『異文化夫婦』の読書感想 – 夫婦になっても幸せになれない、だけど

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世の中、いろんな夫婦のカタチがある。

中島義道著『異文化夫婦』(角川文庫)の読書感想です。

この本について

善人ほど悪い奴はいない』や『「思いやり」という暴力』など、独特な思想・人生観を世に問いかけている哲学者、中島義道さんの自伝的小説。

著者の中島義道さんとその奥さん、そして息子さん、3人の話が中心で、登場人物はほとんどこの3人だけに終始する、かなり私的な小説になっています。

話の内容も特殊で、妻は愛情を示さない夫を罵倒、妻に愛情を示さすことができない夫の心情が延々と繰り返される話で、中島義道さんの他の本を読むと、この小説がどんな意味を持つかが、分かってきて面白いかも。

感想など

世の中には、いろんな夫婦の在り方があるんだなぁと驚愕してしまう話。

主人公の康司(中島義道)とその妻は口論が絶えず、「妻が怪我したときに冷たい態度を取った」のが原因で、ますます夫婦関係は上手くいっていません。

妻は夫にかまってもらいたくて、心配して欲しくて、あれこれ動きますが、一方の夫は、距離感が必要で、干渉されないこと、人から迷惑をかけられたくないと思っています。

2人が上手くいかない根本の原因がココにあって、小説も、その問題が延々と繰り返される状態。最後の最後まで、読んでいて爽快になるところ、カタルシスを覚えるところは一切ありません。

人から構われたくない、愛を求められても面倒。主人公はそんな回避的な人間なので、小説を読んでいて、

「じゃぁなんで結婚したのよ、さっさと離婚して一人になればいいじゃないよ」

と思ったりもしますが、そこが人生の難しいところなのかも。

人間嫌い、愛を避け面倒を避ける男がなぜ結婚して、妻と相剋しているか、そこが気になった方は、この小説を一読をオススメします。

いろんな発見があるかも。

本はこちら
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