ドイツの文豪が教える本との付き合い方。『ヘッセの読書術』の読書感想

文庫 ヘッセの読書術 (草思社文庫)

ヘルマン・ヘッセ著、岡田朝雄訳『文庫 ヘッセの読書術』(草思社文庫)の読書感想です。

マウルブロンの神学校(『車輪の下』の舞台として有名)を中退、書店員などを経て文豪となったヘルマン・ヘッセ。

学校教育をドロップアウトしたヘッセが独自に教養を身につけた方法が読書。文豪であり愛書家であるヘッセが、読書について語ったエッセイをまとめたのがこの本です。

本との付き合い方、本を所有することの意味、世界の文学リスト、読書の魅力、愛読書など、ヘッセの読書についてのエッセイが、15ほど掲載されています。

10代の終わりから20代前半の頃、ヘルマン・ヘッセに傾倒していた時期があって、ヘッセの著作は『ガラス玉演戯』以外は読むほど、夢中になっていました。ヘッセの故郷のカルプやマウルブロン修道院にも行きました。

それからしばらく、ヘッセの本とはご無沙汰していましたが、2013年10月、東京神田の神保町にある三省堂に行ったとき、この本を発見。ヘッセの読書術エッセイということで購入。

「大切なのは本を読もうとする意欲。先入観にとらわれず、自分の感じ方や考え方を豊かにし、生きる力や幸福感、喜びを生み出す源になるかどうかで本を評価する。」(P10)

自分が読む本に敬意を払い、理解しようとする忍耐力を持つ。そして、自分とは違う考えかtがあることを認め、人の意見を謙虚に読む。」(P51)

「教養とは我々を喜ばせ励まし、生きる力、幸福になる力を豊かにするもの。」(P81)

引用は私の要約であり、原文通りではありません。)

という具合に、読書についてのヘッセの信条がつづられています。

独学で教養を身につけ、苦労の末作家として名をなし、世界大戦の混沌とした時代を生き抜いてきた文豪の教えが、胸に響きます。

思えば、本は素晴らしいものです。

過去の偉人、作家、現代の成功者や専門家、様々な人の考えを、文字を通じて知ることができる。普通なら会えない人、話を聞けない偉人たちの教えを、わずかなお金で知ることができる。こう考えると、本を読めることがすごい可能性を秘めたことなのが分かります。

天は自ら助くる者を助く。教養は自分で。知識や価値観はどんどん広げていきたいものです。

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