身体の調子が悪く、手術を受けることになった。しかし、もしも手術中に意識が戻ったら?
ヘイデン・クリステンセン&ジェシカ・アルバ主演、術中覚醒をテーマにしたサスペンス映画『アウェイク』(2007年)の感想です。
あらすじ
大企業経営者の家に生まれた超金持ちのクレイトン(ヘイデン・クリステンセン)。
富、美しい恋人のサマンサ(ジェシカ・アルバ)、全てを持っているかのように思えるクレイトン。ですが、若くして心臓の病気を持っており、今のままでは長生きができません。
そのため、クレイトンの友人の医者ジャック(テレンス・ハワード)が、クレイトンの移植手術を行うことになりますが・・・。
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感想など
この映画のタイトル、アウェイクとは、術中覚醒という意味の医療用語。
手術中、何ら感の原因で患者の意識が残ってしまう現象のこと。つまり、麻酔で意識がない状態にさせられているはずなのに、手術中も意識があるのが、術中覚醒。
自分が手術を受けているところ、医者の手術中の会話、全て聞こえるそう。(この映画のように手術の痛みはないようですが・・・)
映画では、移植手術を受けるヘイデン・クリステンセンが術中覚醒。そのおかげで、彼をハメようとする悪い奴らの陰謀を知るのですが、そのときの様子が変に笑えてきます。
やたら「What a fu◯k!」とfのコトバを連呼するヘイデン・クリステンセン。この映画はシリアス・サスペンス映画のはずなのですが、妙なコメディ感があります。
ここからネタばれあり
結局、ヘイデン・クリステンセンは恋人や友人の医者、信じる人たちにハメられて金づるにされようとしていたことが判明。
テレンス・ハワード演じる医者は医療訴訟を何度も起こされているヤブで、離婚や訴訟などで、多額のお金が必要。
そして、ジェシカ・アルバ演じるヘイデン・クリステンセンの恋人もカネ目当て。純情な恋人像は全て演技で、すべては計画犯罪。
ヘイデン・クリステンセンは夢見る王子様のごとく、悪いヤツラに完全に騙されていたのです。
ただ、元からヘイデンの母親は、「息子は悪い奴らにハメられているのではないか?」と疑っていたのがせめてもの救い。
最終的に、母親の超人的な行動によって、ヘイデンは助かり、映画はグッドエンドを迎えます。(それでも後味が悪いですが)
制作者の筋書き通り
個人的には、完璧にコメディ映画でした。サスペンス的な要素はあるものの、それ以上にヘイデン・クリステンセンのキャラがコメディでした。
最初は端正でイケメン、クールな金持ちの息子。しかし、恋人や友人に騙され手術、そして術中覚醒しているときの演技はもう最高に面白い。
「オレの声に気づけ!」→「ん、お前たちはオレを殺そうとしているのか?」→「やめろ~!」という感じで、終盤は人間味溢れる演技を楽しませてくれます。
ストーリーもそうですが、演技の面でも、良い意味で期待を裏切らせてくれる映画でした。