これが人間関係の「裏」教科書。『他人を引きずりおろすのに必死な人』を読む

他人を引きずりおろすのに必死な人 (SB新書)

世の中には知っておくと得する話、知らないと損をする話があります。その1つが妬みや嫉妬といった、人付き合いのダークサイドについての知識。

あなたは想像できますか?

あなたのことを心配してあれこれ話を聞いてくれている人が実は、裏であなたの様々な噂を流して、あなたを中傷するフレネミーであることを。

こういう話は実は身近にあって、案外身近な人ほど危険な敵になることは、珍しいことではありません。

ではどうすれば本当に信用できる人と信用してはいけない人を見分けることができるのか?

そこでおすすめしたい本がこちら。榎本博明著『他人を引きずりおろすのに必死な人』(SB新書)です。

この本について

本書は世の中の人を妬む人。傷つけようとする人。

つまりは関わっていけない人について、心理学的な視点を交え、非常に合理的かつ実用的な知識を提供してくれる本です。

人付き合いのダークサイドについては、様々な本が出版されていますが、控えめに言っても本書は実用性。

分かりやすさ。面白さ。すべてにおいてトップクラス。

もしあなたが今まで予想外の人物によって裏切られたり痛い目に遭わされた経験があるならば、本書の内容は「そうだよ、それ!」と非常に納得できるでしょう。

この意味で、本書はまさに人間関係の「裏」教科書。この話を知っているのと知っていないのとでは、この先の人生、大きく変わってくることでしょう。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P6)

人生の質を守る上でリスクとなるのが人間関係。人は人によって救われ、幸せになれるが、人によって傷つけられ、不幸にされる。

とくに注意すべきなのは、人を引きずりおろすことに必死な危険人物。彼らに関われば、人間関係を破壊され、最悪、人生そのものを台無しにされてしまう。

人の幸せを妬む(P22)

人と関わる上でまず知っておきたいことは、世の中には人の幸せが許せない人。人の幸せをぶち壊したい人がいる、ということ。

彼らは常に自分自身にネガティブな思いを抱えており、それを解消する努力をせず、暗い炎を燃やして他人を妬み、傷つけようとする。

絶対に人の幸せを許せない。他人には不幸になって欲しい。

このような邪悪な思いを持つ人が世の中にはいる、ということを知っておくことが、彼らに不幸にされない第一歩。

危険人物は身近にいる(P38)

「ブルータスお前もか」のごとく、本当に信頼してはいけない人物は案外、身近にいる。

それは、普段はニコニコ、親身に自分の話を聞いてくれる人だったり、何かにつけて自分のことに気をかけてくれる人が、それに当たる。

それはなぜかというと、人は身近な人と自分を比較する生き物だから。

つまり、身近な存在だからこそ、自分より人生が幸せなのは許せない。自分より成功するのは許せない。

そういう心理になって、自分が努力してよりよくなるよりも、「あいつを幸せから引きずりおろしてやる」という心理になりやすい。

母性原理と日本社会(P51)

日本社会の特徴は、母性原理に支配された社会であること。

母性原理とはいわば、皆平等ですべてを温かく包み込もうとする機能。良い子も悪い子も。できる子もできない子も。すべてを一律で扱う。

だから日本では、横並び意識が強く、学校も会社も。皆と同じであることが良いとされている。

母性原理によって日本人は協調性を大切にするが、それは同時に、やる気がないもの。だめな人間を助長させやすい欠点を持つ。

そして、みんなより頑張っている人。優れている人を、みんなと同じにさせようと引きずりおろそうとする心理が働く。

だから日本ではとくに、「出る杭は打たれる」が起こりやすい。

友達を選ぶ本当の理由(P59)

人は無意識のうちに、自分が有利となるように友達を選んでいる。

優秀な人は自分よりダメな友達を選ぶのは、比較によって自分の存在がより目立ち、優れたように見えるから。

有名な人と友人になろうとするのは、有名な人と知り合っている自分=すごい人間と思いたいから。

このように、人は友人選びでさえ、自分の得になる人を選んでいる。

フレネミーは意外な人(P83)

本当に衝撃的な裏切りは、身近で信頼していた人が犯人となることが多い。

自分を裏で攻撃する人は案外身近なところにおり、犯人が分かったとき、「まさかあのひとが・・・」と知って、人間不信を強めてしまう例が少なくない。

いくら自分が「この人は信用できる」と思っていても、相手はそう思っていない可能性がある。

とくに、親しくあれこれこちらの情報を聞こうとする人。何かにつけて相談に乗ろうとしてくる人は要注意。

完全に心を開いてしまうと、痛い目に遭うかもしれない。

落ち込みやすい人とは関わらない(P118)

