『いい子に育てると犯罪者になります』の読書感想 – 結局、育つ環境の影響力はどうしようもなく重要だと思う

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いい子に育てると犯罪者になります (新潮新書)

つくづく、人が育つ環境は重要だと思う。

岡本茂樹著『いい子に育てると犯罪者になります』(新潮社新書)の読書感想です。

この本について

刑務所で受刑者の更生支援に携わってきたという著者による子どもの教育論。

受刑者たちとの面談や心理学の知識をもとに、子どもが育つ上で大切にすべきことはなになのか、子どもの教育について考察。示唆に富んだ内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

心の問題は幼少期に根っこあり(P12)

刑務所に収監されている受刑者たちとの対面によって明らかになったのは、生きづらさ、心の問題、犯罪行為、それらの根っこは幼少期の経験が元になっているということ。

子どもの頃の体験が、大人になった後も、ずっと影響力を発揮していく。だから、幼少期のときにこそ、早めに手当をすることが重要。

そうすれば、つらい経験が、大人になったとき宝物に変わっていく。

非行少年の本心(P77)

問題を起こす子どもの心には、「寂しい、かまってほしい、一人は嫌だ」という孤独への恐れがある。

背景には愛情不足があり、それをそのままにしておくと、他の人への恐怖心、敵愾心へ変わっていく。それが、彼らを犯罪行為へとつきたてる。

条件付きで育った子ども(P105)

良い成績を取ったらほめられる、良い子でいたらかわいがられる、このような条件付き愛情で育った子どもは、大人になると、素直に自分を表現できなくなる。

幼少期に、人に素直になる方法や甘え方、自然な接し方を学べないため、常に他人の評価がつきまとい、演技をしてまで、良い人、認められる人になろうとする。

しかし、それによって、本当に大切な人間関係が作れなくなってしまう。結果、結婚に失敗したり、深い人間関係ができず、孤独になってしまう。

立派な親になろうとしない(P167)

親は、子どもを前にすると、つい「親はこうあらねばならない」的な思考にとらわれてしまう。

しかし、「~ねばならない」は子育ての大敵。子育ては思いどおりにいかないものであり、理屈や理論ではどうしようもならない

だから、「~ねばならない」にとらわれていると、子育てで自分を追い詰めてしまう。それは子どもにもよくないこと。

親がすべきは、理想的な親を演じようとするのではなく、あるがまま、自然な姿を子どもに見せること。そうすれば、子どもも自然、ありのままでいられる。

子育てでかっこつけたり、善人を目指す必要はない。

親と子育て(P172)

子育てで大切なのは、親自身が子育てを通じて自分と向き合うこと。

子どもを育てる上で、幼少期の刷り込み、思い込み、気づくことがたくさんある。それを通じて、自分が抱いている価値観に気がつくことが大切。

結婚したら男が妻にすること(P177)

良い夫婦関係の基本は会話から。

男は妻に、自分の感じていること、思っていることを、素直に言葉で話した方がいい。男らしさにとらわれず、愚痴や悩み、そういうことも素直に表現する。

感想など

「ドキッ」としてしまうタイトルに目を惹かれ購入。

幼少期の環境がどれだけ重要かを説いた本で、この本を読むと、人がどれだけ、育った環境に影響を受けているのか、少し恐ろしくなります。

心理学の本では、「3歳時神話」や「愛着理論」に代表されるように、たいてい幼少期の環境の影響力が指摘されていて、「子どもの頃の環境の影響が一生涯に渡って影響を及ぼしている」という話が多いと思います。

もしそれが正しいとしたら、それはつまり、人という人間の核という部分(性格や思考、価値観)が子どもの頃に固まってしまうということになります。

となると、「これを選ぼう」という選択ができず、与えられた環境によって、白にも黒にもなってしまうことになってしまいます。

それはすなわち、人は何もかも自由でなく、人生の方向性はある程度、意志とは無関係に決ってしまうことを意味します。なので、幼少期の影響はあれど、それが人生の大きな部分、影響を与えているなんて、正直どうなのかなと思うところもあります。

ただ、幼少期の環境の重要さは教育や社会についての知識がなくても、世の中の人間関係を見渡せば、納得できるところもあるのも確かです。

現実問題、生まれた時点で人生イージーモードと言ってもいい人がいる一方、「これは無理だろう」という超絶ハードモードの人もいます(具体的な例は差し控えます)。

結局は世の中も人生も不平等で、幼少期の段階で、ある程度将来が決まってしまうのも否定できません。そう考えると、つくづく、世の中は難しいなぁと思います。

結局は、与えられた環境でやっていくしかないのかもしれませんが、でももしかしたら、その与えられた環境に意味があるのかもしれませんね

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