人生で絶望したときこそに大切したいこと。
頭木弘樹著『絶望読書 苦悩の時期、私を救った本』(飛鳥新社)の読書感想です。
この本について
著者の絶望体験をもとに、いかに読書が心の助けになるかが語られている本。
人生いろいろ、ときに逆境あり。人生で絶望したときにどう過ごせばいいか、どんな本を読めばいいか、この本が参考になるかも。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P5)
人生で絶望したときに大切なのは過ごし方。
どうしても立ち上がれない、頑張れない。倒れたままでいる時期をどう過ごすか。それによって立ち直りに影響する。
絶望しているときに大切なのは、無理に明るくなろうとしないこと。希望を見出そうとしないこと。
絶望を感じつつ、時間をかけて浮上していくことが大切。
「こんなはずじゃない」も人生(P31)
人はそれぞれ、「自分の人生はこうだ」というイメージを持っている。ところが、人生では、「こんなはずじゃなかった」という、イメージとは違う出来事が起こる。
でも人生で起こることはどんなことも現実。「こんなはずじゃなかった」という出来事を通じて、人生とはなんぞやと、自分の現実を発見する。
共感できる本を探す(P61)
絶望したときは、絶望した本がいい。明るいポジティブなものではなくて、人生先が見えなくて苦しい、そういう本がいい。
立ち直りには順序がある。ポジティブで明るい本は、気持ちが上向きになってからでいい。
立ち直りを焦らない(P67)
物事には必要なだけ時間がかかる。
絶望したときは、その絶望にどっぷり浸かり、すぐに立ち直ろうとしないこと。きちんと絶望しておくことが、立ち直りにつながっていく。
孤独のときこそ読書する(P89)
絶望の期間を乗り越える、それは必要なプロセスであるけれど、そこには支えが必要。その支えとなるのが読書。
共感できる本、今の自分と同じような境遇の本、「自分のために書かれた」と思える本、そういう本を友に、絶望の時期を乗り越える。
待つことの大切さ(P139)
人生では、ある日突然、何かが起きて、それによって人生がガラリと変わってしまうことが確かにある。
すべきことをし、準備し、最善を尽くして毎日を生きている。心のなかで何か起こる気がする。それならば、何かが起こるのを待つことも大切。
感想など
「絶望」をテーマにした読書論。
「絶望を乗り越える」のではなく、「絶望しているときをどう過ごすか」というのが主な内容ですが、やっぴr人生いろいろあるときは、読書が一番。
私も20代の人生どん底の時期は、読書によって救われたもの。もし本と出会わなければ、今の自分の人生はない。そんなことをしみじみ思います。
長い人生、良いことばかりだといいのかもしれませんが、現実問題、人生は良いことばかりでないときがあります。
そういうときこと読書の出番。
休むべきときにはじっくり休み、共感できる本を探して読書する。そんな時間を過ごすことが、長い人生、大切なことなのかもしれませんね。