「知る」ことで人生は拓ける。
出口治明著『人生の教養が身につく名言集』(三笠書房)の読書感想です。
この本について
古今東西の名著の中から人生に役立つ名言を厳選、「リアル人生に活かしていこう」という本。
生き方や運、仕事、人間関係、人生の様々な場面で思い出したい名言が満載の内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
はじめに、教養とは(P1)
教養とは知識や情報ではなく、人生を面白くしてくれるツール。
本や人からの話、旅、いろんな経験から新しいことを知り、それによって自分の人生が面白くなる。世界が広がる。これが教養の力。
不幸を遠ざける考え方を選ぶ(P22)
人生は考え方次第。起こったことをどう捉えるか、それで幸せにも不幸にもなれる。
知ること、教養を身につけることで、物事を幅広い視点で捉えることができるようになり、むやみに悲観的になることもなくなる。
だから教養を身につけることで、人生をより良くすることができる。
運がいい人(P29)
運がいい人=適切なときに適切な場所にいる人。
人生は偶然の積み重ね。「たまたま」の影響力は本当に大きい。偶然こそが世の中を動かし、勝者と敗者を分ける。
ツイてないときは待つ(P34)
風が吹いていないときに凧を揚げることはできない。しかし、良い風さえ吹いていれば、容易に凧を揚げることができる。
大切なのはタイミング。
風が吹いていないとき、人生頑張ってもどうしようもない。風が吹いていないときは、淡々と時を待つこと。時が来た時、全力で動けばいい。
不幸を嘆かない(P55)
過去の不幸をぐじぐじ悩むと、さらなる不幸がやってくる。
昔のこと、過去の失敗、「あのときこうしていれば」とぐじぐじしていると、貴重な時間が失われ、何より陰気になっていく。それによって友を失ったり、未来へ目を向ける余裕を失う。
どうしようもないことはどうしようもないこと、今、これからできることに目を向け、どうしようもない過去の扉はがっちり閉める。
前提を疑う(P107)
年を取ることの欠点は、年々「これはこうなっているはずだ」と頭の中で前提条件が増えてしまうこと。常識や経験、そういったものにとらわれすぎて、現状認識を誤ってしまう。
何事も「こうあるべき」「こうなるはず」ということはない。どんなときも前提を疑い、自分の頭で考え、状況を正しく見極める。
才能は環境&インプットで花開く(P123)
作曲家の坂本龍一さんの話。
坂本さんの父親は、息子のために音楽レコードにお金を遣うことを惜しまなった。だから音楽にどっぷり浸かることができ、その後の作曲家人生の役に経った。
父親がレコードにお金をケチったら、息子の音楽好きに力を貸さなかったら、作曲家坂本龍一は生まれなかったかもしれない。
人間が学ぶ方法(P151)
人間が今よりより良くなるために学ぶ方法は3つある。それは、人、本、旅の3つ。
生きた人間に会ってその人から話を聞く。古今東西の本を読んで学ぶ。いろんなところへ旅へ出て自分の足で歩いて学ぶ。
この3つで、私たちは成長できる。
旅を学びに変えるコツ(P182)
旅=いろんな経験をするチャンス。旅に出るときは、極端をキーワードに、いろんなことを体験する。
超豪華ホテルに泊まったら超格安ホテル、肉三昧の料理を食べたら粗食。「なんでも見てやろう、経験してやろう」の精神で、いろんなことを経験する。
やらないことはどうでもいいこと(P209)
本当にしたいこと、やりたいことは、自然と行動を起こす。どうにもやる気になれないことは、もしかしたら、本心ではどうでもいいことなのかもしれない。
チャンスは先延ばしにしない(P235)
人生も仕事もタイミング。ツキをつかめるかどうか、それが先の運命を左右する。
人生の不運はずっと続かないが、幸運もいつまでも続かない。「チャンスが来た」と思ったら、幸運がやってきたら、何が何でもそれをつかむ。「明日にしよう」と先延ばしせず、直ちに行動を起こす。
運をつかむためにできること(P237)
運を確実につかむ、そのために大切なのは普段から準備をしておくこと。
普段から勉強していろんなことを学ぶ。そして、健康を気遣うなど自己管理をしておくこと。そうすることで、チャンスが来た時、スムーズに動くことができる。
感想など
2016年7月の東京出張中、御茶ノ水の三省堂で発見した本。手に取ったときビビビと来て購入、帰りの飛行機の中で夢中になって読了。
内容は名著からの引用(名言)+著者の解説という構成ですが、人生論や運、仕事、人間関係、引用されている名言は様々。
「運がいいとはタイミングがいい人」
「善人は扱いが難しい」
とか、ビビビと来る言葉がたくさん見つかります。
特に、読書論とか、運をつかむ方法とか、旅を学びに変える方法とか、本書の考え方はとても参考になります。
個人的に読書や旅は大好きなので、私も本書のやり方、考え方を参考にして、もっと本や旅を楽しみたいと思います。