人付き合い、嗚呼この難しきもの。『人間関係』の読書感想

人間関係 (新潮新書)

世の中にはいろんな人がいるけれど、それにはそれで、意味がある。

曽野綾子著『人間関係』(新潮新書)の読書感想です。

この本について

『太郎物語』などで知られる作家、曽野綾子さんのエッセイ。

この本は、主に人付き合い、人間関係についてのエッセイで、「あぁ、人の世を生きていくことはいろいろ大変だなぁ」と考えてしまう内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

世の中平等ではない、だから(P10)

生まれ育ち才能、人間の世界は平等とは言いがたい。

不平等な世の中、平等を目指すことはいいかもしれないが、持って生まれた不平等という現実に目を背けてはいけない。

自分はこれがダメだ、ここが足りない。この点で人より負けている。そういう現実をまずは認め、ではどこで自分が活かせるのか、そこへ発想を向けていくことが大事。

人付き合いは自分の得手不得手を理解して(P13)

世の中、いろんな人と幅広く付き合うのを苦にしない人がいれば、狭い人間関係でやっていくのが良い人もいる。

人付き合いの広い狭いは良いところ悪いところがある。自分の得意とする方で、なんとかやっていけば良い。

面倒なら距離を取る(P22)

世の中の付き合いにくい人とはどうすればいいのかというと、結局は距離を置くことが一番

近ければ傷つけられてしまうのであれば、離れて距離を取るのが自然。人間関係は距離感を重視して、誰に近づき誰から離れるか、そこを自分のバランスで調整すると良い。

金払いに人間性が出る(P53)

その人の本質がどんな人なのかを知りたければ、お金を払うときに着目すると良い。お金を払うときの態度に、人間性の諸々が透けて見えてくる。

外の関係は利得でOK(P125)

人間関係は外と内、いろんな関係がある。

基本的に、仕事とか外で付き合うことになる関係は利害を中心とした関係になる。

それはそれで仕方ないので、利害関係にあることさえ忘れなければ問題ない。ダメならダメ、利害が一致しないならさっさとキレばいいし、ムダに執着する必要はない。

ただ、利害関係でつながっているのに、それを勘違いするのはNGダメ。自分も相手にとっての利害でつながっている関係であることを、忘れてはいけない。

人生で大切なこと(P187)

人生で大切なことは、何によって人生の到着点に至るか、その手段。

私はこう生きたい、そのためにこうやっていきていく。そのために、人は自己研鑚、辛抱をする。そのことに人生は意味がある。

感想など

人間はこうだ、人付き合いはこうだ、という感じ、肩凝らずゆったり読めるエッセイが満載の本。

印象的なのは、「上手くいかない人間関係は諦めましょう」と説いているところ。そこらへん、爽やかというかスッキリというか、「まぁそうだよなぁ」と納得してしまうものがあります。

人間関係の考え方はいろいろあって、

「どうにも合わないけれど、一緒にいることで成長することに意味がある」

「人間関係で私たちは学ぶ、イヤな人だからといってすぐに切ってはいけない」

「ダメな奴、合わない奴とは付き合うな!」

など、人によって言っていることが違っていたりします。

これだけいろんな考え方があるということは、結局人付き合いは誰にとっても答えがでない難しいことで、誰もがどうすればいいか、迷ってしまうことだと思います。

本書では「人に応じて距離を取りなさい」的なことが書かれていますが、確かにそういう方法が、現実的な考え方なのかもしれません。

まぁ何にせよ、人とは良い関係を持ちたいですが、もしそれが難しい人の場合は、柔軟にやっていきたいものです。

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