「好きなこと」を絶対に諦めてはいけないただ一つの理由。『たどりつく力』の読書感想

たどりつく力

ピアニストが奏でる音はその人自身の生き様を示す。

フジコ・ヘミング著『たどりつく力』(幻冬舎)の読書感想です。

この本について

ピアニスト、フジコ・ヘミングさんの自伝的エッセイ集。

生い立ちからピアノを始めるまで、ピアニストを目指す人生での様々な出来事など、その激しい生き様を赤裸々に公開。運命を開くために捨てていいことダメなこと、示唆に富んだ話が満載です。

以下、本書の読書メモです。

どんなときも諦めてはいけないこと(P16)

人生、ときに辛いことや哀しいことに遭遇し、心が折れそうになってしまうときがある。なぜこんな目に遭うのか、悩み、もがき、苦しみ、自暴自棄になってしまうときがある。

そんなときでも、自分が「これ!」と決めた道だけは、絶対に諦めてはいけない。それは自分のアイデンティティであり、存在意義になるもの。

辛さを乗り越えれば、やがて結果はついてくる。決して諦めてはいけない。

焦燥する時期(P43)

はっきりと目標がある、「こうなりたい」と思う自分がある。大変なのは、そういったことがハッキリ分かっているのに、それを実現するための具体的な方法が分からないとき。

どう努力すればいいか分からない。何をすべきなのか、道が見えない。そういうとき、気持ちは焦り、苦しくなってしまう。

弱さから逃げない(P52)

人にはそれぞれ弱いところがある。大切なのは、その弱いところを否定せず、受け入れ、対処法を見出すこと。それによって前に進むことができる。

人生経験にムダなし(P107)

人生経験に無駄なし。どんな経験にも意味がある。

苦しかったこと、恥ずかしかったこと、無念に感じたこと、どんな経験も、一つ一つがやがては自分のためになっていくもの。

全てが人生の貴重の糧となり、将来の自分を生かす材料になる。そのことは、いつか必ず分かる。

人と気軽に会える環境で暮らす(P135)

年を取ると、田舎とか、人が少ないところでのんびり暮らすのが良いように思ってしまうけど、人が多い場所で暮らした方が、孤立しにくくて良い。

家にこもらず、外に出て、気軽に人を接する方が、人生にとっても良い。人と会うと、おしゃれをしたり身奇麗にしたりする気持ちが生まれる。それが大切。

芸術とは(P160)

美しい絵、美しい音楽。芸術は人の気持ちを豊かにして、生きる希望を与え、感性を磨いてくれる。

1日のうち、ほんのわずかな時間でも、芸術に触れて自分を豊かにすることができれば、人生は素晴らしいものになる。

感想など

フジコ・ヘミングさんといえば独創的な演奏で知られるピアニスト。

特にショパンの演奏は、聴いていて何か、心がざわざわしてくる何かがあって、それでどんな人生を送った人なのか、どんな価値観を持っている人なのか、興味があって本を読んでみました。

この本では、フジコ・ヘミングさんがどんな人生を送ってきたのかがストレートに書かれているのですが、心を揺さぶる音楽を演奏する人は、その背景に生き様があるのだなと実感。

小さい頃からスパルタでピアノ演奏、両親は離婚、留学中はいじめ。様々な出来事を乗り越えたからこそ、甘く甘美、しかししなやかで強靭、意志のある強い音を奏でられる。

たどりつく力とは天分を発揮しようとする意志の力で、人生で経験することは全て意味があるのかもしれない。そんなことを感じた本でした。

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