確かにこれではやる気がなくなる。『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』を読む

フリーライダー あなたの隣のただのり社員 (講談社現代新書)

「1日中仕事していないのに、私の3倍の給料をもらっている上司がいる。いつもパソコンでインターネットをしている。しかも、勤務中にも関わらず、いかがわしいサイトも見ているようだ・・・」

「新規開拓した案件の手柄を、上司に奪われてしまった。せっかく営業をかけて、頑張ってきたのに、結果を奪われるなんて、これでは、私の努力が報われない・・・。やる気がなくなってしまう」

「会社が経営の危機だ。会社を改革し、業績を改善しようと様々な提案をするが、何を提案しても、それを潰してしまう人がいる。しかも、そういう人に限って、良い給料をもらっているクセに、大して仕事をしていない」

もしかしたら、あなたの会社にも、こんないいところ取りのタダ乗り社員がいるかも!?

河合太介 &渡部幹 著『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』(講談社現代新書)の読書感想です。

内容など

フリーライダーという、会社組織における寄生職員の問題を扱った本です。

フリーライダーとは、「自分は楽をしておいて、他の人の頑張りや労力の恩恵をあずかっているタダ乗り社員」(P14)のこと。

具体的には、

・1日中仕事をサボっているのに、なぜか高給をもらう社員。

・他の社員の手柄を奪いとり、自分の手柄にするいいとこ取り社員。

・人に指図するクセに、自分はほとんど動かない、そのくせ社内政治の立ち振舞は上手い社員。

このような人たちが、会社組織におけるフリーライダーです。

この本では、会社に寄生するフリーライダーのタイプを二つの軸と四種類のタイプに分けて分類、それぞれの問題点と、対処法について述べられています。

どんな会社にもいるこのフリーライダー。

なぜこのフリーライダーが問題かというと、ラクしていいとこ取りする社員がいることで、会社で働く人に、様々な悪影響を及ぼすそうですが、それは容易に想像できます。

あなたが何時間も、朝から晩まで働いているのに、あなたよりも明らかに仕事をせず、遊んでばかりいる人が、自分の給与よりも良い給料をもらっていたら?あなたが頑張って結果を出した業績を、他の人に奪われてしまったら?

このように、フリーライダーが会社に寄生することによって、きちんと働く人の労働意欲を著しく低下させて、結果的に、社員が働きにくい会社になってしまいます

ズルしているのに高給をもらっている。仕事しないのに手柄は奪って自分のものにする。自分は何もしないクセに、傲慢でアレコレ指図し、人をパシリにする。もし、そんな人があなたの同僚にいたら、どう感じるでしょうか?

タダ乗り社員がのさばっている組織は、他のマジメな社員にまで悪影響が及ぶ。その理由が、この本を読むことで、明確に理解することができます。

感想など

「そのまま放っておくと、会社もヤバくなりますよ。まずは、フリーライダーのタイプを理解して、それぞれ、適切に対処しておきましょう」

これが本書の主なテーマです。

フリーライダー=組織の寄生虫という表現がピッタリの、過激で衝撃的な本でした。まぁ、学生時代からもいますよね、人にあれこれ指図するクセに自分は何もしないで文句を言う人。そういう人が会社組織に寄生するとどうなるか?

真っ当に働く人に仕事量が増えて、マジメな人ほど、会社に対して不満がたまっていきます。会社の空気も悪くなりますし、「悪貨は良貨を駆逐する」のごとく、その会社の将来もヤバいものになるかもしれません。

一応、この本はフリーライダーという、会社組織における寄生虫職員の問題を扱っていますが、一部の良くない人によって、全体が悪影響を受けていくという法則は、どの世界でも同じのように思います。

学校もそうですし、会社組織、生活保護の不正受給に代表される国の問題でもそうです。

「なんであいつだけズルするの?しかもなんでズルして得してんの?」というような疑念が組織に広がっていくと、その組織のモラルが下がっていくのは当然。

フリーライダーによって損失を被るのは、本来組織で大切にされるべき真っ当な常識人。だからこそ、フリーライダーの問題は、真剣に考えたいものです。

今のご時世、正規社員と派遣社員、会社で働くにもデリケートな状況がある以上、働く人の不公平感をいかに減らしていくか、その対応を真剣に考えているかどうか、会社の明暗を左右していくのかもしれません。

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