当たり前だが、世の中はいい人だけではない。『他人を攻撃せずにはいられない人』を読む

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他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)

やっかいな人間関係に時間と精神を浪費されないためには、対処法を知っておくことが大切。

片田珠美著『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)の読書感想です。

この本について

人にいじわるやいじめをしたり、やたら人に悪口や暴力を振るうような、攻撃的な人間の姿とその対処法が書かれている本。

・人の幸せな姿が許せず、幸せな人を攻撃し、嫌がらせをする人。

・何でも責任転嫁し、誰かの悪口を言って責任逃れをする人。

・能力のある部下を攻撃ターゲットに設定、嫌がらせや罵倒を繰り返す上司。

・あなたの友人のふりをして影であなたの評価を落とす悪口を言いふらすフレネミー。

など、関わりたくない、しかし世の中に存在する攻撃的な人の実像を明らかにし、そのような人々から被害を受けないために知っておきたいことが、分かりやすくまとめられています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに、攻撃的な人とは(P14)

暴力を振るう人、面と向かって悪口や暴言を言う人、怒りや敵愾心を露骨に態度に出す人、陰で人の中傷(ウワサをばらまく、ネットで誹謗中傷の書き込みをするなど)する人、陰湿な行動でいやがらせをする人。

彼らの行動の共通点は破壊願望。「自分以外の誰かが幸せでいることが許せないからその幸せを壊してやりたい。オレの利益のためにあいつが邪魔だから潰してやりたい。」といったような動機をもとに、攻撃的な行動を起こしてくる。

人の悪意はなかなか気づきにくい(P20)

悪意を態度で示す人への対処は比較的容易だが、攻撃的な人のなかには、攻撃性を隠し、たくみにこちらの信頼を勝ち取り、陰湿で卑怯な攻撃を加えてくる人間も存在する。

そのような人の悪意に気がつくのは難しく、被害を受けるまでは、なかなか相手の真意に気がつかない。

こちらの行動にケチをつける人は敵愾心を持っている(P21)

攻撃的な人の行動の特徴は、こちらの劣等感や無価値観を刺激してくること

上手くやれた仕事(客観的に見ても)について批判してくる同僚や上司など、まともな努力の結果を批判してくる人間は、害を与えてくる敵である可能性が高く、用心が必要。

うまくいっているシステムをわざわざ壊す人(P23)

世の中には、自分の権威や能力を示したいがためだけに、上手くいっている事例やシステムをあえて壊して、良かった状況を悪くする人がいる。

彼らは自分のやり方にこだわり、それが間違っていようとも、「自分が正しい」と主張し続けるので、組織にそのような人がいるとかなり厄介。

彼らは、根本的に人の仕事が気に食わず、本質的に「オレはスゴイ、オレには権力があるんだぞ」ということを人に示したいだけで、「人を支配したい」という攻撃的な思いを持っている。

よくあることですが、映画やゲームなど、人気シリーズのディレクターやプロデューサーが変わったとたん、一気につまらなくなってしまうことがあります。

シリーズの人気の秘訣だった要素や仕様が、新しいプロデューサーやディレクターによって改悪されてしまい、駄作になってしまうケースです。

要は、これも、前任者の仕事、設定した仕様を否定することによって、自分の評価を高めたい、自分色を出したい攻撃的な人の行動なのかもしれません(こういう人ほど、社内政治が上手で、出世するのかもしれませんが)。

攻撃的な人は感覚で見分けがつく(P33)

攻撃的な人を見分けるには、次の2つの感覚に注意する。

1)一緒にいると疲れて重苦しい気分になる。自分が枯れて、エネルギーを吸い取られる感覚があるか

2)一緒にいると自分が無価値で、相手に申し訳ないような感覚や、意見が食い違ったときに「自分の考え方が悪いのかな」とこちらが間違っているような感覚になるか。

攻撃的な人にターゲットにされると(P61)

攻撃的な人に捕食されそうになると、次のような症状が出るので、それを予兆として注意、対策を立てること。

1)気力がなくなる。エネルギーがなくなり、相手に反論できない、もしくは反論をムダに感じる。

2)相手にけなされたりからかわれて、行動に困惑する。反応すると罪悪感にかられたり、不信感が募る。

3)一緒にいるとなぜか重苦しく、体調が悪くなる。(その人といると心身に不調を感じる。)

本当は10個のリストがありますが、要約して3つにまとめました。

攻撃的な人はこのように理論武装する(P68)

攻撃的な人は自己正当化の達人。息を吐くようにウソを言い、被害者面をする。「こちらが悪い」と思うよう、我々の罪悪感を刺激したりするので、相手のやり口を認識しておかないと、相手のペースにのせられてしまう。

攻撃的な人が用いる武器は次の7つ。

1)分からないフリをする。

2)他人のせいにして被害者面する。

3)非難されても反応を示さない。

4)くどくてこちらを疲れさせる。

5)人の価値観を否定する。

6)あいまいな言葉を使い、認識のズレを誘発させる。(あいまいな言い方で言い逃れするため。)

7)こちらの罪悪感を刺激する。

攻撃的な人にターゲットにされやすい人(P93)

攻撃的な人は獲物を探している。そして、彼らの獲物になりやすい人がいる。その人は、自分の意見をあまり主張せず、波風を立てて周囲との不調和を嫌う人。

よく言えば、強調性や他者視点のある人、悪く言えば、自分に自信がなくて周りの目を気にする大人しい人

攻撃的な人は、反撃してこない人をターゲットにしやすいため、大人しく、周りと問題を起こしたくないような、「静かな人」や、「大人しい人」を攻撃対象に選ぶ。

「あなたには価値がない」と思い込ませる手口に気をつける(P106)

攻撃的な人は、こちらをつねに、「あなたはダメなんだよ、だから私が正しいんだよ。あなたは無価値なんだから、私の言う通りにするんだよ」というような、こちらの価値観を否定する言動を発してくる。

これは、他人を否定しないと自分の価値を実感できない攻撃的な人の典型的な特徴で、実は、このような言動は、人を攻撃して否定せずには自分の存在価値を示すことができない、攻撃的な人の弱点を示している。

自分が間違っていてはいけない。だから人を否定する。これが彼らの特徴であり、近年問題になっているモンペやクレーマーも、本質的には他者を否定することで自分の存在意義を見つけようとする「弱い人」。

他者を否定していれば、自分が万能の存在であり、自分の考え方が「正しい」ことにできる。だから、わざわざ人様にちょっかいをかける。

原則誠意は通じない、だから(P165)

常識的な人は、「お互い様」の精神があるため、相手を批判したり、否定したりするような、攻撃的な言動はしない。だから、攻撃的な人との関係も、「話せば分かる」の精神で、誠意を持って取り組んでしまう。

しかし残念なことに、この世の中、誠意も常識も通じない人がいるという現実がある。ウソでも暴言でも何でもありの攻撃的な人には、一般的な人との対応とは違う対処が必要。

攻撃的な人には、決して弱みをみせず、相手に共感や理解を示そうとはせず、自己防衛心を発揮し、毅然と対応する必要がある。間違っても、「話せば分かる」と考えてはいけない。

感想など

ざっくばらん、世の中にいる攻撃的な人間の実像を「これでもか!」とストレートに書かれている爽快な本でした。

心理学の本によくあるような、理屈だけの机上の理論はなくて、実際いたるところにいる人を攻撃することによって自分の優位性を保持しようとする攻撃的な人の姿を、分かりやすく理解することができます。

人間関係が仕事の大きなウェイトを占める塾や学校関係、営業の方、職場の人間関係に悩む方は、この本を読むことで、あなたを悩ます人間関係の正体がハッキリするかも。

本はこちら
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