答えがない人生だからこそ自分の内に指標を持つ。『「逆境」こそ生きる力の源』の読書感想

「逆境」こそ生きる力の源

先が見えない時代だからこそ見つけておきたい自分なりの生き方。

フランチェスコ・アルベローニ著、泉典子訳『「逆境」こそ生きる力の源』(草思社)の読書感想です。

この本について

『他人をほめる人、けなす人』などで知られるイタリアの著述家、フランチェスコ・アルベローニの本。

この本を読むことで、なぜ逆境が生きる力の源になるのか、ピンチに対しての新しい見方ができる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

恐れを打ち負かすために(P13)

人生の逆境時には様々な恐れ、不安が心から湧き上がってくる。

大切なのは、恐れを打ち払い、新しい道を模索して全力を尽くす。仕事を変える、新しい活動を始めるなど、方法はいろいろある。

逆境で負けないためには、心が負けないこと。

いつでも新しいことを始められる(P17)

「もう年だから」「今さら遅い」など、新しいことを諦める生き方は人生を貧しくする。

人生、いつでも新しいことを始めることができる。体の老いだけでなく、心の老いに注意し、知らず知らず、自分が保守的になっていないか、自己点検する。

失意の時期をどう乗り越えるか(P19)

挫折や大失敗をすると、どうしても落ち込むもの。

失意の時期は心が折れるときであり、希望を失ってしまうとき。落ち込んで気力がなくなってしまうこと、でもそれは問題ない。

失意の時期は、リトリートする時期。世間から一歩身を引き、心身を回復させる。また新しいチャンスを待つ。

やる気や希望が持てないことはいいことで、力を取り戻すまで身を引くことで外界からの危険から身を守ることができる

失意の時期、落ち込んだり希望を失うのはいい。それらはまた見つかる。次のチャンスが来るまで、ときが来るまでは、無理に頑張る必要はない。

重大な決心や新しいことへの挑戦はせず、心身の回復を待つべし。

落胆の意味(P31)

挫折によって人は新しい道を見出す。

人生、時に物事が上手くいかず、努力が泡と消えてしまうことがある。そういうとき、落ち込んで、落胆してしまう。

このとき知っておきたいのは、落胆は一つのサインであり、警告であるということ。

落胆することで、私たちは自分の至らなさに気がつくことができる。そのまま進んではいけないことを知ることができる。

物事が上手くいかないには理由がある。場合によっては、上手くいかなかった方が良いこともある。落ち込んだとき、落胆したときは、その意味を考えること。

思い上がりを捨て、より正しい、本質的な生き方をするための新しいスタートと考えること。

人を判断する3つのポイント(P45)

人間の判断は簡単なものではない。いくつかの判断基準をもとに、正確に人物像を見極めていく。

人間判断で見るべきポイントは次の3つ。

1・最初の印象

2・その人の情報

3・「その人が権力を持ったらどんな人間になるのか?」を想像する

権力について(P75)

「権力は人を腐敗させる」という至言の通り、権力ほど人間性を露わにさせるものはない。

人は権力を手に入れると、その本性をむき出しにする。少数の例外をのぞき、若くして権力を持った人間は早く腐敗する

若くして出世し権力を持った人間には、特に用心すべし。

感想など

生き方、社会での泳ぎ方、人間観察、仕事論、幅広いテーマで心に響く言葉が見つかる本。

柔らかな口調で読みやすい文体になっていますが、本を読み終えたあと、気になったところを再読すると、「そんな考え方もあるんだな、こんな見方もあるんだな」といろんな発見があります。

21世紀、日本も格差社会が広がり、世の中、先がどうなるのか、不透明極まりない状況になっています。

そんな中、時代や世の中に流されず、「私という名の物語」を追い求めていくためには、自分のなかに暗闇を照らすための光が必要。

どんなに周りが暗くて先が見えなかったとしても、道を照らす光があれば、それを頼りに進んでいくことができます。

人生で迷わないよう、自分のなかには常に、道を示す希望という名の光を掲げていたいものです。

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