『マンションは日本人を幸せにするか』の読書感想 – こんなマンションは絶対に買ってはいけない!?

マンションは日本人を幸せにするか (集英社新書)

業界30年の住宅ジャーナリストが教える絶対に買ってはいけないマンションとは。

榊淳司著『マンションは日本人を幸せにするか』(集英社新書)の読書感想です。

この本について

業界30年の住宅ジャーナリストである著者がマンションについて詳しく語っている本。

マンションは日本人に何を与えたのか。

人口減少で家あまりが予想される現代、どんなマンションを買っていいのか。はたまた、どんなマンションを買ってはいけないのか。

この本で、分かりやすく学ぶことができます。

以下、本書の読書メモです。

日本の環境と家造り(P11)

日本でヨーロッパのように石造りやレンガ造りの家が普及しなかった理由は気候と地震。

高温多湿な日本では、夏にエアコンがないと、とても生活することができない。エアコンがない時代で高気密住宅で夏を暮らすのはかなり厳しい。

このような事情で、エアコンがない時代の日本では、木造住宅が普及したが、木造の場合は冬が寒い。

また、地震の問題もある。石やレンガで家を作ると、地震で倒壊してしまう可能性が高い。だから、日本では石やレンガの家は馴染まない。

マンションと日本人(P15)

日本人はもともと木造住宅を建て、それを30年ごとに建て替えて生活してきた。

現代ではマンションが普及し、多くの人が生活しているが、マンションが誕生してから歴史的にはまだ60年ほどしか経っていない。

つまりマンション暮らしというのは日本人にとって新しいスタイルの家であり、今後様々な問題が出てくる可能性がある。

マンションが変えたもの(P25)

マンションの登場によって、日本人は都会に暮らすようになった。そして日本人にマイホームを持たせ、日本人は核家族化した。その結果が現代の少子化問題につながっている。

その他マンションは、日本人の資産であり負債だり、「区分所有」という概念を身につけさせた。管理組合への強制加入やエアコンを使う暮らし、高層生活を自然にさせた。

マンションが登場して日本人に与えた影響はとても大きい。

マンションと少子化(P35)

マンションの登場によって、日本国内の住宅環境は大きく改善され、若い夫婦はどんどん実家から離れ独立を始めた。

昔の大家族社会の時代では、住宅が圧倒的に不足していた。)

これによって、日本の大家族社会は終わりを告げ、核家族化社会が到来した。

日本人が核家族化することによって、日本人の家族観、生活スタイルが変わっていき、少子化につながっていく。

マンションと管理組合(P65)

マンションを買うと強制的に管理組合に加入させられるが、現状、マンションの管理組合での揉め事、不正は多い。

悪い理事長が管理会社が裏で手を組んで利益誘導をしたり、積立金を不正に使い込んだり、管理組合そのものがもめて、マンションの修繕が上手くできなかったり、様々な問題が起こっている。

マンションは多数で決める民主主義的な仕組みなので、それが上手くいっている場合はいいが、上手くいかない場合、トラブルが頻発する。

管理組合の組織運営が上手くいっていない場合、多くの住人が事なかれ主義となり、その結果、マンションの修繕でも、効果的な話し合いができず、管理会社にぼられてしまってお金を損してしまう。

これがマンションを買う一つのリスク。

不動産取引の注意点(P121)

不動産の世界は弱肉強食の世界。不動産屋、仲介業者の話を信じ切って取引をするのはとても危険。

基本的に、一般人が不動産取引で業者とまともに戦うことは難しい。

冷静になり、相手の話を100%信じず、時間をかけて取引する。必要なら第三者の専門家に話を聞くこと。

タワーマンションの問題(P205)

経済力とブランド力の象徴であるタワーマンションだが、住む場合は注意が必要。

「高層階に住む場合は健康への影響が出てくる」という研究があり、また子育てをする母親への影響を指摘している研究もある。

また、日常的に高層階に住んでいると、人間が本能的に備わっている高所恐怖を感じられなくなり、健全な恐怖感覚が身につかなくなる可能性がある。

子どもが小さいうちは、高層階で暮らすのは避けた方がいい。

感想など

一戸建てかマンションか、家を買うことについて興味を持っている私としては、とても興味深い内容が満載だった本。

日本人にとってマンションとは何なのか、これからのマンションはどうなっていくのか、示唆に富んだ話が満載で、マンション暮らしもいいことばかりではないな、という感想。

それと印象的だったのは不動産取引の話。

「囲み」とか「干す」とか怖い話(P130)も出てきて、大きなお金が動く世界にはいろんな罠があるものだなと実感。

どの世界でもそうですが、無知であること、人の言いなりになること=大きな損をしてしまうこと。自分なりに考えて調べて、詳しい人に相談して、熟考したいものです。

ということで、マンションについて歴史からこれからのこと、メリット&デメリット、どんなマンションを買えばいいのか、気になっていたことの大枠が理解できてとても勉強になりました。

「マンションを買おうかどうか迷っている。ただ少子化で空き家は増えていくし、本当に今買っていいのか?買うとしたらどんなマンションがいいか?」

という方には、参考になる一冊です。

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