男は妻の遺言に従い旅に出た。『あなたへ』を観る

あなたへ DVD(2枚組)

刑務官の男と歌を歌う女。夫婦は寄り添い生きていたが、やがて別れが来た。

高倉健主演『あなたへ』(2012年)の感想です。

あらすじ

富山で刑務官をつとめる倉島英二(高倉健)は、妻洋子を病気で亡くし、一人暮らしていた。

そんなある日、英二のもとに、妻の遺言を預かったというNPO法人の女性が訪れる。その内容とは、「自分の遺骨を長崎の故郷の海に散骨して欲しい」とのこと。

英二は妻の遺言に従い、一人車に乗り、長崎に旅立つ・・・。

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感想など

ここ最近観た邦画の中でもトップクラス、深く印象に残る映画でした。

妻に先立たれた夫が、妻の遺骨を散骨するため、故郷の街へ向かう一種のロードムービーであり、夫婦の死別という重いテーマを扱ったヘビーな映画で、人が生きることとはどういうことなのか、映画を見終わったあとも、あれこれと考えてしまいました。

全体的に物語は淡々と、静かに進んでいくのですが、ところどころ挿入される倉島夫妻の過去の日々が、映画を観る我々に、生きることと死ぬことと、人生とは何なのか、問いかけを与えてきます。

映像的な美しさももちろんなのですが、田中裕子さんの歌う、宮沢賢治の「星めぐりの歌」も素晴らしい。

幻想的で文学的、しかし儚いメロディーと歌詞が、映画への没入感を高めて、自然と自分を英二と重ねてしまいます。

人は誰かと暮らして、年をとって、やがてこの地上から去っていく。何とも言えぬ切なさを感じる映画でした。

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