『やめられない心』の読書感想 – やめられないとまらない心理とは

やめられない心 毒になる「依存」 (講談社+α文庫)

やめられないことには心の問題が隠れている?

クレイグ・ナッケン著『やめられない心 毒になる「依存」』(講談社+α文庫)の読書感想です。

この本について

いわゆる嗜癖(アディクション)について書かれた本。

なぜかは分からないけどしてしまう、どうしてもやめられないのが嗜癖行為。なぜこのようなことが起こるのか、心の問題が起こるメカニズムや原因を分かりやすく勉強できる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

やめられない心の共通点(P23)

やめられないことがある人は、特定のことををすることで、自分の気分を変えようとする。

例)

・酒を飲む→気分が良くなる。

・過食する→食べることで気分が良くなる。

・働き過ぎ→仕事を続けていると気分が良くなる。

やめられない心を持つ人の共通点は、ある特定の行動をすることで、自分の気分を変化させようとすること

嗜癖による高揚感はすぐに終わる(P27)

過食や酒、やめられない行動は一時的に気分を高揚させ、気持ちが良い感覚をもたらすが、それは長くは続かない。

気持ちの良い感覚の後は、空虚さや悲壮感、ネガティブな感覚が待っている。このネガティブな感覚から逃げるため、また嗜癖を繰り返す。これが依存行為。

嗜癖が心の拠り所に(P35)

嗜癖行為で自分の感情、感覚が良くなる体験は非常に魅力的。そのため、その感覚を呼び起こしてくれる嗜癖行為が、人生の生きがいや、自分を支えてくれる大切なもののように錯覚してしまう。

挙句、人生のコントロールを失い、ますます「それがないといてもたってもいられない」依存状態に陥ってします。ここまでくると、自分の意志でそれをやめるのは難しい。

嗜癖に支配された人の特異な考え方(P45)

アルコール中毒や恋愛依存など、嗜癖に侵された人は、対象をモノ扱いして、最終的には、自分自身を一人の人間ではなく、モノのように扱うようになる。自分自身をかえりみず、危険な行為に走るようになる。

やめられない行動の結末(P95)

嗜癖にハマったらどのようになっていくか。

1・嗜癖行為を行う。

2・行動を自己正当化する。

3・さらに嗜癖行為が進む。

4・心理的に孤立する。

5・外部の世界からも孤立する。

6・周囲との関わりがなくなり、人間性を失っていく。

7・孤立感が深まり、心の支えを求めるようになる。

8・心の飢えを満たすため、さらに嗜癖行為に走る。

9・廃人化。

嗜癖欲求の根本にある2つの欲(P162)

人を嗜癖へと駆り立てるものには、人間の生存に関わる、2つの根本的な要因がある。

1つは快楽への欲求、もう1つは力(権力)への欲求。これらの欲求なくして、人は生きていくことはできないが、これらの欲求が嗜癖かすると、人生を台無しにしてしまう。

感想など

人の心は難しいなと思う本。

何かにハマって、やがてはそれなしではいられなくなる、これが嗜癖ですが、嗜癖の問題は、一部の人だけがハマってしまう特別な問題ではありません。誰もが、何かのきっかけで陥る危険があるものです。

きっかけはちょっとした寂しさだったり、ストレスだったり。それを解消しようと始めたことに夢中になり、それなしでは生きられなくなってしまい、最後には依存状態で人生を失ってしまう。

なぜそのような嗜癖行為が起こるのか、原因は何なのかがこの本のテーマですが、酒やドラッグ、恋愛、依存している対象が何であれ、根本には心の問題があると著者は言います。

あることをせずにはいられない、それをしないとイライラして落ち着かない。こんな状態になったら要注意かも。寂しさや虚しさ、心の問題の根の深さが怖くなる本です。

本の購入はこちら

やめられない心 毒になる「依存」 (講談社+α文庫)