『格差固定』の読書感想 – 未来の日本は身分階層社会に?

格差固定 下流社会10年後調査から見える実態

今や日本は身分社会に?

三浦展著『格差固定 下流社会10年後調査から見える実態』(光文社)の読書感想です。

この本について

意識調査をデータ化し、上流、中流、下流の特徴を分類、著者がコメントをしている本。

年収による価値観、考え方の違い、結婚、様々な視点で、日本で進行中の格差社会について考察。格差の実態に迫る内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

日本は階層化が進んでいる(P3)

2005年以降、日本では格差社会が進み、中流意識を持つ人は36%、下流意識を持つ人が全体の43%に。

中流より下流が少し多いという点で、人々の階層意識は、日本は昭和30代半ば、高度経済成長期の黎明期と同じ時期に戻っている

消費行動が変わった!(P10)

格差社会の進行に伴い、人々の消費意識が変化。

いわゆる高級品を買う層が減り、服はユニクロ、スーツは青山、車は軽自動車というよう、人々の消費行動が変わっている。

今や、上流の人に20万円のスーツを買わせるだけでは不十分で、上流の人に25万のスーツを買ってもらわないと贅沢品が儲からない時代になった。

階層の分かれ目(P24)

個人の階層意識と年収は比例している

年収1000万以上の人の57%が自分の階層を「上」と意識し、年収400万以上1000万未満の人が、自分の階層を「中」と意識している。

年収400万円と年収1000万円に、階層の切れ目がある。

「勝ち勝ち婚」増加で勝ち組はますます豊かに?(P26)

近年、高所得の男性は高所得の女性と結婚しやすい「勝ち勝ち婚」が増えている。

夫も妻も高収入で世帯収入増加、低収入の男性は結婚しないor配偶者も低い収入の傾向があり、より格差が広がりやすくなっている。

男が結婚できるかできないかは年収400万が境目(P46)

年収300万未満の男性は結婚しにくい。年収が高いほど未婚率が低く、結婚には年収が関係してくるのは明らか。

30代では年収400万以上で未婚率が50%、年収600万以上が未婚率30%、収入が高いほど結婚している率が高くなっている。

公務員を目指すことは上流を目指す確実な道(P83)

公務員は、どんな時代でも、どんな経済環境でも100%存在し、かつ安定収入を得られる職業。

公務員の世界では年功序列が未だに保持され、収入や貯蓄率ともに高い。

現代の日本では、公務員になることが最も確実に上流を目指すリスクのない選択になっている。

リスクを背負って社長になって成功を目指すより、公務員になってコツコツ働いた方が、確実に上流に入ることができる

余裕派と切実派(P168)

お金に比較的余裕がある余裕派は、外出してお金を使う。温泉やガーデニング、旅行など、外出によってお金を消費する傾向が強い。

一方、お金に余裕がない切実派は、パソコンやネット、DVD、スマホなど、家で楽しめることにお金を消費する傾向が強い。

ファッション意識は下流化している?(P194)

近年、高級ファッションブランド人気が低迷し、多くの人々が、格差問わず、ユニクロやZARAなどのファストファッションを好むようになっている。

団塊、新人類、団塊ジュニア、どの世代もファストファッションを好むことで、若年層が、自分の階層意識が分からなくなっている土壌になっている。

タイムマシンがあったら行きたい時代(P222)

上流層はタイムマシンがあれば行きたい場所として、バブル時代や高度経済成長時代など日本経済が好調だった時期や、22世紀や30世紀などの未来が多い。

下流層では江戸時代が11%と、各階層の中で一番多い数字を出している。

感想など

格差社会の実態、影響、人々の考え方の変化など、「そうなのか」と読了。

「日本人の階層意識は昭和35年(1960年)並になった」と書かれていますが、データ自体はとても面白く、格差社会の実態を考察できます。

一部のページ、政治的に偏りと公平性に欠ける記述がありますが、その点にだけ注意すれば、日本で進行している格差がどうなっていくのか、予想する参考になるかもしれません。

本はこちら