大切なのは稼ぐお金よりも金銭感覚。
中谷彰宏著『お金で苦労する人しない人』(知的生きかた文庫)の読書感想です。
この本について
お金にまつわる様々なエッセイが楽しめる本。
生きていくためにお金は必要、だからお金は稼ぐ。しかし、お金はただ稼げばいいものではない。お金はいろいろ難しい、だから扱い方、付き合い方を勉強する。
そんな気づきがある本です。
以下、本書の読書メモです。
お金は本音(P33)
お金のやりとりで、人の本音が見える。その人間関係が本物かどうか、それはお金のやりとりが発生したとき、明らかになる。
人と事業は興すな(P36)
ビジネスを始めるなら自分一人で。
友人と共同経営は最悪の選択。失敗しても上手くいっても、お金と友人、両方を一気に失くす可能性あり。
保証人はやめておけ(P46)
人生で決してしてはいけないことが、親友人などの借金の保証人になること。
保証人になれば、借金をした人より、保証人が地獄に落ちる。誰の頼みであれ、保証人になるのは人生が終わる危険があるので避ける。
お金は貸さない(P50)
一度借金を申し込んできた人間は、何度も借金を申し込んでくる。
親切心を出してお金を貸すと、ずっとたかられるハメになる。何せよ、お金の貸すのはろくな事がない。
お金の器(P58)
人にはそれぞれ、お金の器がある。器を超えたお金は上手く扱うことができないので、どれだけ稼ごうと、器以上のお金は、消えて自分の手元には残らない。
儲けすぎてはいけない(P65)
破産するのはお金がない人ではなく、儲けすぎた人。
儲けすぎると金銭感覚が破綻する。お金がたくさん入ってきても、それが必ずしも金銭感覚のアップにはつながらない。
金銭感覚が磨かれないのに、お金がたくさん入ってくる。そうなると、お金が凶器になって、その人を狂わせる。
大量に儲けが出たとき、儲かっているときにこそ、お金に対して慎重になるべし。
おいしい話の真実(P86)
「○○が儲かる」と突如やってくるおいしい儲け話。
そういうときは、「儲かるなら、なんであんたがやらないの?」と考える。そうすると、「誰にとって」おいしい話なのかが分かる。
リスク+収入は分散させる(P120)
お金を扱う上で大切なのは、収入と支出を分散させること。一点集中はお金を扱う面では危険。
収入は一つだけでなく複数分散。投資等でお金を使うときも複数分散。これを徹底すること。
過度のお金は身を滅ぼす(P155)
貯金など、使うに使えないお金=自分の身以上のお金。
本来、扱えないお金は手にすべきではない。そのまま持っていては自分のためにならないので、税金でも何でも、お金を手放す方がいい。
感想など
お金はただ稼ぐのではなく、上手く扱う。お金って難しいなぁ、そう感じた本。
収入が少ないときは、できること、買えるものが少なくて、それでもっとお金が欲しいと思って頑張ります。
それで収入が増えてきたら、こんどはまた、正しい使い方をしないと、無駄使いして、結局意味があるお金の使い方ができない。
この本では、「人にはお金の器がある、器以上のお金を手にしてもよくない」的なことが書かれていますが、なるほど、お金を稼ぎたいと思うなら、自分の器も広げていかないとダメなのかも。
とまぁ、このような具合、簡潔でシンプルながら、ふと「はっ」としてしまう内容がいくつか。
綺麗事抜きにお金は大切なもの。自分の器+金銭感覚を磨いて、タメになる方法で、お金と上手く付き合っていきたいものです。