落ち込んでいる人を見ると、つい親切にしたくなるのが人情だが、それはやめたほうがいい。

落ち込みやすい人。気持ちのムラがある人は、実は攻撃性を秘めている。落ち込みがふとしたきっかけで、自分に向かってくることが少なくない。

そもそも、落ち込みやすい人は思考が歪んでおり、関わっていれば何らかの問題を引き起こす可能性が高い。

適切な距離を取り、自分に火の粉が及ばないよう、注意するのが良い。

関わってはいけない要注意人物(P126)

距離を近づければ実害があったり人生に危険が及ぶ可能性がある要注意人物。

1・親切にしたら依存してくる人

2・やたら自分を高く評価する人

3・おだてないと気分を悪くする人

4・「どうせ私なんて」が口癖な人

5・「自分は報われてない、損している」という被害者意識が強い人

6・自分を卑下する人

7・人の話を全然聞かない独善的な人

8・「自分は特別」と信じている誇大妄想な人

9・すぐに落ち込む人

悪意への対処法(P152)

邪悪な人に悪い噂を流されたり、SNSなどでディスられて攻撃されたときの最善の対処法は、完全スルーすること。

彼らは攻撃によってこちらが怒ったり悲しんだり、何らかの反応を求めている。それに乗って反応してしまえば彼らの思うツボ。

この意味で要注意な人物とは関わらず、そもそも存在しない人と考えてガン無視するのが一番良い。不愉快な批判や中傷も見なかったことにして無視をする。

一方的に攻撃されるのはシャクだが、彼らとか変わっても人生の無駄。良いことは何一つのないので、感情的にならず、兎にも角にもスルー。

ガン無視するのが一番安全かつ、効果的。

ダメな人を助けない(P154)

仕事ができない人、なにかとヘマをする人を助けてあげたくなるのが親切心だが、それによって自分の首を締める可能性がある。

こちらが親切で助けてあげているの、助けられたほうは「俺をバカにしてる」とか、「余計なことをして」など、逆恨みをする可能性がある。

トラブルを避けるためにも、できない人とは距離を置いた方が安全。

無能な上司との付き合い方(P159)

能力はないのにプライドだけは異常に高い無能上司。できる部下ほど、無能上司には苦労させられ、ひどい場合は理不尽な査定を受け、将来に問題が出る。

そこで大切なのは、上司が無能な場合、ともかくホウレンソウを徹底して、「私はあなたを上司として尊重しています」という姿勢を示すこと。

どんな小さなことでも1つ1つ、すべて報告。「上司の許可を得る」「上司に相談します」というスタンスを示すことが大切。

リア充は隠せ(P162)

リアルな人付き合いやSNSなどにおいては、リア充なこと、幸せなことは絶対に人に話さない方がいい。

自分がそんなつもりはなくても、相手にはネガティブにとらえられる可能性が高い。

そして、身近な存在であるがゆえに嫉妬され、攻撃の対象となり、日常生活に支障が出る可能性がある。

この意味で大切なのは、自分にとって幸せなこと。良かったこと。嬉しいこと。そんなリア充な話題は絶対に人には話さない。

この姿勢が人のダークサイドから自分を守るために大切なこと。

良かったことがあったときは、「皆様のおかげです」とか「偶然うまくいったんです」など、検挙な姿勢を示すこと。

つまり、人から妬みを買わないよう、できる限り配慮すること。

感想など

控えめに言っても、とてもおもしろく勉強になった本。

こういう話を表ですることはできませんが、絶対、人の嫉妬に対する知識や対処法というのは、まさに長い人生、非常に大切な知識だと感じています。

とくに仕事がうまくいって成功したとか、収入が増えて幸せになったとか、本書でも書かれているとおり、そういう話は非常に危険。

人の嫉妬は想像以上に怖くて実害があるものです。

ではどうすればこのようなダークサイドに抗うことができるのか。それを知ることはまさに人生を生き抜くための重要な知識。

この意味で本書は非常に実用的な知識を提供してくれる本です。

まっすぐな人。正直な人。素直な人は、その持ち前の美しい性格であるがゆえに、人の醜い感情に気づきません。

というか、そういう人がこの世にいることすら、想像しません。そこで実際に痛い目にあって気づくのです。

世の中はいい人ばかりではない、と。

ただ、痛い目に遭っただけでは人間不信になるだけ。だからこそ、人生を生き抜く知識として、人を知る必要があります。

本書はまさにそのための本。

嫉妬や妬みといったダークサイドから人についてアプローチ。綺麗事を排除したまさにリアル。人間通になるための重要な知識を学ぶことができます。

こういう本を読んでいることを公言する必要はありませんが、本書を読み終えて確信しています。

この話は役に立つ、と。

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