「税金、何とかならない?」と思ったら知っておきたい税の知恵
大村大次郎著『無税生活』(ベストセラーズ)の読書感想です。
この本について
元国税調査官、現場で税金と向き合ってきた著者の節税の入門書。
「税金さえカットできれば、年収は4割伸びる!」というのが本書の趣旨で、合法かつ適切な範囲で節税をするにはどうすればいいか、最低限知っておきたい知識を勉強することができます。
以下、本書の読書メモです。
今の税制はおかしい(P10)
国、自治体を動かすため、日本国民が安全に生きていくため、税金というのは絶対必要。
問題なのは税金の使い道。今の状況は、税金によってごく一部の人たちだけが得をし、多くの人が損をする仕組みになっている。
持てるものには税の優遇措置を拡大し、貧乏な一般庶民に増税をする傾向が続き、税による生活格差は今後ますます続く。
だからこそ、国民は、税に関する関心を持ち、使い道を厳しく追求し、不要な税は払わない、節税の意志を持つことが大切。
サラリーマンは最大の顧客(P24)
国が税金を一番しっかり絞りとれるのはサラリーマン。源泉徴収という制度のおかげで、合理的に税金を取ることができるため、「脱税」される恐れがない。
(※源泉徴収はナチス・ドイツが始めた制度というのが面白いですね。)
合法的に税金を払わない方法(P38)
税金を払わない、節税するための4つの方法。
1・会社等を設立、税の知識を活用して自分の税金を減らす。
2・財団法人や白色申告など、適当に税を申告する。
3・脱税する。売上をごまかし、申告を意図的にごまかす。
4・税金を無視する。申告しない。
税務署員のノルマ(P41)
税務署員はノルマに追われる営業マンと同じ。
税務調査官の評価は、どれだけ追徴課税を取れるかどうかで決まる。税務調査官にとっては獲得した追徴課税=営業成績。
海外で無税生活(P50)
定年後、年金等の収入で暮らす場合、税金の低い海外に移れば、無税に近い形で生活できる。
日本の場合、年金にかかる税金は低いが、国保などの税金が非常に高い(年30万~40万)。
定年退職後、海外に移る人が増えているのは、税金の関係もある。
青色申告のリスク(P87)
独立開業すると、税務署員から青色申告を進められるが、青色申告をすれば、記帳の義務が発生する。
税務署としてはお金の流れが明確になるため、税金のごまかしがしにくい。必要がない限りは、白色申告でOK。
(※平成26年1月から、白色申告でも記帳と帳簿書類の保存が義務化されることになりました。)
副業で「赤字」を出して節税する(P142)
税金を抑えるために、副業等の事業を始め、それに必要な経費にお金を使うことで、税金を抑えることも可能。
サラリーマンでも、工夫次第で税金を減らすことはできる。
感想など
2月から始まる確定申告で読んでみた本。
税金のことは毎度確定申告の時期になると頭を悩ませますが、本当にめんどくさいです。
我々日本国民には納税の義務があるので、適切な範囲できちんと納税はしたいもの。そのことには疑問はありませんし、国民として当然だと思います。
ただ、問題なのは税金の多さ。
国保や国民年金等の実質的な「税金」、所得税や県市民税、普段の生活で発生する消費税やガソリン税、生きていくためには税金を払う必要があるのが現状。
まぁ、年金は経費扱いできるので良いのですが、何とか税というコストを最小限に抑えられないものかと、常々意識したいところ。
経費を使ったり、あれこれ工夫、納得できる範囲で税金を払いたいものです。
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