苦節10年で気づいた世界の真実。『奇跡のリンゴ』を読む

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肥料ゼロ、除草剤ゼロ、「不可能」と言われた無農薬のリンゴを生産する木村秋則さんの成功までの軌跡をたどる本『奇跡のリンゴ』の読書感想です。

読んで気になった話などをピンポイントでまとめています。

『奇跡のリンゴ』について

農薬を使ってリンゴ作りをするのが当たり前だった時代、著者の木村さんは「無農薬でリンゴができないか?」と思い、独自のリンゴ生産をスタート。

10年にも及ぶ苦節の末生まれたのが「奇跡のリンゴ」。

不可能と考えられた無農薬でのリンゴ生産が実現。本書ではその過程を木村さんのインタビューをもとにたどっています。

全ては自然のバランス

本書の大きなメッセージの一つは全体のバランス。

「リンゴの木は単独で生きているわけではない。リンゴは周りの自然の中で生かされている存在の一つでしかない」

「そしてリンゴだけでなく人間もそれは同じ。人は自分独りだけで生きているように思えたとしても、周囲によって生かされている

これが本書を読んですぐに気づくこと。何かを作ることは、そこにあるバランスに気づくことでもあります。

あきらめなければいつか答えは見つかる

本書では、木村さんの10年にも及ぶ苦闘の道が克明に語られています。

自分がやろうとしていることに意味があることが分かって努力を続けても、来る日も来る日も結果は出ない。そしてお金はどんどん尽きていく。

何か道を開くということは、本当に厳しいことなのだと思い知らされます。

最後まであきらめない!

本書を読んで特に興味深かったのは長年の苦節の末「全ては失敗だった。迷惑をかけた責任をとろう」と山に登った木村さんがそこで無農薬リンゴを作る決定的なヒントを掴んだ、という話。

「どんなときもあきらめるな。溺れた川底で金塊をつかむ可能性があるのだから」という教訓がありますが、木村さんのケースはまさにそれ。

いつどこで逆転の解決策が与えられるかはわかりません。だからこそのネバーギブアップなのでしょう。

必ず誰かが助けてくれる

木村さんが10年以上にも渡る苦闘を読んで気づくのは、目の前に見えている物事の裏側には、それを支えている見えない何かがたくさんある、ということ(P129)。

見えている部分だけ見ていればそれに気づくことはありません。しかし見えている部分の裏側にはその見える部分を支えているものがあることは、しっかり覚えておきたい話です。

感想など

苦節10年の極貧生活を経た先に見出した究極のリンゴ作りの方法論はこの世界で生きていくための在り方について考えさせられてしまう本でした。

私たちには見えないけど大切なものがたくさんあって、それらが絶妙なバランスで調和しているからこそ、世界が成り立っている。

だから見えないものこそ本当に大切なものがあること。大切なのは、それに気づか気づかないか。その違いなのかもしれません。

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