『「言葉にできる」は武器になる。』の読書感想 – 言葉は人を動かすが、それには条件がある。

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いつの時代も、ペンは剣よりも強し。

梅田悟司著『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)の読書感想です。

この本について

コピーライターの著者が言葉と思考の関係性について語っている本。

人に伝わる言葉を発信するためにはどうすればいいのか、言葉を生み出すプロセスを分かりやすく理解することができます。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P5)

言葉を武器にする。そのためにはまず自分の思考を深化させることが必要不可欠。

内省的な思考によって内なる言葉が磨かれ、それによって、外に向かう言葉も磨かれ、外に対して必要なことを伝えることができる。

言葉の表層的なテクニックを学んだとしても、言葉の本質的な力を引き出すことはできない。何よりもまず、自分の思考を深化させていくことが大切。

伝わり方のレベル(P18)

コミュニケーションには段階がある。自分と相手、理解にも差があって、伝わり方には次のような段階がある。

1・不理解、誤解

話が伝わっていない。もしくは理解されていない段階。

2・理解

伝えた内容がきちんと伝わっている段階。ただし心から納得しているかどうかは別。

3・納得

相手が話したことを頭、心、両方で納得している状態。

4・共感、共鳴

話に心を動かされ、自分の解釈が加わっている状態。

コミュニケーションの最終的な楽しさは相手に納得、共感してもらうこと。話の伝え方伝わり方が、結局は人間性の評価へとつながる。

言葉の種類(P24)

言葉には外へ向かう言葉と内なる言葉、2つの言葉がある。

外に向かう言葉は人に何かを伝える、主にコミュニケーションのための言葉であり、いわば言葉の外装的なもの。

一方、内なる言葉は、自分の思考、人間性を核とする。

内面の思考度、人間性が成熟することによって、外なる言葉も効果的になっていく。発する言葉がその人の人間性そのものだから。

内なる言葉を意識する(P29)

普段何気なく頭の中で考えること、一人でいるときついつぶやいてしまうこと。それが自分の内なる言葉。

内なる言葉は外へ向かう言葉の核になっているため、内なる言葉の語彙力、思考力が充実すればするほど、外なる言葉も成長していく。

言葉力を磨くためには、まず自分の内なる言葉に意識的になることが大切。

内なる言葉を深化させるために(P77)

自分の思考を深化させるための6つの質問カテゴリ。しっかり考えて答えを出すことによって、自分についての考えを深めていくことができる。

1・自分という存在

例)一番大切にしているのは?

2・将来について

例)5年後どういう暮らしをしていたいか?

3・人間関係

例)腹を割って話せる友人はいるか?

4・恋愛について

例)好きになりやすいタイプは?

5・仕事について

例)今の仕事のどこが好きか?

6・就職・転職について

例)どんな仕事に興味があるか?

これらのテーマについて自分なりに考えを整理しておくことで、自分という人間、考え方や価値観が分かる。

それが言葉力を高める上で大切なこと(内なる言葉が外に向かう言葉になるから)。

考えを深める3つの質問(P92)

気になること、理解できないことがあれば、次の3つの質問を投げかけ、自分でしっかり考えてみる。それが思考力アップの習慣になる。

1・なぜ?

→理由を考えることで言葉の根本に迫っていく。

2・それで?

→それで=結局どうしたい?今考えていることが実現するとどうなるか、思考を前へ進めることができる。

3・本当に?

→自分の本音を考える。口だけではないのか、本当はどう思っているか。それを問う。

自分という壁(P131)

人は自分という枠を通して物事を考えている。それを変えていくには、自分だけではなく、他人視点で物を考えることが大切。

「自分はこう思う」ではなく、あの人だったらどう思うか、他人視点になることが、思考の枠を広げ、自分の壁を壊してくれる。

一人だけに伝わればいい(P208)

文章やスピーチ、人に何かを伝えようとするときは、「みんな」に理解してもらおうとするのではなく、一人だけに理解してもらうつもりで言葉を紡ぐ。

一人に理解してもらうことができれば、最後には「みんな」理解してくれる。

感想など

言葉を生み出すとはこういうことなのか、が分かる本。

本書では「内なる言葉」、「外に向かう言葉」をキーワードにして言葉を生み出す過程を分かりやすく説明されていますが、早い話、人を動かす言葉を生み出すのは内なる言葉。

つまり本人の内面的な思考力や人間性が大切という話で、中身がないといくら綺麗な言葉を使っても、何も響くものは生まれないですよ、という話だと思います。

ネットの世界では「何を言うかではなく誰が言うかが重要だ」という話がありますが、それと同じようなもので、結局言葉=本人の人間そのもの。

だから、人を動かしたかったら、自分を深化させ、言葉を熟成させなければならない。そこが本書の大切なポイントだと感じました。

まぁ確かに、同じ言葉を聞いても、なぜか心に響く言葉とそうでない言葉があります。それは言葉という表層ではなく、もっと違う、深いところに差があるのだと思います。

となると、魅力的な言葉を紡ぐには魅力的な人間になること。いろいろ経験して悩んで考えて、思考と人間力な幅を広げていくことが大切なのかもしれませんね。

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