『プロカウンセラーの聞く技術』の読書感想 – 対人関係で「効く」技術

プロカウンセラーの聞く技術

「話す」より「聞く」で人間関係は良くなる!

東山紘久著『プロカウンセラーの聞く技術』(創元社)の読書感想です。

この本について

人の話を深く聞く方法を学べる本。

著者はプロの臨床心理士で、カウンセリングで大切な聞く技術を一般向けに分かりやすく説明したのが本書。

この本を読むことで、いかに人の話を聞くことが大切なのか、具体的にはどうやって話を聞いたらいいかを学ぶことができます。

以下、本書の読書メモです。

聞き上手になるために(P10)

聞き上手になるためには訓練が必要。相手の気持ちを負担に感じず、かつ自分が話をしたくなるのを抑える訓練が必要。

まずは、普段の生活のなかで、自分からガンガン話さないことを意識する。ゆったり構え、相手から話を切り出すように構える。

カウンセラーが必要な理由(P16)

親、家族から愚痴を聞かされてきた子どもには心理的な影響が出る。人から消化できない話を聞かされたら、話を聞いた人が苦しむことになる

家庭内で愚痴を言い合っている状態は、家族内で葛藤のキャッチボールをしているようなもの。愚痴を消化できる、トレーニングを受けた聞き役が必要。

聞き上手になることの危険性(P19)

人の話を上手く聞ける人は、相手の心のカギを開け、心の奥底に入っていくことができる。だから、話し手は話すことで心が癒される。

一方で、聞く技術を磨き、相手の信頼を得て集中して話を聞けるようになると、聞き手が話し手の心を侵食する危険が出てくる。

人は、自分の話を心から聞いてくれる人に弱い。ゆえに、聞き手に邪神があれば、話し手を洗脳して、マインドコントロールすることもできる。

聞き手は、聞く技術によって相手の心を侵食する危険があることを認識し、十分に注意する。

自他の区別をつける(P24)

人の話を聞くときは、自他の区別をつける。

話を聞くとき、自分の意見は出さず、相手の気持ちを肯定しながら聞く。そして、相槌によって、「話を聞いていますよ」というサインを出す。

話を聞いていて、「でも」「しかし」という言葉が出たら要注意。それは自他の区別ができず、相手の話を聞けていない証拠。

「忘れられない話」の背後にあるもの(P42)

いつまでも覚えている話、忘れられない話の後ろにはコンプレックスがある。

自分の関心がない話、関係がない話はすぐに忘れてしまう。しかし、何度も覚えている話というのは、感情が複雑に絡まったものがコンプレックスがある。

自分の話はしない(P55)

人は聞くより話す方を好むが、聞き上手になるためには自分の話をしないことが鉄則。失敗談や経験談など、つい自分の話をしたくなるが自重する。

特に、自慢話は厳禁。人の自慢話を聞くことは人間関係を良くするが、自分の自慢話を話すことは人間関係を悪くする。

人間関係を悪くする原因は嫉妬と羨望。自慢話は、自分で自慢と思っていなくても、相手の嫉妬心を刺激する可能性がある。

だからこそ、不用意に自慢話をするのはNG。特に長く続かせたい人間関係ほど、上下の差別感がでないよう、無用な自慢話は避けるべき。

質問されたとき(P66)

話を聞いていると、時々話してから質問がある。その質問は、聞き手が自分の話をどう思っているのかを確認するためのもの。

質問の形をとっているが、実際には質問は話のことと関連した話題になっている。

質問=話し手の興味、関心

質問されたときは、聞かれているのは聞き手の話題ではなく、話し手の話題であることを忘れてはいけない。

ペラペラ話す人間は信用しない(P114)

「巧言令色鮮し仁」の諺通り、饒舌に話す人ほど要注意。真実を語るときに多くの言葉は必要ない。雄弁な人の話は疑う。

→逆に考えると、売れないものを売るとき、信じてもらえないことを信じてもらうためにはたくさんの言葉が必要。

評論家が信用できない理由(P137)

評論家が話すことは正論。言っていることは正しいかもしれないが、答えは一つではないし、状況によって正論が意味をなさないこともある。

正論を語れるのは結局は傍観者。自分では痛みを感じず、痛みを人に押し付ける人。だから評論家の話は信用できない。

感想など

臨床心理士による専門的な話し方の技術を、分かりやすく学べる本。

この本を読むことで、コミュニケーションにおいて、人の話をきちんと聞くことが大切なのか、そしてそれが難しいのかが分かります。

意識しないと、つい自分の話をしがちですが、それでは良いコミュニケーションはとれません。

意識して人の話を聞き、相手の本音を引き出し、気持ちよく話をしてもらう。そういう技術があれば、コミュニケーションも深く、豊かになります。

身近な人間関係をより良くするため、ぜひ聞く技術を習得したいものです。

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