仕事さえうまくいけば。お金さえあれば。
「~さえあれば」の生き方をやめて、人として清く正しく生きていく。その大切が分かる本がこちら。
桜井章一&鍵山秀三郎著『人生を掃除する人しない人』(東洋経済新報社)です。
この本について
本書はYellowHatの鍵山秀三郎社長と、麻雀の世界で負け知らずの雀鬼として君臨している桜井章一さんの2人が、人生や仕事をテーマに対談している本。
なぜ今、日本社会が閉塞感に満ち溢れているのか。この世の中で真っ直ぐに生きていくためにはどうあるべきなのか。人としてどう生きるべきなのか。
人としての原則論が身に染みる内容になっています。
人として大切にしたい心の綺麗さ
本書で特に印象的なのは、心の清廉さ。
おカネさえ貯めればいい。あるいは地位を固めればいいというので、手段や方法を問わない。
そこに日本中が悪化している大きな原因があるでしょう
鍵山秀三郎、P24
という言葉から始まり、
人間はみんな幸福を求めているものです。
ただ、自分だけの幸福、自分だけよければいいというような幸福を求めたら、不幸になっていきます。これは間違いなくいえることです。
幸福を求めるならば、世の中もよくして、みんなが幸福になるような生き方をしていくべきだと考えています。
鍵山秀三郎、P70
人として生きていく上で大切な美意識。規範意識について語られています。
これは正論ですが、非常に強く、心を打たれた言葉でした。
自立を前提にした上で
人が生きていく上でまず大切なのは、己が己の足で立ち、生きていけること。その過程でオレオレオレになるのも、一つの学び。
ただそこから、いつまでも自分のことだけを考えて生きていくのか。それとも、自分以外の誰かのことを考えて生きていくのか。
それが年年歳歳微差となり、生き様となって現われてきます。
世の中には、社会的に成功しても、「悪人面」という言葉がぴったりの評定をして、気持ちが良くないオーラをまとい、常に心穏やかでない人がいます。
それはそれで一つの人生かもしれませんが、人は社会の生き物。自分のことに加え、自分以外の誰かを考えて生きていく。
そうした成長が必要なのだと思います。
「オレオレオレ」だけの人生は失敗
本書ではそのために大切な心がまえ。習慣。
見方によっては古い価値観のように思われる話が多いですが、いつの時代にも変わらない原則があるならば、それはまさにこれ。
人としてどう生きるか。「清く正しく」は難しくても。
せめて、人の害にならない人。社会の害にならない人。自立して真っ直ぐ立てる人になる。
本書を読めば、そのための原則が分かります。
自分の人生で、人として恥ずかしくない生き方がしたい人は、一読の価値がある本です。