『「出会い」の不思議』の読書感想 – 袖振り合うも多生の縁、だからこそ

河合隼雄セレクション 「出会い」の不思議 (創元こころ文庫)

「ふと」立ち止まりたいときには自分の心の奥を見つめてみる。

河合隼雄セレクション『「出会い」の不思議』(創元こころ文庫)の読書感想です。

この本について

ユング系心理学の大家、河合隼雄先生のエッセイ集。

テーマは言葉や人、心、家族、様々。ふとこの本を紐解くと、心に響く言葉が見つかる。そんな内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

問題に向き合うこと(P71)

子どもが育っていく上で、何かしら問題は必ず起こる。

子どもが問題行動を起こしたときに問われているのは、その問題に対してどのように向き合うか。

問題があることが問題なのではない。その問題を、親や子がどうやって解決していくかが問われている。

避けるのではなく対立すること(P190)

日本人は問題が起こったとき、表面的には穏やか、問題を曖昧にして、はっきりと対立をすることを避ける傾向にある。

それは家庭でも同じ。

表面的には「問題のなさそう」な家庭の子どもが問題を起こすのは、表面の裏側には問題があって、親が子どもとしっかり向き合うことを避けているから。

人は、対話や対決を通じて、深い関係を気づくことができる。問題を恐れず、それと向き合うこと。

自己実現と利己実現(P232)

自分を周囲と切り離し、したいことだけするのが利己実現。

自己実現は、自分と周囲の関係(つながり)を理解し、自分の意志や努力を超えた枠組みや流れのなかで、最善の取り組みを行うこと。

父親が絶対にすべきこと(P253)

男が結婚し、子どもが生まれたらすべきこと。

それは、我が家で「絶対にやならければならないこと」と「絶対にしてはいけないこと」を決め、子どもに厳しく教えること。

コレは良い、コレはダメ、ということを家庭内で「ガツン!」と教える。それによって、父親の存在が子どもの意識に浸透する。

あいまいさについて(P296)

近代の考え方の根本は二者択一。正しいか間違っているか。白か黒か。

このような考え方は、物事をはっきりさせ、あいまいさを排除できる反面、0か1か、考え方が硬直してしまい、柔軟性にかけてしまう。

ときに、物事をあいまいにさせておいた方がいいこともある。ただし、あいまいにしておくことで、マイナスになることもある。バランスが肝心。

すべてを白黒つけさせる必要はないが、白黒つけるところはつける。

感想など

夜、ふとぼんやり考え事をしたいときに読み返したい本。

個人的には非行少年と家族関係のエッセイで、「問題が問題ではなくて、問題を通じて向き合うこと、行動していくことが大切」という言葉が特に印象に残っています。

生きているうち、問題が起らないことはない。

結局、生きている限りは、思い通りにいかないこと、いろんなことが起こります。でも、起こってしまうことは避けられないこと。それに向かいあい、対処していく。

仕方なしに向き合ってみると、あら不思議、問題が起こることの意味が分かるのかもしれません。

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