『「0歳児保育」は国を滅ぼす』の読書感想 – 3歳神話は根拠あり?理想的な子育てとは

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「0歳児保育」は国を滅ぼす

いま日本の子どもたちが危ない、その本当の理由。

網谷由香利著『「0歳児保育」は国を滅ぼす』(論創社)の読書感想です。

この本について

日本の待機児童問題(保育園)と、幼少期の子どもの成長にとって、いかに母親の存在が大切化を説いている本。

働くために赤ちゃんを預ける。その是非について、考える材料になる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

日本の保育政策について(P4)

今の日本は、女性の社会進出が奨励され、それにともない、「保育園不足」が問題にされている。

しかし、それよりもっと考えるべきなのは、子育ての重要性。赤ちゃんが安心して母親の元で育つことができるための支援が何より必要。

子どもを産んですぐに女性を社会に復帰させる。それは経済的に仕方ないかもしれないが、子どもの成長という点では極めて不自然で危険なこと。

国は、子どもを産んだ女性をすぐに働かせるような対策(保育園をたくさん作るなど)ではなく、赤ちゃんが1歳を迎えるまでは、母親自ら赤ちゃんを育てられる環境を作れる環境を整えるべき。

男性と子育て(P15)

男は本来、赤ちゃんを育てるDNAは持ち合わせていない。赤ちゃんをあやしたり遊んだりすることはできるが、母親にはかなわない。

母親が赤ちゃんを育てるのが自然な姿で、だからこそ、赤ちゃんと母親を分離させてはいけない。

男が子育てに協力するのであれば、家事を負担したり、赤ちゃんを育てる妻の負担を減らす方向で協力する。

母子分離の弊害(P18)

生まれた赤ちゃんを自ら育てず保育園に預けてしまう。その母子分離の悪影響は、すぐには現れず、思春期以降に表に出てくる。そして、18歳以降、更に症状が出てくる。

具体的には鬱障害や強迫性障害などの精神障害をはじめ、対人関係の障害や自己愛性人格障害など、人格障害の問題が露出してくる。

生まれたばかりの赤ちゃんを保育園に預ける。そしてある年齢までは問題は顕在化しない。しかし、その悪影響は赤ちゃんが成長して思春期を迎え、大人になってから現れてくる。

母子分離が恐ろしいのはここ。

母子一体化の考え方(P27)

人間の赤ちゃんは、生まれたときはとても未熟な状態。赤ちゃんは自我を持たずに生まれてくるので、赤ちゃんは母親を自分と同一視する。これを母子一体化と呼ぶ。

生まれた直後、母親と自分を同一視している赤ちゃんは母親を安全基地として、3歳くらいを目安に徐々に母親から分離していく。

これは赤ちゃんが母親という安全基地を持っているからできることであって、生まれてすぐ母親と離されて育つ赤ちゃんは、心の深い領域が不安定になってしまう。

それは、いわば基礎がない状態で建物を建ていくようなもので、いくら外壁や見てくれを良くしようが、根本はとても不安定なまま。

建物に基礎が大切なように、赤ちゃんにとって早期の母親との関係は、それが生涯に渡って人生に影響していく。

だからこそ、0歳から3歳は、赤ちゃんにとってとても大切な時間。「三つ子の魂百まで」は正しい。

幼稚園と保育園の違い(P49)

幼稚園は通う場所。保育園は預けられる場所。

幼稚園は3歳からしか通うことができないが、保育園は0歳の赤ちゃんから預けることができる。ここが子どもにとって決定的な違いがある。

保育園には優秀な保育士さんがたくさんいるが、いくら優秀な保育士さんでも、一人の赤ちゃんをずっと一対一で関わることはできない。

保育士さんが母親代わりとなるのは現実的に不可能で、仕事の都合上、複数の赤ちゃんを担当する。そのため、赤ちゃん一人一人にあわせた細かい対応が難しい。

結果的に赤ちゃんは「皆と同じ扱い=その他大勢の扱い」を受けることになる。それによって、赤ちゃんの人格形成に大きな障害が生じてしまう。

母親は赤ちゃん一人をずっと見ることができるが、保育士の場合はそれができない。)

親がなくとも子は育つ、ただし(P86)

生後間もない赤ちゃんの場合、母親がいないと健やかに育つことができない。

赤ちゃんにとって大切な3年間はしっかり母親が子育てする。それによって、赤ちゃんは自分から母親と分離し、「親がなくとも子は育つ」で成長していく。

本当に必要な支援とは(P94)

子どもを産んで育てる、そこに絶対的に必要なのは経済的基盤。赤ちゃんを育てるために一定の収入を保証しなければ、母親は安心して子育てに専念できない。

だからこそ本当に必要なのは、保育園を増やすなどの対策ではなく、母親がお金の心配なしに子育てできる経済的な支援。

母親の子育てを支援する(預けるのではなく)という視点で施策が必要。

感想など

過激なタイトルに惹かれて読んでみた本。

内容はいわゆる3歳児神話の本で、いかに幼少期の赤ちゃんにとって、母親による子育てが大切なのかが説かれています。

0歳時保育や3歳児神話については賛否両論ありますが、この本を読むと、たしかにそれは分からなくもない気がします。

一番の理想は母親自らが赤ちゃんを1年~3年、しっかり育てられること。その環境をいかに作っていくか。

保育園を増やすよりも、別の支援の在り方を考える。確かにそういう視点があってもいいのかもしれないと思います。

政府が女性がどんどん働くことを推奨している今だからこそ、子どもをどう育てるのか、真剣に考えたい問題だと思います。

本はこちら
関連記事
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク