利潤追求するなら人としての道理を守ること!『経済と道徳』を読む

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500もの会社を設立、成功させた「日本実業界の父」渋沢栄一がその独自の哲学を語っている本『経済と道徳』の読書感想です。

気になった内容等をこちらでまとめています。

『経済と道徳』について

本書は日本実業界の父、渋沢栄一がその人生哲学や経営についての考え方を述べている本です。

重要なのはお金と道徳の両立。会社は利益を追う存在だけれども、「利益の追求と道徳的な正しさの両立こそが会社としての正しい在り方」と説いている点が印象的です。

以下、本書の読書メモです。

儲けたいなら道理を守る(P13)

人は誰でも得をしたい存在。そして得をするから仕事がまわっていく。この意味で利益の追求それ自体は間違いではない。

しかし利益のみを追求することによって経済や仕事の在り方を変えてしまい国が衰退する。そこで必要なのが道徳。利益を追求するならば抑えとなる道徳が必要と言う。

金権主義は社会の乱れを招く(P29)

どんな手段であれ「お金をたくさん手に入れたものが一番えらい」という価値観が主流になれば人の心は乱れ、世の中が腐敗し気品を失う。

会社が利益を追求し儲けることは正しいが利益の追求だけをその主目的にしてはいけない。だから「利潤の追求」と「儲けの哲学(道徳)」が必要。

実力を磨け(P31)

自分の人生を切り開く全ての根本は実力。全ての仕事にはそれぞれ身につけるべきことがあって、それらを焦らず着実に身につけていくことが結局は急がば回れ。

今すぐ結果を出したい気持ちを持つことは仕方ないが焦りは逆効果。セルフヘルプの気持ちを持ち、着実に実力を蓄えていく。

人として大切なもの(P40)

物質世界が豊かになるにつれ、「自分さえ良ければ人のことはどうでもいい」と人を押し付ける利己的な世の中になっていく。

そのような世界で「謙虚さ」や「謙譲の美徳」は無用なように思われるが、そうしたものを大切に生きていくことが長い目で見れば大きな意味を持つ。

信用を貯金する(P54)

世の中は結局「信用」がものを言う。「この人は大丈夫である」と思われる人が事業でも何でも然るべき結果を出し成功することができる。

まずは日々人から信用される生き方をすること。人からの「信用を貯金」していくことによって、将来的に大きな資本を利用できるようになる。

タイミングを読む(P63)

いくら努力したところで、最善を尽くしたところで人生は波乱万丈。自分の思い通りにすることはできない。だから我慢が必要。

必要な期間、必要なタイミングにおいてどれくらい我慢ができるか?そこで自分の運命と可能性が決まる。つまるところ忍耐なくして最高の人生なし。

順境と逆境について(P101)

どんな人でも良い時期(順境)と悪い時期(逆境)がやってくる。人生に波があることは避けられない運命であって、問題はその波にどう乗っていくか。

順境と逆境には相応しい過ごし方がある。順境で調子に乗り逆境でふさぎ込むのはかんたんだが、波を自覚し上手に付き合うこと。

物質と精神のバランスをとる(P149)

人は物質面と精神面、2つの側面を持っている。だからやたら物質を偏重するのは良くないし、逆に精神論だけで考えるのも正しいことではない。

物質と精神、両方の面にバランスをとっていくのが人の成長と学びにおいて重要なポイントになる。

人生は要「柔軟性」(P197)

事業を経営していく上で、計画を立てることはとても重要なこと。ただし実際に事業を始めたとたん「想定外」のことが起こる。

計画を守っていくことは大切だが、問題は起こりうることを前提に考え、その時々柔軟に起動修正していく必要がある。

最後に

儲けを求めてもいいけど儲けるなら恥ずかしいことはしないこと。卑怯なことはしないこと。せこいことはしないこと。

本書を読んで感じたのは自分の在り方に筋を通すこと。古い言葉で言えば「お天道様が見てる」ことを意識して後ろ指を指されない生き方をすること。

「結果さえ出せば何をしてもいい」ではなくまっすぐ自分がすべきことをする。その思想は今の時代だからこそ、特に意味を持つような気がします。

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