子どもの教育環境を真剣に考えたいあなたへ。『マンションは学区で選びなさい』の読書感想

マンションは学区で選びなさい (小学館新書) (小学館新書 お 18-1)

子どもの小学6年間をムダにしないために親ができること。

沖有人著『マンションは学区で選びなさい』(小学館新書)の読書感想です。

この本について

子どもの公立小学校選びで失敗しないために知っておきたい学区と不動産の価格の話について、事実が率直に語られている本。

近々小学校に上がるお子さんをお持ちの方、学区の話に興味がある方(特に東京・埼玉・神奈川・千葉)は、将来を見据えて住所を決めたくなる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P4)

子どもが先生の言うことを聞かない。授業中走り回って授業が成り立たない。授業を妨害する。

そんな学級崩壊だけでなく、授業は学力の低い子に合わせて行われるなど、公立小学校は子どもの教育環境に不安要素がかなりある。

そのため、子どもにまともな教育を受けさせるためには、子どもが小学校に上がる前から、きちんと「学区」を選ぶことが重要。

不動産価格はここで分かる(P20)

不動産価格が高い場所=人気の校区。

結局、子どもにお金をかけられる親が多い地域ほど、不動産の価格も高くなる。

学校も落ち着き、学力レベルも高くなるので、ますますそのエリアに子どもの教育に関心を持つ親が集まる。

だからますます人気エリアになり、不動産価格も高くなる。

親が子どもにできること(P36)

子どもの成長において最も重要なのは周囲の環境。

「朱に交われば赤くなる」は事実で、環境次第で子どもの未来はガラリと変わる。子どもにとっての環境は、親が与えることができる。

子どもにどんな環境がいいのか、そのための手間を、親は決して惜しんではいけない。

人気公立校区のパターン(P50)

人気の校区の2つのパターン。

1・昔からの高級住宅地の校区。

2・未開の全く新しい場所(古い住民が少ない地域)に住宅街ができた校区(具体例としては東京の豊洲、茨木のつくば市など)。

住まい選びの新常識(P112)

家を買う=もはや永住ではない。

人生は長く、いろんなことが起こる。子どもの成長とともに、柔軟に計画を変更できるよう、身軽に考えることが大切。

だからこそ家を買うときは、売るときのことを考えて買うこと。

住まいを選ぶさいに絶対重視したいこと(P115)

家を買うときの鉄則は、「自分では変えられないこと」を重視して家を選ぶ。

具体的には周囲の環境。隣人や地域住民の雰囲気。校区の学校の状態。自分の努力では決して変えることができない要素を重視して家を選ぶこと。

買うならマンション?(P123)

一戸建てかマンションか、いろんな意見があるが、都市部においてはマンションを買う方が柔軟性は高い。

マンションの場合は、子どもがいない世帯、高齢者など、様々な層にニーズがある。一方、一戸建ての場合は、子育て世代しかニーズがない。

そのため、万が一物件を手放そうとする場合は、マンションの方が売りやすい。この意味で、マンションを買う方がその後の柔軟に状況に対処しやすい。

住まい選びのバランス感覚3つのポイント(P129)

家を買う上で大切にしたい3つの視点。

1・子どもの教育環境(最優先)

2・自宅の資産性

3・親の都合(通勤など)

良い立地とは(P172)

良い立地=人気公立小の校区。

そのほか、教育水準を高める施設が多いエリア(名門大や大きな病院など)、住所などが不動産価格を釣り上げる。

買ってはいけない土地(P176)

買わない方がいいエリアの特徴。

・治安が悪いところ(繁華街の近くなど)

・単身世帯が多い地域(ファミリー世帯には向かない)

・地盤が悪いところ(絶対に避ける)

ローンで破産しないために(P191)

住宅ローンで破産する人は、ローンの年間返済額が高すぎる人。

ローンの目安としてはせいぜい年収25%以内に抑えること。それ以上になると、破産する率がアップする。

感想など

人気の小学校学区=親の世帯年収が高いエリアという、身も蓋もないけれどとても大切な話が語られている本。

結局地価や賃料が高騰するエリアにはそれ相応の理由があって、「良い環境を求めるなら・・・」という話なんですが、実際そうなんですよねー。

家賃が安い=治安が良くない(住むのに何か問題が起こる可能性が高い)という傾向があるように、家賃が高いor不動産価格が高い=人気があるのはそれなりの理由があります。

例えば私の地元のとあるエリアでは、県内でも高学力の小中学校があるエリアはゾクゾクとマンションが立って、地価もグングン上昇。

そして比較的新しく出来たエリアも、県内でもトップクラスの高学力の中学校ができて、そこもゾクゾクと一軒家やマンションがどんどんできました。

2011年に地下鉄も伸びて商業施設も登場。ますます人気のエリアになっています。そこの中学校は本当に学力レベルが高いです。

そして、今は札幌に住んでいますが、こちらにも3K2Fと呼ばれる人気の学区があって、賃貸の賃料はやはり高い傾向にあります。

ただ一点加えておくと、人気の学区を選んだからといって、子どもが学級崩壊なく、安心して小学校生活を送れるかというと、それは話は別。

あくまで公立小学校は確率論。人気学区ほど、そういう問題が確率的に少なくなる、というだけです。

実際問題、3K2Fに小学校のお子さんを通わせている某士業の方は、

「子どもを○○小(人気学区の小学校)に通わせているが、ある学年で学級崩壊が起こっている。それでうちの子どもたちは、「あいつらと同じ中学校に通いたくないから、中学受験をしたい」と言っている」

という現実を教えてくれました。

それと、友人の看護教諭(保健の先生)の方から聞きましたが、

「人気の学区ほど、荒れたときが大変。そういう学校は貧富の差が激しいから、子どもたちはどうしても自分と他の家庭を比べて、現実を知ってしまう。だから荒れると大変になる」

ということでこれ以上は言及しませんが、正直なところ、荒れている学校は悲惨です。

本書でも最初に述べられているように(P3~)、公立は荒れやすい環境があれば、すぐに荒れてしまいます(公立校が荒れるには、荒れる必然性があります)。

そして、その荒れた環境で子どもを過ごさせることは、悲惨という言葉では不十分なくらい、子どもに深刻な影響を与える可能性があります。

いくら人気の学区とはいえ、あくまでは公立は公立。

どうしても運の要素がからむので、子どもがせめて高校に行くまでは持ち家を購入せず、賃貸で過ごすのも一つかな、と思います。

ということで、お子さんの教育環境に強い関心をお持ちの方は読んでおいて損がない内容になっています。

親として子どもにどんな環境を与えることができるのか。真剣に考えるきっかけになるはずです。

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