家を買う。
そのときに考えたいのが、家の間取り。なぜなら間取りには家族のライフスタイル。つながり。すべてに影響を与えるからです。
家の間取りを間違えた結果、家族がバラバラ。子どもはニートになってしまった。そういう嘘のような、本当の話があります。
そんな間取りの影響の大きさが分かるのがこちら。佐川旭著『家庭が崩壊しない間取り』(マガジンハウス)です。
この本について
本書では、いかに家の間取りが、そこに暮らす家族に影響を与えるか。それを明らかにした上で、ではどういう間取りにすれば正解なのか。
その知識を学ぶことができます。
大切なのは、まずどんな間取りがNGなのか。それを知れば、家族に悪影響を及ぼさない間取りを知ることができます。
家を建ててから気づいたら最悪。そうなる前に、この話を知って、損はありません。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P9)
現代社会=家族力が低下し、家族がバラバラになりつつある時代。
夫婦+子ども一人の核家族が増加しているだけでなく、単身者の数も急激に上昇。こんな時代だからこそ、家族のつながりを考える必要がある。
そのために大切なのが家。
家とは人がただ暮らす場所ではない。そこは、家族一人一人をつなげていく場所でもある。だからこそどんな家に暮らすのか。
それが家族の絆に影響していく。
テーブルの影響(P14)
テーブルは家族のコミュニケーションに影響する。
1・どんなテーブルを選ぶか(形)
2・どこに置くか
3・座席をどうするか
4・高さをどうするか
これらを考えることは、まさに家族のコミュニケーションを考えること。
例えば、低めのテーブルを選ぶこと、そしてテーブルの座席の配置をきちんと決めることは、家族関係の安定につながる。
誰がどこに座るかを決めることで、家族の秩序や序列が安定する。
そして、低めのテーブルを選ぶことで、誰もが気軽にコミュニケーションに参加する雰囲気を作ることができる。
テーブル一つにしても果たす役割は大きい。しっかり考えて選ぶこと。
子どもがニートになりやすい間取り(P34)
子どもがニートになりやすい家には特徴がある。
それは、子供部屋がリビングなど、家族の誰とも顔を合わさずに自分の部屋に入れる間取りになっていること。
ニートの問題はコミュニケーションの問題で、家族と顔を合わせず、自分の部屋に引きこもってしまうことから、問題が始まる。
逆に言えば、普段からきちんと家族間のコミュニケーションが取れる間取りにすることで、子どもがニートになることを予防できる。
間取りを考えるときは、家族の誰でも、自分の部屋に入る前に、必ずリビングなど、家族の誰かと顔を合わせるような間取りにすることが大切。
家庭が崩壊する間取りの特徴(P40)
家が家族を壊す。その典型的な家の特徴がこちら。
1・そもそも家族の団らんがない
2・玄関から自分の部屋に直行できる
3・子供部屋から外へ出入りできる
4・子供部屋が家族団らんできる場所(リビングなど)から遠すぎる
5・地域から隔離されている
騒音問題について(P90)
音は人の脳に影響を与える。だからこそ、マンションなどの騒音が大きな問題に発展する。
騒音問題でトラブらないために大切なのは、近隣住人ときちんとコミュニケーションをとっておくこと。
周りにどんな人が住んでいるのか。直接あいさつできる関係であるか。そういうことで、音の不愉快さは多少解消される。
この意味で、特にマンションにおいては、きちんと上下左右の住人とコミュニケーションを測ることが重要。
マンションを購入するさいの広さの目安(P158)
マンションを買う場合、大切なのは自分の家族にぴったりの広さを確保すること。
その方法としては、家族の年齢を足した合計の広さのマンションを選ぶのがおすすめ。
例)夫34+妻27+子ども3と1→65平米
男は書斎を絶対確保する(P176)
脳の構造上、男は必ず一人になれる場所を確保しておくことがのぞましい。
家族がいようが、必ず自分一人になれる書斎を持つこと。これが男の人生の質を保つ大切なポイント。
感想など
過激なタイトルがついている本ですが、内容としては至極大切な話ばかり。
家の間取りが家族を不幸にする。「そんな馬鹿な話があるか」と思いきや、ニートが多い家庭の間取り、家庭崩壊する家の間取り。
そういったものにはやはり、それなりの傾向があることが分かります。なぜなら人は環境の生き物。環境から受ける影響は絶大だからです。
家というのはまさに環境。
だからこそ人生を考える上で、生活する家についてはコスパ云々は考えないほうがQOLのアップに寄与することは間違いありません。
ということで、もしあなたが家を建てること。もしくはマンションの購入を検討している場合。
駅チカとか、そういう話は横において、まず間取り。どんな間取りの家にすればあなたの家族が幸せに生きていくことができるのか。
それを考えることが大切です。
では具体的にどんな間取りがいいのか。それが気になった方は、本書を読む価値があります。ぜひ参考にしてみてください。