作家の仕事は書いたら終了する。

原稿料について(P26)

小説雑誌等の原稿料は、原稿用紙1枚に対し、4000円~6000円の原稿料がもらえる。

50枚程度の短編小説なら、それだけで20万~30万になるので、コンスタントに書くことができれば、食べていける。

いいものを書けば売れるか(P69)

書き上げた小説がヒットするかどうかは分からない。「これはダメだ」という小説はすぐ分かるが、「これは売れる」というのは、誰にも分からない。

作家は作品を仕上げるのが仕事で、営業することができない。結果は市場が判断するが、本にしてみないと、売れるか売れないか、結果が分からない。

結局作家業は、出たとこ勝負な世界。

これからの作家に必要なこと(P93)

今の時代、出版に対するハードルはかつてよりもずっと低くなっている。その分、たくさん売るのが難しくなっている。

そのため、本を出すことで満足していると終わる。どれくらい売れたのか、売上を増やすためにはどうすればいいのか、作家自身が考えて、戦略を立てる必要がある。

出版不況について(P174)

現代の出版傾向としては、メジャーなものが減少して、マイナーなものが増えている。これはつまり、かつてあったような、大当たりのヒット作が出にくいことを意味している。

皆がメジャー、同じ本を読むのではなく、皆がそれぞれ、自分の好きなマイナーなものを読む。

いわば読者が多様化しているのが現代であり、人は皆、自分の好みの本を探し、趣向がマイナー化している

感想など

ベストセラー作家はこれくらい稼げるのか、そんな生活をしているのかと、興味深く読んだ本。

なかなか現実的な話が満載でしたが、小説家も商売なので、売れる売れないというのは、やっぱり大切なんでしょうねぇ。

ただ著者がすごいのは、売れる売れないを自分で考えて、どうやったら売れるのか、そこを考えている姿勢がすごい。

小説家というとお金のことをあまり語りたがらない、というか軽視するようなイメージがありますが、本書はそのイメージがただのイメージであることを教えてくれます。

お金を稼ぐために小説を書く、そのプロ姿勢というか、考え方というのは、まるでビジネス書を読んでいるかのよう。

物事を運任せにせず、自分で上手くいく方法、戦略を考える。だから、上手くいくべくして上手くいく。

結局、成功はただの運ではなくて、準備し計画し、行動したものにやってくる。そういうものなのかもしれませんね。

本の購入はこちら