キャロル・S・ピアソン著鏡リュウジ監訳『英雄の旅』(実務教育出版)の読書感想です。
この本は、ユング心理学のアーキタイプ論(元型論)やジョセフ・キャンベルの神話論を交えた自己探求の書。
人の人生は、旅たちから冒険や挑戦を得て宝を持ち帰るという英雄の物語になぞらえ、私達の人生の意味、課題を解き明かすための手助けをしてくれる本。
もともと、コンサルタントの神田昌典さんが『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』で紹介していて、興味があって原書に挑戦したのですが、挫折。
本屋へ行ったとき、翻訳本が出ていることを知り、再読してみました。
内容について
「私達には、人生の時期ごと、特定のアーキタイプが活性化され、与えられた問題に直面し、それに対処していくことで成長していく」というのが、この本の基本的な考え方です。そこで、この本では、人生の段階を12のアーキタイプとからめて理解していきます。
12のアーキタイプとは、幼子、孤児、戦士、援助者、探求者、破壊者、求愛者、創造者、統治者、魔術師、賢者、道化の12タイプ。
それぞれ、人生の段階ごと、活性化するものがちがって、人生のステージごと、目指すものや恐れるもの、問題への対処法、課題、与えられる才能が変わっていきます。
孤児のアーキタイプが活性化している時期は、人からの助けを受け入れること。
探求者のアーキタイプが活性化しているときなら、自分が求めるもの、真理を探求していくことなど、人それぞれ、テーマ(課題)は異なります。
どのアーキタイプも、それぞれ役割と学びがあり、ギフトを与えてくれる存在です。そこで、この本を参考に、今自分が何と向きあうべきなのか、現実の人生、どんな問題と向き合うのか、参考にすることができます。
人生は旅立ちと帰還の螺旋階段
我々の人生という旅は、旅立ち、ドラゴンを倒し、宝を手に入れ、そして帰るべきところへ帰還する英雄の物語。
旅を通じて経験するは、自分の人生という体験の意味を解き明かすためのパズルピースであり、人生というジグソーパズルを完成させるために必要なこと。
経験を積むことで、やがて、自分の王国(人生)を作り上げていくことができます。そのためのガイドブックとして、本書の知識は参考になります。
ページ数が多く、読むのには腰が折れますが、じっくり自分の人生を考えて、意味を探求したいとき、この本の中で、そのヒントが見つかるかも。