人は時代が変わっても、その本質は変わらない。
柳沼重剛選『ギリシア・ローマ名言集』(岩波文庫)の読書感想です。
『ギリシア・ローマ名言集』について
古代ギリシア、ローマ時代の名言を楽しめる本。
「賽を投げろ」
「転がる石に苔むさず」
など、現代でも使われるギリシア・ローマの名言を文庫本という形で、気軽に読める内容になっています。
以下、心に響いた言葉の抜粋です。
ギリシア編
「神々の愛する者は若くして死ぬ」(P21)
「賢人は敵から多くのことを学ぶ」(P28)
「人間の運命は車輪のようなもので、くるくると廻りつつ、同じ者がいつまでも幸運であることを許さぬものなのです」(P30)
「言葉は人の性格次第」(P33)
「人生とは舞台で芝居だ。大まじめなことは脇へおいて演じることを学ぶがよい。それがいやなら、苦痛に耐えねばならぬ」(P42)
「汝自身を知れ」(P56)
「あらゆるものは去り、何物も止まらぬ」(P63)
ローマ編
「老人の愚か者は長く生きたのではなく、長くこの世にいただけだ」(P95)
「今日という日を摘み取れ」(P105)
「この主人にしてこの奴隷あり」(P119)
「中間を行くのが最も安全だ」(P141)
「野心はそれ自身では悪徳だろうが、しばしそこからいろいろな徳が生まれる」(P170)
「似たものは似たものと最も容易に交じり合う」(P174)
追記
古代ローマについて興味を持ち、『ローマ人の物語』の読書をスタート。読んで思うのは、結局歴史は「人間の物語」であること。
国や政治体制、様々なものに違いがあれど全ては人間。古代ローマでも現代でも、人の姿は驚くほど似通っているということに気づきます。
改めてこの名言集を読み返してみると、言葉も同じ。時代が違えど、人は相変わらず。だから先人たちが遺した言葉を知ることがまさに、生きた知恵になるのでしょう。