『損する結婚 儲かる離婚』の読書感想 – 婚姻届を出すことが借金の連帯保証人になるより怖い理由。

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損する結婚 儲かる離婚 (新潮新書)

結婚は愛ではなくて、金融商品取引の一つである。

藤沢数希著『損する結婚 儲かる離婚』(新潮新書)の読書感想です。

この本について

結婚を損得、お金や法律の面から淡々と語る本。

この本を読めば、どんな人が結婚で損をする可能性があるのか、逆にどんな人が結婚で得をする可能性があるのかが分かります。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P6)

離婚すれば財産を相手に半分取られるというのは間違い。

正確には、半分だけでなくもっと取られる可能性がある。というのは、「婚費」という支払い制度があるから。

別れるパートナーが専業主婦(主夫)である場合(稼ぎがない人の場合)、離婚が正式に決まるまで、稼いでいる側が、月々相手の生活費の支払いをしなければいけない。

これはたとえ、浮気など相手に非がある原因によるものだったとしても、支払いを逃れることができない。

つまり、まともな所得を稼いでいる人が離婚する場合は、自分の財産の半分程度では離婚することができない。現実問題、半分以上お金を相手に奪われる。

離婚で動く金(P13)

結婚して離婚するときに動く3つのお金。

1・慰謝料

→精神的な苦痛に対する損害賠償。

2・財産分与

→結婚してから発生したお金の半分。結婚前に稼いだお金は関係ない(ここがポイント)。

3・婚費費用

→離婚騒動が起き、相手と別居した後に発生する問題。夫婦間でより稼いでいる方が、そうでない方に毎月一定のお金を払わなければいけない。

子どもがいれば、離婚成立後は養育費が発生する)

離婚でお金がかかる理由(P19)

離婚でお金がかかる最大の理由は財産分与ではなく婚費。

婚費は離婚が認められるまで、延々と払い続けなければいけない。そのため、パートナーが悪知恵をつけたら、離婚できないのにひたすら生活費を支払うハメになる。

ヤバイのはこんな人(P38)

結婚して離婚する。その場合特に損をするのは、医師や弁護士、大企業のサラリーマン、社長など高所得を得ている男。

この場合離婚裁判が長期化し、婚費の支払いがアホみたいに続く可能性が高い(別れたい側にとっては、その方が慰謝料よりメリットがあるから)。

離婚はゼロサムゲーム(P107)

金融商品として離婚をみれば、それは完全にゼロサムゲーム。一方が完全に得をし、もう一方は完全に損をする。そこに綺麗事はいらない。

結婚で失敗しないために(P111)

人生が上手くいっている男は、収入が一番良い人生のピークのときにこそ結婚する。

結婚する前に稼いだ金は妻のものにはならない。だから人生のピークのときにこそ結婚すべき。

いいところのお嬢さんはやめておけ(P118)

結婚でよくあるのが逆玉の輿。良いところのお嬢さんと結婚して、上級国民を目指す。

妻の実家が金持ちなら、生活や子どもの教育など、さまざまな視点が期待できるが、人は金を出せば口を出す生き物。あれこれ干渉される可能性が高い。

そして、妻と関係が悪化したとき、妻の両親が最大の敵となる。金持ちの親は法律の知識を持っていることが多い。

離婚問題が起こったときは、優れた弁護士が雇われ、最大限にお金を奪われる可能性が高い。

おまけに、妻が専業主夫の場合、婚費を支払うのは男。金持ちの妻に男が婚費を払い続けるハメになる。

結婚前のポイント(P122)

結婚とお金に関して重要なポイントは、結婚前の財産は共有財産にならない、ということ。

結婚する前に、通帳のコピーなどをとっておき、自分がどれくらいの財産を持っていたことをきちんと証明できるようにしておく。

また、結婚する際も、収入が一番良いときにこそ結婚する。ボーナス前に結婚はしてはダメ。

離婚を考えたら(P123)

離婚を考えたらまずすべきなのが妻との別居。住んでいる物件を解約し、物理的に完全に別居状態になる(自分一人だけが出ていってはダメ)。

離婚では別居期間の実績が重要になるので、別居は早ければ早いほど良い。婚費費用が決まる前に、きちんと別居して、動きやすくしておく。

ここがヘンだよ日本の法律(P144)

日本の法律では、妻と婚姻中に出来たこどもは夫の子どもとなる。そのため、妻の浮気で出来た別の種の子どもであっても、離婚後は夫が養育費を支払わなければならない。

また、離婚から300日以内に生まれた子どもも前の夫の子どもとなり、養育費の支払い義務が発生する。

現代ではDNA鑑定という素晴らしい技術があるにも関わらず、家族の法律は明治から止まったまま。現状にそぐわない法律によって、理不尽な状況が発生している。

まとめると(P157)

結婚においては、自分より所得が高い相手と結婚することで得をし、自分より貧乏な相手と結婚することで損をする。

感想など

結論から言って、男女関係なく、「お金を持っている人は結婚に注意しなさい」という本。

結婚に感情的な要素を一切排除して、法律やシステム、お金の面で何が得で損なのかが淡々と説かれている本なのですが、読めば読むほど、世の中のいろいろおかしいことがあるな、と。

本書によると、今の婚姻制度や法律は現状に即していないカビの生えたものになっていて、離婚をするときはお金を持っている側がとことん損をするという状況。

この本で「婚費」(お金を持っている側が別居した元パートナーの生活費を払うこと)という話を知りましたが、これは本当に恐ろしいですね。

相手が悪意を持ってこの制度をフル活用されたら、最悪払う側の人生が詰むではないですか。

離婚は考えたくないけれど、3組に1組が離婚する今、結婚するなら最悪離婚する可能性はあります。

婚費の場合はお金を稼いでいる側(持っている側)が支払の義務が生じますので、

・結婚相手にも同等の収入、もしくは近い収入を求める(=専業主婦、専業主夫はNG)

・速やかに離婚を成立させる

など、万が一のことを考えておくことが大切さが実感できます。

本書に書かれている通り、結婚とは持たざる者にとっては得する可能性があるものであり、持つものにとっては損する可能性があるもの。

「結婚を損得で考えるのか!」というような反発心もないわけではないですが、「冷静にこういう事実もある」ということを知っておくのも大切。

実際、私の周りで離婚した友人とか、本当にまぁいろいろ、大変そうですからね。

ということで、幸せになるために結婚するとしても、いつも最悪の事態は想定したいもの。

ある作家が言ったように、結婚とは人を信じること。しかしもし信頼が失われたら?結婚が視野に入った人(特に男性)は、一読の価値がある本です。

本はこちら
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